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サッカーを、もっとみんなのものへ。日本サッカー協会が「グラスルーツ宣言」に込めた“本気の思い”

浅野祐介OneNews編集長

「Football For All サッカーを、もっとみんなのものへ。」

2014年5月15日にJFA(日本サッカー協会)が行った「グラスルーツ宣言」。グラスルーツの推進に向け、今年1月にはグラスルーツ推進部が新設された。「だれもが、いつでも、どこでも、サッカーを楽しめるようにするための活動」の狙いとビジョンとは何か。現在の動きと今後の展望を含め、グラスルーツ推進部部長の松田薫二氏に話を聞いた。

――グラスルーツ宣言と実現に向けて推進部が設立されましたが、改めて「グラスルーツ宣言」の狙いについて教えていただけますか?

グラスルーツ宣言は2014年の5月15日に行いました。5月15日はJリーグが開幕した日でもあり、AFCのグラスルーツデーの日でもあります。FIFAやUEFAでもグラスルーツの推進、活動が盛んになっていて、グラスルーツは非常に重要な位置づけになっています。日本においても、すそ野を広げることは『2005年宣言』、サッカーファミリーが2015年の500万人、2050年で1000万人につながる重要なテーマになるということで、グラスルーツ宣言を行いました。FIFAやUEFAの流れのように、誰もが、いつでも、どこでも、サッカーをしたり、見たり、応援したり、支えたり、とサッカーを楽しめる環境を作っていくために宣言をして、それを具現化していくために2014年、社内にグラスルーツ推進プロジェクトを立ち上げ、そのなかでグラスルーツの様々な施策や障がい者サッカー、メンバーシップ制度などについて検討を重ねてきました。これまで日本サッカー協会が取り組んできた活動に加え、新しい活動を広げていくためには専門部署を立ち上げて取り組むべきと、今年の1月にグラスルーツ推進部が新設されました。グラスルーツの範囲は、一般的に「子ども」のところと捉えがちですけれど、我々の捉えるグラスルーツは、日本代表やプロサッカーの活動以外のすべてをグラスルーツという範囲で捉えています。子どもからお年寄りまで、健常者も障がい者も含めて、ほとんどの範囲に当てはまることなので、どこから始めるべきかという部分もあります。

――おっしゃるとおり、本当に広範囲ですよね。

自分自身は10歳からサッカーを始めて、ずっとグラスルーツでやってきたわけですが、僕らの頃はプロになるという選択肢はなかったですし、大学の途中までサッカーを続けていました。引退したら「サッカーをやる」という意識もありませんでした。関東大学サッカー連盟の運営を大学3年からやることになりましたが、その時は「プレーヤー」ということ自体は頭から消えて、「サッカーの仕事に携わっている」という考えでした。その後、ヤマハ発動機のサッカー部に入ってチームの運営を3年間担当しました。そのときもサッカーをプレーするという意識はなくて、世話をするほうが仕事でしたからね。では、趣味でサッカーをやるかというと、そんな時間もなかったです。サッカーを仕事にしていると、なかなかサッカーができないんですよね(笑)。サッカー部は3年でやめて、社業に専念して、サッカー部のOBのチームに入ったんです。東海リーグでレベルも高くて、そこで現役復帰し、1992年9月のJリーグに出向するまでの間はずっとサッカーがやれていたんですよ(笑)。でも、Jリーグに行ったらプロリーグ立ち上げ準備で忙しく、それどころじゃない、そこでまた“第2の引退”ですね(笑)。サッカーをやろうということもなかったですし、どこにどういうチームがあるかもわからなくて、それからずっと20年間サッカーをしていなかったんです。

――日本サッカー協会(JFA)に入られたのはいつごろですか?

