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『逃げ恥』平匡ロスに苦しむあなたに、クリスマスは星野源の2本だて!

渥美志保映画ライター

ハッピーエンドのその先を描き、何が起こったわけでもないのに、さらなるハッピーなエンディングを迎えた『逃げ恥』。もちろん女子は非現実的でキラッキラな王子様を夢見るのは大好きですが、その一方で、必ずしもイケメンでなくとも、女子を下に見ない繊細さと優しさをもつ平匡さんみたいな普通の男がやっぱり好きなんだな~と再確認いたしました。星野源は、まさにそんなタイプを体現する俳優さん。というわけで今回は、星野源が出演した「平匡のアナザーストーリー」ともいうべき作品をご紹介。平匡さんのいないクリスマス、ロスに陥らないよう、2本立てで補充してくださいませ!

『箱入り息子の恋』

両親に大切に育てられた一人息子、引っ込み思案で真面目なオタク青年の恋を描く。市役所勤めで毎日5時きっかりに退社、趣味は貯金とゲーム、得意技は「カエルの鳴き声」で35歳童貞という、平匡に輪をかけたようなキャクターの天雫健太郎。偶然の出会いを経てお見合いで再会した奈穂子に恋をし、不器用に愛を育んでゆく様はまさに星野源の真骨頂。傷つきたくない、無様な姿を見せたくない、どうせダメと思えば始まらない恋に、様々な困難を経て、一歩踏み出す……どころか、爆発的に突進してゆくラストは、面白いやら可愛いやらで、さらに好きになっちゃうこと間違いナシ。テレビでは見られなかった、かなり色っぽい場面も、あるんですよ~。

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『地獄でなぜ悪い』

ヤクザの父親が仕込んだ映画の撮影現場を放棄し、逃げた恋人を追う若手女優ミツコ。その騒動に偶然巻き込まれ、ミツコとともにヤクザにつかまった普通の青年・公次は、「恋人の映画監督」というミツコのその場しのぎの嘘により、ミツコ主演で本物のヤクザを使ったヤクザ映画を撮る羽目に。ところが折り悪く、対立組織との抗争が始まってしまい……。破天荒な作風で知られる園子温によるバイオレンスと映画愛に満ちた本作で、星野源が演じる公次は、二階堂ふみ演じる超ドSお嬢様、ミツコに押し切られて、そのキスがほしくくてひざまづき、ヤクザに脅され震え上がり、張り倒されまくり、最後はぶっ壊れ――これすべてミツコのキスほしさ、というのが星野源らしくてたまりません。結構過激ですが、笑っちゃっていい作品です。

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(C)2013「箱入り息子の恋」製作委員会

(C)2012「地獄でなぜ悪い」製作委員会

映画ライター

TVドラマ脚本家を経てライターへ。映画、ドラマ、書籍を中心にカルチャー、社会全般のインタビュー、ライティング、コラムなどを手がける。mi-molle、ELLE Japon、Ginger、コスモポリタン日本版、現代ビジネス、デイリー新潮、女性の広場など、紙媒体、web媒体に幅広く執筆。特に韓国の映画、ドラマに多く取材し、釜山国際映画祭には20年以上足を運ぶ。韓国ドラマのポッドキャスト『ハマる韓ドラ』、著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』。お仕事の依頼は、フェイスブックまでご連絡下さい。

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