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釜山映画祭レポ(その2)イキのいい韓国映画を今年も先取り【イケメン30~40代編】

渥美志保映画ライター

今月の頭に開催された釜山映画祭。前回はアイドルを中心に【イケメン20代編】をお送りしましたが、今回は【イケメン30~40代編】をお送りします!カッコよくて役者としても脂ののってる30代40代は、日本同様に韓国でもいい男だらけ!まずはみんな大好き、ハ・ジョンウからいってみましょう。

●ハ・ジョンウ&イ・ジョンジェの『暗殺』

おおお、豪華メンバー!
おおお、豪華メンバー!

日本占領下1933年の朝鮮を舞台に、ある暗殺計画の顛末と関わった人々の運命を描くサスペンス・アクション。臨時政府の密命により、活動家ヨム・ソクジンを通じて独立軍の女狙撃手アン・オギュンをリーダーにした暗殺チームが作られる。彼らが狙うのは、駐留日本軍司令官と親日派知事。だが上海から京城(ソウル)へと向かう彼らを、「ハワイ・ピストル」と呼ばれる謎の殺し屋が密かに狙っていた……。

相変わらずカッコいいチョンちゃん。ちなみに彼女の左がチョン・ジヌン
相変わらずカッコいいチョンちゃん。ちなみに彼女の左がチョン・ジヌン

過酷な運命と対峙するオギュン役のチョン・ジヒョンは、もはやアクション女優といっていいカッコよさですが、ここはやっぱりハ・ジョンウ演じる「ハワイ・ピストル」なんですよね~。(てか「ハワイ・ピストル」ってなんやねん!)

この金だけを頼りに生きるクールな殺し屋が、やがて負け戦と知りながら戦うオギュンに絆されてゆく――って、『ベルリン・ファイル』まんまのカップルかー!って思いますけども、クライマックスの銃撃戦のカッコよさったらありません~!なんだけども!カッコいいスチールがぜんぜんない!んだよなー。ってことで、はいドン!

もっとカッコいい場面があるだろーが!というスチール
もっとカッコいい場面があるだろーが!というスチール

暗殺チームの一員にチョ・ジヌンという私の大好きな俳優さんがいるんですが、190cmの彼と184cnのハ・ジョンウが殴り合うシーンがこれまたド迫力。ちなみにふたりは『悪いやつら』でも殴り合っとります。

しぶーい!
しぶーい!

そしてもちろんイ・ジョンジェに言及したいのですが、ネタバレしそうでなかなか言いにくい役なんですねー。までも15キロ減量して臨んだこの役、最後の最後のシーンまでものすごいい気迫です。

ビーチでのイベントの模様。にこやかです~。
ビーチでのイベントの模様。にこやかです~。

監督は『10人の泥棒たち』のチェ・ドフンで、キム・ヘスク、オ・ダルスなどの前作の面々が再結集というのも、ファンには嬉しいですねー。

これいうたら日本占領下で裏切り合う韓国人たちの話で、ぜんぜん反日映画じゃないと思うんですが、日本では公開されないのかなあ。なんかそういうの、正直モヤモヤするんですよねー。おもしろい映画なのになあ。

●コ・スの笑顔が切ない『尚衣院 サンイウォン』

コ・ス!
コ・ス!

李朝朝鮮時代の王室の服を作る部署「尚衣院」を舞台に、嫉妬と陰謀が渦巻く王室を描いたドラマ。都で妓生の衣装を作って評判の職人ゴンジンは、ある事件をきっかけに王宮に召し抱えられることに。尚衣院の長で当代最高の職人と呼ばれるドルソクは、王妃のお抱えとなり革新的デザインで王宮を席巻するゴンジンに、複雑な思いを抱え始める。

コ・スとハン・ソッキュ、俺得なキャスティング!
コ・スとハン・ソッキュ、俺得なキャスティング!