僕は2004年に日本サッカー協会に入ったんですが、その前はJリーグではいろいろな仕事をしていました。地域密着、Jリーグの理念の具現化ということで、百年構想というスローガンを打ち出し、地域密着型スポーツクラブやホームタウンづくりに取り組んだり、Jリーグのアカデミーを立ち上げたりしました。JFAでは指導者養成、選手育成の仕事に携わり、JFAのアカデミーにも関わりました。広報部を経て、全カテゴリーの代表チームを担当しました。代表選手やプロ選手になるのは一握りの選手で、多くの選手はやめていきます。それをあまり不思議とも思わず、ある意味、「当たり前の世界」と認識していました。自分がプレーヤーだったときもやめていく選手はいましたが、自分が試合に出ていたからあまり気にしていなかったんですね。ですが、子どもの試合を見るようになって、気づかされました。そういったことを経てきて、2014年5月15日の「グラスルーツ宣言」、これは大変なことを宣言しているなと。当時、僕は代表チームの担当で、少し離れた立場だったこともあり、他人ごとのように感じていましたね。

――なるほど。

ただ、自分の経験を振り返ってみても、やめていくのが当たり前だったり、好きなのにサッカーができなかったりするのは、やっぱりおかしいなと感じる部分がありましたし、ヨーロッパのクラブもたくさん見ていますが、向こうでは年齢を重ねても自分の居場所がクラブにある。これが日本にもあったらいいなと、サッカーが好きならずっと続けていける環境を作りたいと思いました。自分の子どもを通して見たとき、試合に出られない子がたくさんいた。小学校の6年間で一度も公式戦に出られなかったりするケースがある。8人制サッカーなのに8人で戦うようなチームがあったりして、8人制サッカーの「交代自由」という制度もあまり理解されず、ほとんど交代なしで勝つことだけが優先されて試合に出られない子がたくさんいる。そういうのを見ていて、おかしいなと思うし、親の立場からすれば、すごく嫌な気持ちになってしまう。トップチームで試合に出られないなら、他のチームで公式戦に出してくれと強く感じていたんです。ただ、実際には、そうしようとしても指導者が少なかったり、場所がなかったりといった問題があって、やりたくてもできない環境になっている。それは指導者やチームの方が悪いということではなくて、環境がそうさせている側面があるし、クラブチームなら勝っていかないと人が集まらないし、指導者を雇うためには人を集めなければならないということもわかります。しかし、変化する社会でみんなが楽しいサッカー環境を構築するためには、様々な角度から物事を考えていかなければならないと考えて、6つのキーワードを作ったわけです。「引退なし」「補欠ゼロ」「障がい者サッカー」「施設の確保」「他スポーツとの協働」「社会的課題への取り組み」の6つです。

――順に詳しく教えてください。まず、「引退なし」からお願いします。

けがとかいろいろな理由でサッカーが続けられなくなることはありますが、プレーヤーでなくても関われることはあるかもしれないし、もっと言えば、「やりたくてもやめなければいけない」という当たり前を「やりたかったら続けられる」を当たり前にしたい、そういう意味の「引退なし」です。そうなれば、そこに関われる場所、生涯スポーツクラブというか、住んでいる地域のクラブでずっと、生涯、サッカーに関われる、楽しめるというものが生活圏内のあちこちにできていかないと、「だれもが、いつでも、どこでも」にはならないので、とても大事なことです。そういう環境ができていくようにサポートしていきたいと考えています。

――次に「補欠ゼロ」は?

サッカーはやはり、「試合がサッカー」ですし、試合のことを「サッカー」と言いますよね。練習は「サッカーの練習」です。試合をするのが一番楽しくて、それはサッカーが好きな人すべての権利であって、みんなが試合でプレーできるようにするのが我々の義務であると思っています。現実がそうはなっていないことをもっと強く認識して、万年補欠が当たり前ではなくて、うまい子だけがサッカーを続けるのが当たり前ではなくて、みんながサッカーを楽しめて、続けていける。それは「引退なし」にもつながります。子どもが楽しめなければ周りも楽しめなくて、いやな気持ちになってしまう。私自身も子どものケースでは、サッカーでこんないやな気持ちになるのか、という体験をしました。試合に出て楽しむことで自信にもなるし、もっと続けたいと思うでしょう。試合のために練習をするわけだから、試合に出ないと成長しないですよね。

