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「ニコ生とサッカーの相性は抜群」、サッカー情報サイト『サッカーキング』がニコ生を毎日始めたわけ

浅野祐介OneNews編集長

2014年10月からスタートしたサッカーキングのお昼の帯のニコ生番組『ハーフ・タイム』。とにかく注目すべきは、「毎日、放送を続けている」という事実。そもそも「どうして毎日ニコ生を放送することにしたのか?」、「今後、どんなビジョンを抱いているのか?」、同番組のMCタツ氏に話を聞いた。

「毎日やる分にはスベっても許される」

――そもそも、毎日ニコ生をやることになった経緯を教えてください。

(株式会社フロムワンの小林)会長に、ある日突然、「夜にやっているニコ生、不定期だし、毎日やったほうがいいと思うんだよ」と言ってもらって、「毎日やってみる方法を考えてくれ」と言われたので、僕もおもしろそうだと思って企画書を作りました。会長の言うことは何でもおもしろそうだし、これは乗っかっちゃえと(笑)。光栄でしたしね。会長を信じて、この人が「おもしろい」と言うなら「やる価値があるな」と思って、自分がやってきたことへの自信にもなるし、引き受けました。

――明確に「MCタツ」に向けたオーダーだったんですね。

そうですね。うれしかったのは、「お前がうちの会社の看板を背負って世のメディアに出ていくことをすごく歓迎している。青山(知雄氏※Jリーグサッカーキング編集長)の次の存在だと思っているから、どんどん出てほしい」と言ってもらったこと。とても、光栄に感じました。そんなふうに言ってくれる人なんかいなくて、異分子というか異端児のような扱いだったので(笑)。会社の中でも“アングラな存在”としてやってきた中で、「イケタツがやってよ」というのは初めての経験で、うれしかったですね。

――“ポジション”は大切ですよね。フロムワンという中で見ても、青(山)さんには「J」っていうポジションがある。自分の場合もWEBサイト「サッカーキング」の立ち上げとか、タイミングが良かったと思います。

それこそ、浅野さんのエッセンスは脈々と受け継がれていて、例えば、Bitteと内田選手のコラボをサッカーニュースで取り上げているのは実質、サッカーキングだけなんですよね。その当時はまだフロムワンにいませんでしたが、“浅野イズム”だと思っていて、今もリリースなど、いろいろなところから声をかけてもらえるし、その流れが続きやすくなっています。そういう、世間が注目しそうなものは何でもネタにするところとか、他のサッカーサイトとは決定的に違うポイントになっていると思います。

――ヨイショしてもらったので、気持ち良くニコ生についての質問に戻ります(笑)。「毎日」の放送は切り口、テーマ選びが大変そうですね。

毎日やるとしたら、それこそ何でもネタにしないといけないので(笑)、一つのことでもめっちゃ掘り下げて、「スパイクのひもの結び方だけでも30分やるしかねえ!」っていうレベルです。でも、サッカーの幅の広さがそこにあって、世界中で話題があるし、どんなテーマでも専門的に語れるし、広いし深いし、半年以上、200回近くやっていてもネタ枯れせずに続けられているのはサッカーの奥深さだなと、僕自身感じています。

――話を受けた時点で「毎日」なんて可能だと考えていましたか?

「サッカーのことなら朝まで語れる!」と昔から思っていたし、もともと自分は話に詰まるようなタイプではないので、そこは楽観的でした(笑)。一方で、「スベるだろうな」とも思っていました。ネタ自体がおもしろいものであるかどうかとはまた別で、自分がおもしろいと思ったものでも、世の中ではウケないものもたくさんあるだろうなと。でも逆に、毎日やるのであれば、つまらないものをやっても許されるだろうなと思ったんです。「つまらないものでもやっていい」、「すべっていい」という勇気をもらいました。毎日やるぶんにはスベれるなと。週1の放送では、スベれないですから(笑)。

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――レギュラー企画は?

実は、まだキラーコンテンツというものができていないところが課題です。今は僕自身のキャラクターでつないでいる部分があります。本当は自分以外の人たちがコーナーを仕切っても面白くなるような、「定番」や「名物」があったほうがいいですけど、まだ作れていないです。作ろうと思ってはいるんですが、僕自身に継続性がなくて飽きちゃったり(笑)。続いているのは「toto予想」くらいですかね。

――番組から派生するコンテンツについてはどうですか?