王宮内の陰謀に絡めとられてゆく無邪気な天才ゴンジンをコ・ス、ゴンジンに複雑な愛憎を抱えるドルソクにハン・ソッキュ(『シュリ』)という、個人的に超好みのキャスティングの1本。『高地戦』のハードさから一変、呑気で大らかで自由なキャラクターが逆に涙を誘うコ・スは、20代の頃は顔がキレイすぎるせいか、なんかペラッ、とした感じもあったんですが、年を取って程よくこなされてきた感じ。いや相変わらずばりばりのイケメンですけども。パク・シネ演じる王妃への恋心にもキュンとさせられます。

パク・シネちゃん、大人っぽく美しくなりましたー。
パク・シネちゃん、大人っぽく美しくなりましたー。

そして若き王を演じたユ・ヨンソクも注目の若手俳優。ドラマ『九家の書』でもお坊ちゃま役でしたが、今回は嫉妬で歪んだ若者を恐ろしく意地悪に演じていて非常にいいですねー。二枚目がこういう役やるの、すごく好きですー。

凛々しいけど、性格はめっちゃ歪んでます
凛々しいけど、性格はめっちゃ歪んでます

そして圧巻のハン・ソッキュ。ゴンジンに愛情を感じながらもその才能を妬むあまり狂気を帯びてゆく鬼気迫る演技が、この作品に深みと哀切を与えています。

ゴンジンとドルソクが次々と作り出す華やかな衣装はもちろん、整然と並ぶ何十色もの糸巻とか、洗濯物が風に舞う姿とか、ほんとに美しくてウットリです~。日本では11月7日(土)に公開予定。

●キム・ジェウクが憎めないダメ男を演じる『TWO ROOMS TWO NIGHT』

ユンジュ役で共演は『コーヒープリンス1号店』のチェ・ジョンアン
ユンジュ役で共演は『コーヒープリンス1号店』のチェ・ジョンアン

今カノと元カノのバッティングにあたふたするダメ男の二晩を描いた小品。

映画監督インソンは、旅行ライターの元恋人ミナの江陵旅行の案内を買って出る。宿泊は別々の部屋を取り、最初から「その気はない」と釘を刺したミナは、それでもなし崩しに迫るインソンに嫌気がさして宿を出てしまう。手持無沙汰になったインソンは、現在の恋人で脚本家のユンジュを江陵に呼ぶことに。ところがバスターミナルで遭遇したユンジュとミナが友達になってしまい……。

舞台挨拶でのキム・ジェウク
舞台挨拶でのキム・ジェウク

こういう下心まみれのダメ男をかる~く演じているキム・ジェウクを初めて見ましたが、ペラッペラなのに憎めない男を好演しています。幼い頃日本で暮らしていたという彼の日本語はほぼネイティブ並み。在日韓国人のミナを演じるKARAのギュリのほうが全然下手なのに、韓国語が話せないという設定は日本人からすると笑っちゃうんですが、この設定がなかなかのミソ。

俳優が酔っぱらったりはしないけど、ホン・サンスが好きな人は好きかもしれません。

そのファッションはどうなの、女優陣!
そのファッションはどうなの、女優陣!

舞台挨拶では黒いハットをかぶって登場、なんかオダギリジョーみたいですねー。それにしても女性陣のファッションが……どうなんだろ、これ……。

●キム・ナムギルの『無頼漢 渇いた罪』

現在公開中の『無頼漢 渇いた罪』に関してはこちらをどうぞ。

キムナムファンのみなさまには、イベントの模様だけお送りします。こちらはオープニングセレモニーのレッドカーペットでの主演二人の様子。チョン・ドヨン、40歳過ぎてこのかわいさ。

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こちらは海辺のステージでのイベントの模様です!

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次回は【演技派オヤジ編】です。お楽しみに!

(C) 2015 Busan International Film Festival

映画ライター

TVドラマ脚本家を経てライターへ。映画、ドラマ、書籍を中心にカルチャー、社会全般のインタビュー、ライティング、コラムなどを手がける。mi-molle、ELLE Japon、Ginger、コスモポリタン日本版、現代ビジネス、デイリー新潮、女性の広場など、紙媒体、web媒体に幅広く執筆。特に韓国の映画、ドラマに多く取材し、釜山国際映画祭には20年以上足を運ぶ。韓国ドラマのポッドキャスト『ハマる韓ドラ』、著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』。お仕事の依頼は、フェイスブックまでご連絡下さい。

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