――では「施設の確保」についてお願いします。

「引退なし」や「補欠ゼロ」を実践するには現状では施設が足りません。「施設を借りる」だけに留まらず、「施設をつくる」という意識が持てるように、施設づくりの事例や手法を紹介したり、施設をつくろうとする方々をサポートできるようにしたいと思っています。何をやるにしても、施設が大切なんですよね。それも、ただ競技をするだけの施設ではなくて、みんなが集えるような施設にしていくことが大事だと考えていますので、ピッチだけでなくクラブハウスも必要ですし、見に来る人のためのベンチや屋根も必要だし、競技者のためだけじゃなく、みんなのための施設を作っていく。バリアフリーやユニバーサルデザインの部分も配慮しながら、そういった施設が増えれば、みんなが楽しめる環境になっていくかなと。とても大事なテーマですね。

――「他のスポーツとの協働」についてはいかがですか?

サッカーだけをやってれいばいいのでなくて、家族との時間や他のスポーツをする機会も大事だし、遊びも必要だし、いろんな経験をしていくためには、このテーマがとても重要なことだと思います。たとえば公園も、自由にスポーツができる環境になっていないのが現状なので、サッカーだけでなく他のスポーツ団体とも協力していろいろなスポーツができる環境をつくっていくことが必要です。「サッカーだけがよければいい」では協力者も増えないですし、他のスポーツと協働しながら、リーダーシップをとって取り組みたいと思います。おかげさまでサッカーは子どもたちの人気のスポーツになっていますが、そこにあぐらをかいて「サッカーだけが」ということではなく、手を取り合いながら進めていくつもりです。それが子どもたちや地域のためにもなると思っています。

――続いて「障がい者サッカー」について教えてください。

グラスルーツ宣言のコンセプト、「Football For All サッカーを、もっとみんなのもとへ。」にあるように、サッカーはみんなのものですから、健常者だけのものではありません。これまでは別々にやるのが当たり前の世界でしたから、僕自身もそうでしたし、「障がい者サッカー」がなかなか知られていなかった。お互いが一緒になってできるような環境づくりを、サッカーをやっている人同士が歩み寄っていかなければならないですよね。チームや審判、指導者が情報発信、情報交換をしながら、障がいをもって家に閉じこもっている人たちに、少しでもスポーツのこと、こういうサッカーがあるんだということを知ってもらって、表に出て、人生を楽しむきっかけづくりになったら、もっと楽しい社会になっていくのかなと思います。健常者がそれを知ることによって社会の問題を知ることにもなるし、社会へのかかわり方を学ぶことができるし、障がい者のためだけということではなくて、健常者のためでもある。多くの人のためにも多様性とか、ダイバーシティといった感覚を持っていくことが大事だと思います。そういう意味でJFAと7つの団体(※日本ブラインドサッカー協会、日本脳性麻痺7人制サッカー協会、日本ろう者サッカー協会、日本知的障がい者サッカー連盟、日本電動車椅子サッカー協会、特定非営利活動法人日本アンプティサッカー協会、特定非営利活動法人日本ショーシャルフットボール協会)の協議会ができたので、推進の一環として、障がい者サッカーの普及にも努めていきたいと思っています。また、グラスルーツとしてこういったことを広めていくこととが大切ですし、各団体の日本代表が強くなって世界で活躍することも大きいですね。代表が世界で活躍すれば注目されるし、みんなも見ていく、知っていくことになりますよね。

――まず「知る」ということは大事ですね。

大事ですね。フラグシップとして日本代表というのはとても価値があるし、代表が活躍すれば多くの人に元気を与えられる。我々としても、強化や育成、普及についてどうサポートできるかということを考えています。