こういう番組からの書籍化を考えていて、これ自体でマネタイズができているわけではないので、コンテンツ自体がお金になるような、蓄積されていくものというか、それは定番がないと難しいのかなと思っています。

――これまで一番スベったとき、手応えがなかった放送は? 判断基準は視聴者数になるんですか?

人数の問題というより、放送後のアンケートのパーセンテージでいろいろ考えますね。みなさん正直に答えてくれて、コメントで「つまらない」ってはっきり言ってくれるのはニコ生のいいところですよ。蹴球リベラーのときは一番すべったかな(笑)。でも、あれは“すべり芸”だとも思っているので(笑)、月一でやられたらしんどいですが、半年に1回くらいスベるのはアリかなと。僕のことをイジりたくて見ている人もいるみたいなんで、「タツやっちまったな」とか(笑)。イジってもらえるっていうのは僕自身の最大の長所かもしれません。

――放送までのスケジュールや企画はどんなふうに決めているんですか?

番組は会長から言われて1月後に始めました。最初は、一応、なんとなく一カ月分を考えました。ただ、当初は「ニュース番組」を考えていて、ニュースで押し切ろうかなと。コーナーや特集というのは大きい比重としては考えていなかったです。サッカーのことを、いい意味で「適当に1時間しゃべる」というふうに考えていました。ヒントはラジオから得ていて、ラジオはマニアックなこと、サブカルなことを、それだけで1時間語るというスタイルが多くて、ニッチなもの、あまり人気のないものでも、めちゃくちゃ深く掘り下げて「そういう世界もあるんだな」っていう見せ方はありだなと。最初も少しそう考えていて、やっていくうちにこれしかないなと思いました。

――企画を組み立てるスパンは?

けっこう、出演者ありきです。この人に出てほしい、という考えで毎日ブッキングすることが大事です。社内を含めてですが、社長から2014年の年末に「絶対に週1回は外部のゲストを呼べ」という課題が出て、今のところその課題を達成できなかったことはないですね。必ずひとつはゲストを当てはめて、代表戦があったり、ユース年代の話もあるし、と。おかげさまで、「出たい」と言ってくれる人も増えているので、社外のゲストに空きが出そうな部分を社内の人で調整していますね。

――ゲストへの質問などは?

この人に何を聞いたら面白いのかっていうのは、ひどい時は前日までわからないです(笑)。相手が対応できる人だったら、「前日までネタがわからないし、何を話すの?」ってクレームがくることもありますけど、「あなたなら大丈夫でしょ?」って押し切っちゃう(笑)。あまりかっちり決めていくものじゃないなと思いますし、僕自身、常にそんなに準備しないでも大丈夫だと思っている理由は、この番組は、見ている人が聞きたいことを投げかけてきてくれる、助けてくれるからですね。僕らはそれを拾って、という感じ。見ている人が聞きたいことを聞くのが一番です。

――ゲストへのギャランティは?

ギャランティとしては(PRなどとの)バーターがほとんどです。支払うケースもありますが、少額です。

――売上など、数値的な目標は?

数字的なものは正直、ないです(笑)。今のところ、売り上げになるのはタイアップですし、最近ノルマというか「ものすごく低いノルマ」が設定されていて、ある種“つじつま合わせ的”につけてくれている感じですが。数字的な目標というのは明確に持っていないです。逆に言うと、今の数字を下げないことと、アンケートの高い数字をキープしていきたいとは思っています。

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「ニコ生とサッカーの相性は抜群」

――ニコ生とサッカーとの相性はどう感じていますか?'''

抜群だと思います。サッカーは感想が十人十色なものだと思うんで、“あーだこーだ”言うのがサッカーというか、そういう意味では無責任に適当なことが言えるし、ニコ生でコメントを書くのはハンドルネームもいらなくて、それがいいと思うんです。考えだけ、脊髄反射でも、ポンポン言えるっていうのはサッカーに向いていて、これがネットだと、ついかしこまったり、「ハンドルネームがなきゃ」とか「公式アカウントじゃなきゃ」とか気にされがちですけど、そんなことより大事なのは、脊髄反射で出てきたコメントで、それできているニコ生こそがサッカー的なパッションに近いというか、とても相性がいいなと感じます。

――話題になった回といえば、蒼井そらさんの登場がありますよね。出演までの経緯、また、実際に出演していただいてどうでしたか?

