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李忠成、高梨沙羅らトップアスリートが伝えたメッセージ「キミの一歩を踏み出そう」

浅野祐介OneNews編集長

8月4日、NIKEジャパンが主催する各カテゴリーのトップアスリートと大学生による交流イベントが都内で開催。「JUST DO IT.-キミの一歩を踏み出そう-」がテーマの同イベントに、ボクシングの内山高志選手、バスケットボールの大神雄子選手と川村卓也選手、スキージャンプの高梨沙羅選手、陸上の中西麻耶選手と大久保絵里選手、渋井陽子選手、サッカーの李忠成選手と森脇良太選手、野球解説者の小宮山悟氏と、約200人の大学生が参加した。

東京・新宿の日本青年館で行われた第一部のトークセッションには内山選手、大神選手、高梨選手、中西選手、李選手、小宮山氏が登場。それぞれのターニングポイント、挑戦エピソードなどを披露した。

【トークセッションに参加した選手の言葉】

内山高志選手

「高校の時は、全然成績を残せない駄目な選手で、勝って負けての繰り返し。大学時代はなおさらで、大学1年の時は同級生の荷物持ちをやったりしていた。荷物番とかやらされていたのがすごく嫌で、週7日、本当に毎日、必死で練習した。気がついたら、みんなより上にいました」

中西麻耶選手

「(義足について)アスリートはみんなそうだと思いますが、多い時は毎週末に大会があるので、負けたり、思い通りにできなかったことをいちいちひきずっても仕方がない。同じように、なくなったものはなくなったものという感じです。義足になったけど、だからどうした、そういう感じです。義足自身を楽しむというか、私はそういう感じで楽しんでいます」

「海外ではオリンピックもパラリンピックも分け隔てない。日本では障害者スポーツは、まだリハビリとか障害を持っているという点で見られがちだけど、それを自分が変えていければと考えてやっています」

大神雄子選手

「(WNBA※アメリカの女子プロバスケットボールリーグでは)最初は何よりも言葉と環境が違い、プレー以前の問題で馴染めませんでしたが、逆に海外から日本を見ることで、日本を知ることができた。日本をより好きになることができました」

李忠成選手

「祖国はどこかとよく聞かれるけど、僕の中で祖国は韓国と日本の2つ。(2013年のアジアカップは)そういった中で、日本を背負って国際大会に出場したことはすごく感慨深かったし、大会で得点できたことは、自分の人生のターニングポイントとなった。(あの決勝のゴールで人生変わったのでは?)はい、実家が立ちましたね(笑)」

「海外経験は素晴らしかった。サッカー観、人生観が大きく変わった。英語圏に行けたこと、イギリスだったのが良かったと感じています。(ケガもありましたが?)サッカーができなくて、代表からも外れてしまって、今でも悔しいけど、日本に帰ってきたことが新たな一歩目なので、この一歩をぜひ成功させたいですね」

小宮山悟氏

「新しいことにチャレンジすることが人生において大切なことだと、人生の先輩として伝えたい。今日から始めましょう。自分は人生の折り返し地点を過ぎていますから(笑)」

「今は中学生相手に野球を教えています。指導のポイントは、自分たちはプロとしての経験で『こうすればいい』が身についていますが、今は情報が手に入りやすい反面、間違ったやり方をしている子も多いので、故障しないための体の使い方、鍛え方を教えています。体幹をうまく使えるかどうかで変わってきます」

「教えることで学ぶことは多いです。『これはできるだろう』と思って接する中でも、できない子もいれば、簡単にできる子もいる。できない子をできるところまで持っていくことが大切だし、それが醍醐味だと感じています」

高梨沙羅選手

「今年はソチオリンピックという大きな舞台があり、選んでいただいたのに何もできず、大会後はずっと落ち込んでいました。でも、たくさんの方から温かい言葉をかけていただき、その後の舞台で活躍できて、本当にたくさんの人に支えられて次の一歩を踏み出すことができました」