――では最後に「社会的課題への取り組み」について教えてください。

これは今までにない考えじゃないかと思います。社会的課題に取り組んでいる方々、NPOやNGOでそういうトライをしている人たちがたくさんいることを知りました。そのなかで、たとえば引きこもりやうつ病の方、ホームレスの問題であるとか、そういった人たちの社会復帰に向けた取り組みのひとつとしてスポーツを取り入れていていることを知って、スポーツ、サッカーが社会的な課題を解決する方法のひとつになることを知ったわけです。これはとても大事なことで、これまで「サッカー場を」と自治体に働きかけてきたとき「どうしてサッカーだけに」と言われることが多々ありました。でも、それは我々が自分たちのことしか考えていなかったからかもしれないなと気づかされましたし、地域の社会問題にもう少し目を向けていくことで、サッカーやフットサルで社会的課題を解決するということが理解されれば、世の中の見方も変わっていくんじゃないかなと思ったんです。たとえば練習前にゴミ拾いをするでもいいし、ちょっとした交流でもいいのかもしれないし、わざわざ難しいことをしなくてもできることがあるかもしれない。福祉施設などで「フットサルをしたいけど指導者がいない」といったところがあればそこにおもむけばいいし、子どもたちと交流することだったり、そうした活動は社会的な課題に取り組むことになるし、評価されることなんじゃないかなと思うんです。社会的課題への取り組みをもう少し打ち出して、活動していくことで、世の中の評価、スポーツの価値が高まるようにできるのではと考えていて、それはとても大事なことだと思っています。もちろん、具体的にやるのは大変なことでもありますが、できることから始めればいいと思いますし、サッカーチームに入ったら礼儀が正しくなるとか、そういう社会的なことも考えるようになったとか、それだけでも親御さんも喜ばれるでしょうし、人間の成長にも大事なことですし、そういう活動で社会に貢献していく姿勢が大切なのかなと考えています。

――現在、仕事として日頃取り組んでいることについて教えていただけますか?

47都道府県を回ってグラスルーツの取り組みの話をしていて、まずは何をやるにしても現場のことを知らなければならないと思い、グラスルーツに関するアンケートを行っています。まず今は、考え方の発信をしているところですが、おかげさまでアンケートでも多くの方に賛同を受けていて、そのアンケートを集計して中間レポートを出そうとしているところです。

――アンケートの反響は大きかったようですね。

記述式のアンケートで答えるのが大変なんですが、皆さんすごく真摯に、とてもたくさん書いてくださっていて、JFAがそういう考え方をしているということに賛同してくれていて、だからこそ形にしていきたいという想いが強くあります。

――今後、グラスルーツの取組みをどのように広げていきたいと考えていますか?

今回のアンケートを通じてもわかったのですが、地域で頑張っている方はすごくたくさんおられるので、これからの施策としては、取り組みのところで、まず頑張っている人たちを応援する制度を作ろうと考えています。それらの方々の取り組みを我々の方でフィーチャーして、取り組んでいる方々、その仲間を広げていく、つなげていく。そういった奨励制度の構築を考えています。もうひとつは、同じ奨励制度のなかのひとつとして、生涯スポーツクラブを作ろうとしているところを奨励していく。子どもからお年寄りまで楽しめるようなスポーツクラブを、たとえばJFAオリジナルの特製ワッペンを貼れるようにできないかなと考えています。一つ星から三つ星みたいにグレードがあって、「これは何?」と聞かれたときに「JFAの奨励しているクラブの証」といった感じで知ってもらえるようにして、広まっていけばいいなと思っています。

――クラブとして目に見える形で残るのはうれしいでしょうね。

何人かの方に聞いたら「ぜひやってほしい、必ずつけますよ」と言ってもらえています。口コミで広まるのでもいいし、これまでもJFAはいいことを発信しているんですけど、なかなかすみずみまで伝わることは難しくて、現場の人たちの口コミはとても重要だなと思います。想いのある人をつなげていくことができればと考えています。

――他にはいかがですか?