蒼井そらさんは、もともと自分の知人のつながりで、ワールドカップにはまっているのを知って、「ぜひ!」と思ってオファーを出しました。「サッカーキング」で何か企画をしたいというオファーをした際に、向こうも「ぜひ!」ということで、昨年末にサッカーキングに出てもらって、その後、ニコ生のスタジオに来てもらったのが今年ですね。それまでは蒼井さんも忙しかったりしたので、とにかく、いい企画をやろうということで出てもらいました。

――反響はどうでしたか?

出演してもらって、数字は蒼井そらさんを超えられないという感じでした(笑)。その後、(イルカイ)ギュンドアンが抜くんですけど、視聴人数は普段の1.5倍でしたね。普段がだいたい1万人のところを1万5000人で、手応えがあったし、業界の人からも「どうやってブッキングしたの?」って聞かれることが多かったです。「出てくれるんだ」って(笑)。その部分が一番驚かれました。業界の反応は多かったし、サッカーキングってネタ系というか、面白系もやるんだね、と。

――蒼井さんのサッカー好きはかなりのレベルみたいですね。

かなりのものですよ! 本当にまじめにサッカーが好きで、めちゃくちゃ詳しいし、自分でサッカーのこと調べてますよね。ちょっとしたことを聞いても本当によく知っている。たとえば、「ツエーゲン金沢がJ1ライセンスを持っていない」なんてことも、興味がなければ知らないことですよね。彼女自身、SNSが好きで、サッカーもSNSととても相性がいい。そこに気付いて、サッカーに興味を持ち、ハマったみたいです。とても現代的なハマり方ですよね。

――では、ギュンドアンは?

ギュンドアンは、(彼の契約メーカーの)アディダスから「出したい」という話をいただいたんですけど、最初は「バカ言うな、ギャグか!」って思いました(笑)。本当に、当日まで僕自身が信じてなかったですからね。社内でも「今度、ニコ生にギュンドアンが出るんだよ」って言ったら「はぁ? 意味わかんないんだけど」って、誰も信じていませんでしたが、本当に来た(笑)。

――海外の方に、ニコ生というプラットフォームについてはどう説明したんですか?

事前に、代理店やアディダスの方がなんて言ったかはわからないですけど、本番30分前に、僕から「コメントがオーバーレイするものですよ」という簡単な説明をしました。特に驚くふうでもなく、「そういうものなんだね」という感じで。めちゃくちゃナイスガイでした。

――ギュンドアンに牛丼を食べさせる、よくやりましたね(笑)。

「もういったろ」と決めてました。「日本にいるんだから、おいしい牛丼を食べてもらうしかないだろ」と最初から決めてました。「本人が食べたいって言うならいいよ」という確認も取れたので、実際に本人が来て、食べられそうなら勧めるし、そうじゃないならやめる。「お気に召してもらえたら食べて」という感じでした。

――食べた感想は番組のままでしたか?

通訳の仕方もあると思うんですけど、第一声で「パーフェクト!」って言ったのを覚えています。それくらい、おいしいと思ってくれたと思いますよ。以前、(デイヴィッド)ベッカムが日本の番組に出演したとき「ベリーグッド!」としか言わなかったけど、ギュンドアンは感動を伝えようとして「パーフェクト」っていう表現をするんです。サービス精神が旺盛で、気遣いのできる人なんだなと感じました。

――ギュンドアン登場時の視聴者数が最高記録ですか?

そうですね、3万人でした。

――ギュンドアンの放送回では、『ワールドサッカーキング』の国井(洋之)さんも出演しました。あれは、過去のインタビュー実績によるものですか?

