中国の最悪大気汚染は韓国や日本へ飛来する

団藤保晴 | ネットジャーナリスト、元新聞記者

中国で騒がれている重篤スモッグがお隣韓国や日本では軽視されすぎています。大気汚染に国境はないとは福島原発事故でも思い知らされた事実です。中国北部のスモッグは朝鮮半島を直撃してから西日本を覆います。国内で開発された大気微粒子の発生拡散シミュレーション計算「SPRINTARS」は、米国が北京と上海で測定している微粒子濃度「PM2.5」の数値変動実績をきれいに説明してくれ、信頼性が高そうです。中国での大気状況改善は簡単には進まないはずですから、国内への拡散予測を広く役立てるべきです。また、特に騒いでいない韓国の報道を見ると旅行には行きたくないほど深刻な汚染ぶりです。

16日の朝鮮日報ウェブに掲載された「韓国を覆ったスモッグ、重金属は黄砂の最大26倍」は中国と同時期に韓国でもスモッグが発生していると伝えました。「直径2.5マイクロメートル以下の超微粒子(PM2.5)の濃度も、12-15日にはソウル市内の測定所で最高171マイクログラム(1立方メートル基準、以下同じ)、大田市内で225マイクログラム、ペンニョン島で183マイクログラムを記録した」とあります。韓国にはPM2.5環境基準がないのですが、日本国内基準35マイクログラムの5、6倍にもなる非常に不健康な数値です。

九州大応用力学研究所の竹村俊彦准教授が「SPRINTARS」を使った「大気汚染微粒子および黄砂の飛来予測」ウェブを開設しています。「大気汚染粒子」予測動画から、16日に中国北部から朝鮮半島に移動したスモッグが、17日に西日本一帯に広がる所を抜き出して引用します。

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全国の大気汚染状況を提供している環境省の>大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」で16日から17日のPM2.5測定状況を見ると、西日本各地で日付が変わる頃から環境基準35マイクログラムを上回る赤色地点が現れ始めます。夜明け頃には大多数になり、最も東は愛知県内にも広がります。今後も中国からの汚染拡散は繰り返されるでしょうから、基準値を超えて、どの程度まで悪化しているのかも早期に知らせるようにして欲しいと思います。

米国はPM2.5測定数値を北京上海でツイッターを使って公表しています。北風が吹いて改善されていた北京の大気が17日夕刻から再び悪化し、18日零時に285マイクログラムと深刻化する流れが、竹村准教授の予測動画でよく理解できます。沿岸部は風で一時は吹き洗われても、重慶周辺などの内陸部には汚染大気が渦巻き続けています。20日頃にはまた西日本が襲われるようです。

【参照】「インターネットで読み解く!」

第336回「中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ」

第337回「中国の重篤スモッグは経済成長に大ブレーキ」

日本への中国重篤スモッグ流入ぶり連続アニメ

団藤保晴

ネットジャーナリスト、元新聞記者

玉石混淆のネットから玉を見つける水先案内人――新聞記者をしていた1997年、インターネット隆盛期に「INTERNET WATCH」で連載コラム「インターネットで読み解く!」を始め、ネットジャーナリストとして活動。科学技術、政治、経済、社会、文化など幅広い取材経験をベースに、ネット上の知的資源を検索の駆使で結び合わせ、社会的意味を明かします。膨大化するネットと劣勢にあるメディアの相克もテーマです。

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