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商店街活性化に、アーケード改修やイベントより重要な事

秋元祥治やろまい代表取締役/武蔵野大学EMC教授/オカビズ

中心市街地活性化のために交通網を整備しろとか、駐車場とかって話をなぜ今更まだおねだりするのだろう。だいたい特定の場所に立地していると言うだけの理由で私企業の金儲けに、なぜ行政資金がどんどんとつぎ込まれるのか。そんなんものなくても、お客が来ている店があるじゃないか。つまり差別化され魅力のある店舗は、客が来ている。個店がそうなればよい、ということではないのか。そしてそれが市場競争では?

通行量が減少し、衰退がすすむ岐阜市・柳ケ瀬商店街でも、行列のできるお店はある
通行量が減少し、衰退がすすむ岐阜市・柳ケ瀬商店街でも、行列のできるお店はある

補助金とかアーケードとかじゃなくって、市場で選ばれる店かどうか。http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51446648.html

※愛するまるデブも、商店街すぐ。通行量調査をすればずいぶんと減っているけれど、でも今でも行列ができる。つまり、駐車場が無くてもアーケードが古くても、旨ければ支持されるわけで。

マクロな都市政策の議論があるのは理解できます。ただ、個店の売上げアップの話を、外部要因になすり付けるには無理がある、と思うのです。だって、同じ条件で行列のできる店だってあるのですから。とすると、衰退する店舗は、やはり市場競争に負けた、顧客の支持を失っていたと言う事だと思うのです。

だからこそ必要なのは、補助金でもハード整備でもなく、個店の売上げップをどう支援するか。相談に乗ってくれて、実際の売上げアップの知恵と気付きを引き出すビジネスコンサルティングが必要なのでは、と思うのです。

もちろん、テナントの新陳代謝の問題はあると思います。シャッター街をどうしたらよいのか、という議論はありますよね、土地利用からも税収の観点からも。その問題の本質は、テナント賃料が高止まりしている事にあると思います。そしてそれと共に、過去の繁栄で言っての蓄えを持った大家さんが貸し出さなかったり、転売しない事もまた課題。

これは、BIDとかを参照しつつ税制で再開発を後押しするとかって行政的な支援とともに、不動産賃貸価格を開示して市場競争の中で適切な価格でテナント募集を出来るようにしたら良いと思います。

まちがっても、ここで家賃補助をすると、それをめあてに賃料の高止まりになりうるので辞めた方が良いと思います。

そして結局は挑戦するひとを街に招き入れ、

そのチャレンジを応援していく事。

一方、意欲なき人にはご退席をいただく。

これが大変大事な事だと思うのです。

ではでは。

秋元祥治・公式ブログ http://akimotoshoji.blog.jp より

やろまい代表取締役/武蔵野大学EMC教授/オカビズ

01年より、人材をテーマにした地域活性に取り組むG-netを創業し03年法人化。現在理事。13年オカビズセンター長に就任。開設9年で約3300社・2万2千件超の来訪相談が押し寄せ、相談は1ヶ月待ちに。お金をかけずに売上がアップすると評判で「行列のできる中小企業相談所」と呼ばれている。2022年より武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授に就任。内閣府・女性のチャレンジ支援賞、ものづくり日本大賞優秀賞、ニッポン新事業創出大賞・支援部門特別賞ほか。内閣府「地域活性化伝道師」等、公職も。著作「20代に伝えたい50のこと」、KBS京都「KyobizX」・ZIP-FM「ハイモニ」コーナーレギュラーも。

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