そうですね。本人に直接インタビューをして、ギュンドアンのFacebookにも写真がポストされていたので、ネタ的に面白いなと思って(笑)。もちろん、海外サッカーの専門家として、「ぜひ!」というのがありました。僕自身、一人ぼっちでやることの心細さもあったので、そこで助けを求めたいというのもあります(笑)。社長からは「簡単に人に助けを求めるんじゃない」と言われましたが、実際いてくれてとても助かりました。

――ギュンドアンの回は公開放送でしたね。

初めての試みでしたが、50人くらい人が来ていました。やってみて、難しかったですね。でも、一方で、それまでの放送にはない楽しさも感じました。普段のコメントとは違う形で、笑い声が直接、バーンと返ってきたとき、感動や手応えって言うのをすごく感じて、「おまえ、どんだけ緊張してるんだ」と、かなりダメ出しもされました(苦笑)。僕自身、会場で発言したことの反応は笑いで感じていたので「オッケーだな」と思っていたんですが、実際、ネットで見ていた人たちには「タツ、全然だめじゃん!」って感じに映ったみたいで、そんなギャップもありましたね。ただつらかったのは、『サッカーキング ハーフ・タイム』の存在を知らない人が多かったこと。一番前に座っていたお姉さんが「いつも見てますよ」って言ってくれて緊張がほぐれました(笑)。見てくれている人がいるんだなって救われましたね。

――そこで緊張がほぐれた。

そうですね。いつもの“自分節”でやったほうがいいなと改めて思いました。でも、どこを見るべきかは迷いましたね。お客さんなのかディレクターなのか、ギュンドアンなのか、アディダスさんなのか、って全部の表情を見ていました(笑)。質問も、その場で思いついた質問を投げかけていいのかとか、どこでバランスを取るかっていうことを考えましたが、すべて一遍にやるのではなく、最初はまじめにやって、牛丼食べさせるところだけは外せないと考え、「それだけやれば及第点だ!」と切り替えました。最初にふざけたことを聞いて怒られるよりは、まじめにやって最後に勝負をかけよう、と(笑)。ディレクターなんかは「いつ牛丼出すの?」と、かなり焦ったようで、その緊張感が伝わってきました。「まあ見とけ」と、「最後に出るから」と思って(笑)。最初にふざけすぎると、空気が変わっちゃうことが、お客さんにも影響するかなとも考えましたね。

「10年続けられるような番組にしたい」

――これからの将来像、「番組をこうしていきたい」というビジョンはありますか?

具体的な目標はあまりないですし、「ゴール」というものもないなと思っていて、これはもう継続することだけが正解だと思っています。とにかく続けること。1日でも長く続けられることを目標に、そのための数字も出さなければいけないですけど、ひとつの高みを目指すというよりも縦走、同じ緯度をずっと横に、とにかく続ける。それが一番大事かなと思ってます。「3つ面白いことをやった」とか「結果を出した」っていうよりは見る人にとっての“毎日のルーティン”でなければいけないので、生活の一部になって、続けるというのが重要だと考えるようになりました。

――なるほど。ギュンドアン登場回のように選手が出演する番組を見たいと思うユーザーは多いと思います。今後、Jリーグの選手が登場というのはどうですか?

2015年1月5日の放送では赤星貴文選手に登場いただきました。赤星選手のような現役のロシアリーグの選手や、丸ちゃん、丸山龍也さんというエストニアリーグの選手であったり、そういう海外のリーグに所属する選手のところからも攻めつつ、どんどん現役選手にアタックしていきたいと思っています。ただ、ちょっと難しいのが、選手はちょうど練習のタイミングなんですよね、放送の時間帯が。そこにわざわざ仕事を入れてもらうのも忍びないし、オフシーズンにやっていきたいと考えています。狙いとしては、“一本釣り”だと思っていて、一人大物が出たらあとは続く、じゃないですけど、上からいったほうがいいかなと考えていますね。

――そこは同感です。「この人が出たんだから」というセオリーがキモですね。

そうですね。ファンは求めていると思うんですよね。本当は、クラブが独自にニコ生をやってくれたほうがいいと思います。実際、『ハーフ・タイム』を見てくれている人たちもすごく若いですから、Jリーグのクラブのニーズにも合いますよね。ツイッターで絡んできてくれる人も大学生がとても多い。「そこが欲しいんでしょ? Jリーグは大学生とか学生に来てほしいでしょ?」って(笑)。「若い人たちはニコ生とかツイッターとか、こういうツールで盛り上がってるんだよ」って。プロモーションにもなるし、ニコ生でこれくらい選手が放送してくれたら、「一回くらい試合を観に行こうかな」って思ってくれますよ。僕だってオフ会をやったら一人か二人は来てくれると思うんです。これをもっと影響力のある選手がやったら、絶対に試合に来てくれますよ。

