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本田圭佑、ミラン2年目の好スタート。セルジオ越後氏も再評価「結果を出し続ける者だけがスーパースター」

浅野祐介OneNews編集長

ブラジル・ワールドカップを経て開幕を迎えた2014−15シーズンの欧州リーグ。ここまで、際立った活躍を見せている日本人選手はミランの本田圭佑、そしてマインツの岡崎慎司だ。前者は5試合で3得点2アシストを記録し、後者は5試合5得点で得点王ランキングのトップに位置している。

ミランの本田、マインツの岡崎…日本人が伊と独の得点ランク首位に

グループリーグ敗退でブラジルW杯を終えた日本代表。セルジオ越後氏は主要メンバーの本田について「ミランでかなり厳しい立場に置かれるだろう」と語っていた。ここで今、改めて、本田の活躍、加えて岡崎の活躍を、同氏がどう見ているかを聞いてみた。

ミランの本田圭佑とマインツの岡崎慎司が活躍している。本田はここまで3ゴールをあげ、岡崎も5ゴールをあげ、ともに得点ランキングで上位につけている(※セルジオ越後氏に話を聞いたのはセリエA第4節、ブンデスリーガ第5節終了時点)。

W杯前後の不調から、僕は本田がミランでかなり厳しい立場に置かれると言ってきたけど、その指摘を覆すような結果は素晴らしいね。監督の信頼を得ているのが何より大きい。

イタリアメディアは開幕前から一転して本田に対して賛辞の嵐だ。日本人的には超がつくほどの手のひら返しに見えるかもしれないけど、これは強豪国のメディアでは当たり前のことだ。選手やチームは生ものであり、評価も同じ。ある試合で良ければ褒め称えるし、次の試合で悪ければ一転して叩く。それでもコンスタントに結果を出し続ける者だけが、スーパースターとしてビッグクラブでプレーできる。

イタリアのメディアが厳しすぎるのか、日本のメディアが優しすぎるのか。どちらのほうが選手が、そしてサッカー文化が成長するのかを考えなければいけないね。海外に移籍しただけで、試合に出場しただけでスター扱いする時代から、次のステージに進まなければならない。それは海外でプレーしている選手たち自身が一番理解しているんじゃないかな。

ブラジルW杯では、アジアと世界の差がさらに開いていることが証明されてしまった。日本はW杯のメインキャストの中に入れなかった。今までと同じ姿勢では、どんどん差が開いてしまうということだ。選手が本場のプレッシャーの中でレベルを上げているなら、日本のメディアもファンも、同じように見るレベルを上げていかないと、日本サッカー全体のレベルが上がっていかないよ。

28日のセリエA第5節チェゼーナ戦でもCKからアディル・ラミのゴールをアシストした本田。セルジオ越後氏が語るように、フィリッポ・インザーギ監督も本田への評価を常々、口にしている。

本田 ザック前代表監督の前で同点弾アシスト決める

「スーパースターとしてビッグクラブでプレーできる」存在へ、ミラン2年目の本田の歩みに、これからも注目したい。

セルジオ越後のサッカー日本代表論

OneNews編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAに所属。『ウォーカープラス』編集長を卒業後、動画の領域でウォーカー、レタスクラブ、ザテレビジョン、ダ・ヴィンチを担当。2022年3月に無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」をスタートし、同年9月、「OneNews」創刊編集長に就任。

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