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1度転んでも諦めなかった、Xゲームズ・オスロで小野塚彩那が逆転・銅メダル

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会役員
1度転んだくらいではあきらめない、小野塚の実力 Photo: Abumi

ノルウェー・オスロで開催中のXゲームズ、28日の最終日にはスキーのスーパーパイプ女子決勝で小野塚 彩那(おのづか あやな)が銅メダルを獲得した。

表彰台で笑顔を見せる小野塚選手 Photo: Asaki Abumi
表彰台で笑顔を見せる小野塚選手 Photo: Asaki Abumi

オスロ郊外のウィンターパークで開催された決勝には、8人の強豪が集まり、小野塚選手は唯一の日本人。

この日も快晴に恵まれた Photo: Asaki Abumi
この日も快晴に恵まれた Photo: Asaki Abumi

メダルは無理か、という空気はすぐさまおとずれた。3本のランのうち、1本目で途中で大きく着地に失敗。

途中で失敗し、転んでしまった Photo: Asaki Abumi
途中で失敗し、転んでしまった Photo: Asaki Abumi

会場の観客はどよめき、司会者は「膝は大丈夫でしょうか?」と懸念していた。歩き方から負傷したようにもみえ、2回目以降のランは、出場さえも雲行きが怪しく感じられた。1回目の得点も、19.66点。

だが、2回目以降もあきらめずに飛び続け、68.66点を記録。

Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi

司会者の進行からも、それでもメダル有力候補からは外れたように思われたが、最後のランで83.66点を記録。一気に3位へと逆転し、会場を驚かせた。

1位はキャシー・シャープ(カナダ)で最高88.33点。2位はマディー・ボウマン(アメリカ)で85.33点。

日本は金2、銅1という異例の快挙

これにおいて、オスロ大会では、平野歩夢選手の金メダル(男子スノーボード・スーパーパイプ)、角野友基選手の金メダル(男子スノーボード・ビッグエア)に続いて、日本は計3個のメダルを獲得するという異例の快挙を遂げた。

転んでから、気持ちをすぐに切り替えた

銅メダルが決定した直後にコメントをいただいた。

Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi

「今シーズン初めてパイプスの中で転んで、ナーバスになっていたのですが、反動で思い切りいこうと思って、立ててよかったです。前日に歩夢君と友基が金メダルをとっていて、その流れに乗りたいなと思ったのですが。最後まであきらめず、思い切っていけて、表彰台に上がれてよかったです」。

「Xゲームズは世界最高峰の大会」

「足は大丈夫です」と語る小野塚選手。エックスゲームズは本人にとってどのような大会か聞いた。

「出るほうが大変だし、出てから表彰台にのぼることも大変。これが世界最高峰の大会だと思います」。

「またオスロに来たい」

本人にとって、オスロの訪問は今回が2回目。「すごくいい街で、人もいいし、街も綺麗。シーズン中は時間がないのですが、今回は歩き回る時間を持てました。少しリフレッシュもできて、メンタル的なコンディションもいい状態で迎えることができました。また来たいですね」と語った。

今回のXゲームズで、日本勢は底力の強さをノルウェーの地で見せつけた。

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Photo&Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会役員

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信15年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。ノルウェー国際報道協会 理事会役員。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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