さらに参加した大学生からの「チームでプレーする時、チームメートに気を使うことは何ですか?」という質問には李選手が「若い頃は気を使いすぎて自分のプレーができなかった。先輩に『自分のリズムでプレーしな』と言われてから、まずは自分のリズムでプレーをして、それがチームのためになるという考えに変わりました。周りを気にしすぎないこと、自分が楽しくてみんながある。それがチームだと思います」と回答。大神選手は「まずは声を出す。声を出して、それにみんながついてくるように、『こいよ!』みたいな感じです。声を出して、『ワー!』っていう感じ」と声かけの大切さを解いた。

第2部のトレーニングセッションでは、3組に分かれて、ランニングレクチャー、フットサル、ランニングを実施。専門的な指導ではなく、楽しくスポーツをしてもらうことが目的のこのトレーニングセッションで、大学生は憧れのアスリートと一緒に笑顔を見せながら身体を動かしていた。

大学生と汗を流す李忠成選手、高梨沙羅選手らトップアスリートたち

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そして最後は神宮球場の室内練習場で、NIKEトレーニングクラブによるエクササイズ。リズミカルなエクササイズで全員で汗を流した後、森脇選手が壇上から「今日、楽しんでいただけた方は手を挙げてください!」と呼び掛けると、全員が笑顔で挙手。その後、全員で「JUST DO IT!」の掛け声をしながら記念撮影を行い、全プログラムが終了した。

イベント後、森脇選手と李選手に話を聞いた。

森脇選手

「本当に楽しかったなと。今日初めて体を動かす方、はじめてスポーツをやられる方がたくさんいたと思うけど、最初はどうしても楽しいのかなと不安を抱いている方もいる中で、『楽しかったですか?』と最後に聞いた時、みんなが笑顔で手を挙げてくれて、うれしかったなと。そういう気持ちになってくれてうれしかった、それが率直な感想です」

李選手

「スポーツを通じて人と人とがつながったり、テンションが上がることは、スポーツ選手としてとてもうれしいこと。これからもスポーツを通じて、スポーツの力というものを広げていけたらなと思います」

森脇選手

「フットサルでは、自分はサッカー選手として技術のあるほうではないので、技術的なことはあまり教えることはできなかったけど、スポーツを通して楽しさや喜びを、少しでも参加してくれた方々に伝わってくれたらいいなという思いでこのイベントに参加したので、そういう感情を一人でも多くの人が抱いてくれたら僕自身はハッピーだなと。今日、ナイキさんがイベントを開いてくれましたけど、ひとつ意義を達成できたかなと感じています」

森脇選手

「アスリートとしてもっとたくさんのことを話す時間があれば良かったけど、サッカー選手以外の人と触れ合う機会もあまりないので、貴重な経験になったなと思いますし、またこういう機会があればどんどん参加したいなと思います」

李選手

「自分の経験だったり、そういうもので、一人でも何かを感じ取ってくれて、その人の生き方にプラスになることを願っているし、そういうアドバイスになればと思います」

「(他のアスリートとの出会いについては)沙羅ちゃんが、かわいいなと思いました。あんなに小さいとは思っていなかったですし、あんなにかわいいとは思っていなかったです。あと、森脇はどこにいっても森脇だなと。全部持っていっていたと思います(笑)」

普段あまりスポーツをやらない大学生たちにスポーツを楽しむきっかけを与えるためのイベント「JUST DO IT.-キミの一歩を踏み出そう-」。スポーツの魅力を伝えたアスリートと、スポーツの魅力に気づいた大学生が、ともに大きな一歩を踏み出す一日となったはずだ。

OneNews編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAに所属。『ウォーカープラス』編集長を卒業後、動画の領域でウォーカー、レタスクラブ、ザテレビジョン、ダ・ヴィンチを担当。2022年3月に無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」をスタートし、同年9月、「OneNews」創刊編集長に就任。

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