――では、最後に、MCタツの野望を教えてください(笑)。

何年続けられるかわからないですけど、こういう帯番組って、10年くらい続けたほうがいいものじゃないですか。続けられたら本当の幸せもんですよね。自己満足かもしれないけど、10年続けられるような番組にしたいです。

サッカーキングのニコ生番組『ハーフ・タイム』でMCを務めるタツ氏
サッカーキングのニコ生番組『ハーフ・タイム』でMCを務めるタツ氏

――周囲のサポートも大切になりますね。

継続は会社にサポートしてもらっているからだと思います。

――ニコ生で、サッカー関係の番組が増えていますよね。

キタケン(北健一郎)さんが『TUESDAY FOOTBALL』を始めたり、カンボジアサッカーについての『ぶっちゃけタイガー(仮)』という放送が始まったり、「サッカーをニコ生でやろう」という波が起き始めていて、とはいえ、みなさん週1回、しかも夜の放送だったりするので、フロムワンが狂っているのは(笑)、毎日昼に放送するのをサポートする“太っ腹の体制”ですよね。

――自分もよく知っていますが(笑)、他がやっていないことへの挑戦、実行力と決めたことへのサポートは、フロムワンという会社の魅力だと思います。

そうですね。実際、上のレイヤーだけじゃなく、なんとなく社内全体の空気として、ハーフ・タイムを支えてやってもいいかなというのを感じますけどね。うぬぼれかもしれませんが(笑)、支えてやってもいいかなっていう人がたくさんいる気がしています。

――自分が所属していた頃の話をすると、『サッカーキング』の立ち上げ当時も、サッカーというテーマに対し、紙媒体との違いというところで、試合結果やレポート記事だけじゃなく、例えば芸能ネタに近いところも取り上げて、「よりライトな層にも響くメディアを」と考えて、ただ、それは「純粋にサッカーが好き」という人からは歓迎されない部分もあるので、サッカー好きが集まるフロムワンという会社でも歓迎されないかな、という懸念がありました。今振り返ると、新しいものを始めるときの寛容さ、認めようとする姿勢を本当に大切にしている会社だなと感じますね。MCタツのニコ生に対してもそうかなと。

僕が本当に考えているは、サッカーに全く関係のないゲストを呼んで、「サッカー界はこんな感じなんですが、あなたの業界から見てアドバイスをもらえませんか?」という形、それはすごくやりたいですね。今はまだ、サッカーで売り込みたいという人が多くなりますが、ゆくゆくはそういう人たちを呼んで、サッカー界への刺激というか、他の業界からの意見を聞いてほしいというか、そういう構想は持っています。

――それこそ東京ウォーカーの編集長とか、どうですか?※2015年7月22日に放送実現。

歓迎です。「ここがヘンだよサッカー界」じゃないですけど、そういうのをすごくやりたいですね。例えばプロ野球だったり、オリエンタルランドの方でもいいと思います。こんなにたくさんのエンターテインメントがある中で、サッカー界はそこから学ぶことがめちゃくちゃあると思うんです。映画は時間で言うと2時間くらいで、チケットの金額が近いということもあってJリーグの一番近いライバルですし。映画には場所で負けてるんですよね。

――確かに、同じような値段で、2時間とか3時間とか同じような時間を、しかも子どもと過ごせるという選択肢だと、映画に行こうっていう気持ちは分かりますね。でも、Jリーグのポテンシャルは絶対にもっとあって、映画業界が行っているプロモーションや人を呼ぶための施策は見習ったりしてもいいと思います。

映画界もこっちの業界、同じ業界のライバルだなと考えれば、参考になることはたくさんあると考えてます。サッカーの“中からの視点”だけでなく、そういった“外からの視点”を取り上げて、サッカー界を盛り上げていければと思います。

OneNews編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAに所属。『ウォーカープラス』編集長を卒業後、動画の領域でウォーカー、レタスクラブ、ザテレビジョン、ダ・ヴィンチを担当。2022年3月に無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」をスタートし、同年9月、「OneNews」創刊編集長に就任。

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