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同性愛者である保健大臣が大絶賛! 男子高生の同性愛を描いたノルウェー発・高校生ドラマ『SKAM』

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会役員
Photo: NRK

16日、ノルウェーの高校生ドラマ『SKAM』(恥)のシーズン3が最終話を迎えた。高校生たちの日常や葛藤をリアルに描いた作品は、北欧各国などで大きな反響を呼んでいる。

今シーズンでは、男子高校生イーサックとエーヴェンの同性愛を自然と描いている。ファンが英語字幕を付けたものはネットで広まり、LGBTIのネットワークからも好評を得た。

男性同士の恋愛に加えて、宗教、精神病、友情、親子関係など、社会のタブーも含めた複数のテーマがいくつも絡み合った今作。連日アップされる短いクリップを見ようと、公式HPをクリックする人が後を絶たない現象が続いた。

最終話が公開された日、ベント・ホイエ保健・ケアサービス大臣が、自身のフェイスブックとツイッターで、『SKAM』を賞賛するコメントを投稿した。同大臣は、同性愛者として知られており、同じ保守党の男性と結婚している。

ホイエ大臣(左)と夫(右) Photo: Asaki Abumi
ホイエ大臣(左)と夫(右) Photo: Asaki Abumi

今晩でSKAMが最終話を迎えます。イーサックをまるで自分のように感じたのは、きっと私一人だけではないでしょう。イーサックとエーヴェンの物語をフォローすることができた体験は素晴らしいものでした。これほどまでに、愛というものが、美しく、胸を刺すように熱烈に描写されたものを、私は見たことがありません。

このシリーズを作ってくれたスタッフの皆さん、そして若い俳優の皆さん、ありがとう。皆さんは、偏見を破り、周りと違った存在でいることを、楽にしてくれました。ありのままでいいのだよと、SKAMが若い人々にインスプレーションを与えますように。#evak

出典:Bent Hoie大臣, Facebookページ

同大臣が文末に書いた「#evak」は、主人公2人のイーサック(Isak)とエーヴェン(Even)の名前を合わせた文字。ネット上でドラマを語る時に#evakとファンが書くようになった。「ありがとう、#evak」など、そのハッシュタグを付けるだけで、視聴者がドラマに夢中になっていることを表していた。

ホイエ大臣は、ノルウェー国営放送局NRKの取材に対しこうとも答えた。「私が若かった時に、このようなテレビシリーズが必要でした。きっと大きな安心感を覚えていたでしょう、自分だけではないのだと」。

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Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会役員

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信15年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。ノルウェー国際報道協会 理事会役員。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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