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Hey!Say!JUMP山田涼介主演『カインとアベル』の元ネタは、愛を求めて破滅する伝説の男の物語。

渥美志保映画ライター

いよいよ本日から放送開始の山田涼介主演の月9ドラマ『カインとアベル』。こちら、1955年のハリウッド映画『エデンの東』が元ネタと放送前から話題のドラマです。ということでまずはこちらをどうぞ。

『エデンの東』とは30歳で急死したハリウッドの伝説的俳優ジェームズ・ディーンの名を世界に知らしめた映画なのですが、メチャメチャ美形でちょっとやんちゃな感じがすごく魅力的。そういうキャラクターは、個人的には山田くんには結構合っているんじゃないかなーと思っています。ということでこちら!

折り目正しくいかにも善人な父親と、その愛情を一身に受ける兄。ちょっとやんちゃな次男は、父親の気に入る人間になりたいと思っているのだけれど何をやっても空回りで、兄に嫉妬し、挙句の果てに好きになった相手まで兄の恋人という、悲劇のヒーローです。このあたり、ドラマ『カインとアベル』は『エデンの東』の設定をほぼ踏襲しているのかなと思います。

とここで私は考えました。でもなんでタイトルが『エデンの東』でなく『カインとアベル』なの?てかそもそも「カインとアベル」って何?って話ですが、これは『エデンの東』のさらに元ネタである旧約聖書の中に登場する、人類最初の夫婦アダムとイブのところに生まれた兄弟のこと。神(すべての人類の父親という意味ですね)が自分を愛してくれず、弟アベルだけを愛することに嫉妬した兄カインが、なんと弟を殺すという、人類初の殺人事件のお話。カインは「アベル殺し」の刻印を推されて、エデンの園の東にあるさすらいの地に追放されてしまうというお話なのです。結構ヘビーです。(設定は映画『エデンの東』と山田君のドラマ『カインとアベル』では兄が愛されるという逆の設定になっています)

さらにプロデュサーの羽鳥健一さんは、こんなことにも言及しています。

この『カインとアベル』は、これまで『エデンの東』(小説・映画・ドラマ)のほか、『ケインとアベル』(イギリスにて小説、アメリカで映画・ドラマ)や、韓国ドラマ『カインとアベル』、ほか様々な小説・映画に、“運命的な兄弟”を暗示させる二人の物語を題材にした作品が多い、まさにエンターテイメント界における“伝説的”な物語です。

出典:http://www.fujitv.co.jp/CainandAbel/introduction/

ということで、韓国ドラマ『カインとアベル』はこちら。

こちらでは、父親の愛情と一人の女性を巡って、陥れる兄と復讐する弟の、韓国のお家芸ともいうべきドロドロかつ号泣なドラマが展開します。さて日本のドラマは、どこまで突っ込んでいけるのか、多いに楽しみにしたいところです。

映画ライター

TVドラマ脚本家を経てライターへ。映画、ドラマ、書籍を中心にカルチャー、社会全般のインタビュー、ライティング、コラムなどを手がける。mi-molle、ELLE Japon、Ginger、コスモポリタン日本版、現代ビジネス、デイリー新潮、女性の広場など、紙媒体、web媒体に幅広く執筆。特に韓国の映画、ドラマに多く取材し、釜山国際映画祭には20年以上足を運ぶ。韓国ドラマのポッドキャスト『ハマる韓ドラ』、著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』。お仕事の依頼は、フェイスブックまでご連絡下さい。

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