あとはファンドレイジング(民間非営利団体が活動のために資金を集めるシステム)、地域で自立できるようなお金の流れをどうすれば作れるか研究しています。ほとんどが新しい取り組みなので、ちゃんと実現できていくかなという不安な部分も大きいのですが、考えていても仕方がないですし、やるしかない、なと。

――その分、やりがいも大きいですよね。

もちろん、やりがいは、すごくあります。僕自身はサッカーで飯が食えていることに本当に感謝しているので、少しでもサッカー界のためになればということしかなくて、頑張っている人たちがもっと頑張れるようになればいいなという想いだけですね。

――個人的に取り組んでいること、ライフワーク、趣味について教えていただけますか。

3年前に、10年ぶりに復活したシニアサッカーですね。50歳を過ぎてから新しい友達ができるとは思っていませんでした(笑)。そういう意味では、サッカーを通して、同じ趣味で集まって、一緒に汗をかいて、そこに喜怒哀楽があってというのはすごく友達ができやすいんだなと改めて感じて、やっぱりいいなあ、と。仕事や家庭の都合で参加できないこともありますが、できるだけ参加したいと思っています。

――チームで友達ができるということですが、松田さんの素性を明かしたら驚かれるのではないですか?

そうですね、「ええっ」となります(笑)。でも、積極的にアンケートに協力してくれたり、拡散してくれたりします。その場所がそのままグラスルーツですね。あとは、趣味…やりたいことはたくさんあるんですが、なかなかできないですね。昔はサーフィンやタップダンスもやっていたんですけどね(笑)。本当はやりたいですけど、東京に来てからはやっていないので、20年以上やっていないですね。サッカーをやっているので足腰はまだ大丈夫だと思いますけど、なかなかやる機会がないですね(笑)。

――日本ではこれまで、サッカーの組織の構造が、いわゆる「ピラミッド型」でしたが、このいい面・悪い面というのはあると思います。これを変えていくというか、今後の構想はどのようにお持ちですか?

このピラミッド型は「強化のピラミッド」ですから、これはこれであっていいと思います。ですがそこの受け皿として、僕は個人的に「長屋型」と呼んでいるんですが、どの年代でも入り込んでいけるような環境、うまい人たちだけが続けていけるというものではなくて、どこからでも入っていけるような環境、初心者でも楽しめて続けていけるような形ができればなと思っています。そのためには「場づくり」が必要ですから、そこで施設の問題と生涯クラブの発想ですよね。サッカーのチームで上がっていくと、なかなかそこに入っていきづらい部分があるので、新しいエンジョイのクラブがあってもいいのかもしれないし、ただ、続けていくっていうことを考えると、試合をしないと面白くないですし、チームとして戦うということはアイデンティティが生まれていくことですから、競技環境も含めて、「ゆるいゲーム環境」というか、そういったものが必要なのかなと思いますね。たとえば、フットサル施設がたくさんできているので、地域の人たちにもう少し安く提供できて、試合をオーガナイズしたりとか、大学の施設を使って地域の人がゆるく集まれて、学生がそれを運営していったりとか、そんなこともできないかなと考えています。

――日本に、みんなができるサッカーを定着させるために考えていること、実現への意気込みをいただければと思います。

自分一人ができることは限られていますし、サッカー協会ができることも限られています。本当に、地域で頑張っている人たちがもっと頑張れるような、そのつなぎ役になれたらいいなと思っています。そうしないと実現しないでしょうね。

――つなげることで広がっていく。

地域の人も、一人ではできないから、いろいろなことにかかわっていって、一人ひとりが継続できるような、地域の人々をつなげるような形ですね。人を応援すること、場所とお金を作っていくこと。そこに少しでも貢献できたらと思っています。非常に難しい、難題ですけど、それをやらない限りは理想の姿には近づいていかないのかなと考えています。

――個人的に、今回の「グラスルーツ宣言」で、進めていくことが文字化されたのは大きな一歩だと感じていて、期待して見守りたいと思います。

ありがとうございます。アンケートでも「言うだけで終わらないようにしてください」といった言葉をいただいているので、絵に描いた餅にならないよう、少しずつでも形にしていきたいと思います。たぶん、何十年もかかるような話かもしれませんが、そのきっかけになればと思っています。

OneNews編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAに所属。『ウォーカープラス』編集長を卒業後、動画の領域でウォーカー、レタスクラブ、ザテレビジョン、ダ・ヴィンチを担当。2022年3月に無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」をスタートし、同年9月、「OneNews」創刊編集長に就任。

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