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プロ野球・練習用グラブあれこれ―投手編(前田健太選手や福原忍投手…etc)

土井麻由実フリーアナウンサー、フリーライター
前田健太投手のグラブにある刺繍は、地元のゆるキャラ「ただお課長」。

プロ野球はシーズンオフ。試合がないのはもちろんのこと、年末年始ともなると選手も地元に帰省し、話題も少なくなる。そこで今回は、私の写真コレクションから「練習用グラブ」をご紹介しよう。

試合で使うグラブには規制がある。特に投手陣は、単色でなければならない。そこで練習用グラブに“遊び心”を加える選手が少なくない。

■前田健太投手

広島カープ前田健太投手の練習用グラブは毎年凝っている。今年のグラブを見せてもらった時は驚いた。グラブにしてはかなりの長文が刺繍されている。

アイバーソンの言葉と小太郎くん、そして…てるてる坊主。
アイバーソンの言葉と小太郎くん、そして…てるてる坊主。

読んでみると「大切なのは身体の大きさじゃない。ハートの大きさだ」とある。「アイバーソンの言葉ですよ」と前田投手は明かす。

アイバーソンとはアメリカの元プロバスケットボール選手「アレン・アイバーソン」のことで、身長177cmながら大男たちに立ち向かうアグレッシブなプレースタイルで活躍した、伝説のアスリートだ。

その言葉に感銘を受けて入れてもらったそうだが、それだけではない。ウェブの部分には愛犬の小太郎くん、さらに親指あたりには「てるてる坊主」の刺繍も!「これは頼んで入れてもらいました」ニヤリとする前田投手。

昨年のものはピンクと水色のラブリーカラー。ドットもキュート。
昨年のものはピンクと水色のラブリーカラー。ドットもキュート。

そう、これまで前田投手といえば「雨男」との定評があった。昨年も出身地の“ご当地ゆるキャラ”をはじめ、出身ボーイズチームの子供達やその保護者らがこぞってマツダスタジアムを訪れた日も雨だった。残念なことに、試合開始はしたものの途中でノーゲームとなってしまったのだ。

ちなみにその“ご当地ゆるキャラ”とは、大阪は泉北郡忠岡町の「ただお課長」だ。前田投手はこのイメージキャラクター「ただお課長」をこよなく愛し、昨年はグラブに刺繍していた。

しかし自分の雨男ぶりを申し訳なく思ったのか、今年は「てるてる坊主」をプラスしたのだ。そのお陰か、雨天中止は激減したようだ。

■阪神タイガース・岩田稔投手

森福投手とトレードしたグラブ。
森福投手とトレードしたグラブ。

阪神タイガース・岩田稔投手が手にしているグラブには、「長男」の文字。ん?岩田投手は確か次男。聞いてみると、「森福とトレードしたんです」とのこと。自主トレも一緒にした経験のあるソフトバンクホークス・森福允彦投手と、昨年の交流戦で対戦した時に交換したそうだ。「森福とは仲いいんです。使わせてもらったら使いやすかったんで、なにげに『トレードしようや』ってなって…」。以来、愛用しているそうだ。

■阪神タイガース・福原忍投手

同じく阪神タイガース・福原忍投手。トリコロールカラーというのは珍しい。とてもオシャレな配色だし、やや光沢もある。特に内側の手のひら側が赤というのが素敵だ。さぞやこだわりが…と思い聞いてみると、「全くないです!ボクがリクエストしたわけじゃないですよ。メーカーさんがやったんで」と言う。

トリコロールカラーのオシャレなグラブ。
トリコロールカラーのオシャレなグラブ。

ならばと、メーカーさんであるローリングスジャパン社の渡邊潤氏に伺うと、「福原さん、ほんとこだわりがなくて。むしろ、あれこれ注文してほしいくらいです」との苦笑している。「だからボクが考えたんですけど、福原さんらしくハデではなくシンプルに、でも何色か使おうと。カラーの革は染めることで若干、テカりというか艶も出ますしね」。

試合用とは違って投球練習ではなくノックの練習に使うので、形は内野手用で、ウェブ部分も網になったオーソドックスなものだそうだ。

今年のものはオフのイベントでファンの方の手に渡ったので、来年はまた新調する。「もうできました。来年はツートンカラーです」。おそらく1月の自主トレで初披露となるのだろう。見るのが楽しみだ。

「あ!そういえば、ひとつだけこだわりがありました!」と渡辺氏が声を上げた。「最初、名前の刺繍を『Fukuhara』にしていたんです。そうしたら福原さんの方から『Shinobu』に変えてくれって」。今年の初め頃のことだったそうだ。

■阪神タイガース・松田遼馬投手

ピンクカモフラージュとはお別れ。
ピンクカモフラージュとはお別れ。

特にこだわりはないけれど、「人が使ってない感じにしてほしい」とオーダーしたというのは、阪神タイガース・松田遼馬投手だ。「ピンク自体、野球道具であまりないので、いいかなと」と、ピンクベースの迷彩柄というオシャレな一品だ。

そういえば球団から出ている“遼馬グッズ”もピンクが多く、「松田遼馬=ピンク」が定着しているかもしれない。すると「いや、僕は白と黒です!」と、キッパリ。そこはこだわりがあるのかな。

来年からグラブのメーカーも替わるとあって、当然、練習用グラブも新調する。「まだ内緒です」と全容を明かしてはくれなかったが、「シンプルにまとめました(笑)」というヒントだけくれた。果たしてどんなグラブが完成したのだろうか。これまた自主トレでお披露目されるのだろう。

■阪神タイガース・横山雄哉投手

メーカーさんが作ってくれたカラフルなグラブ。
メーカーさんが作ってくれたカラフルなグラブ。

阪神タイガース・横山雄哉投手は2種類披露してくれた。「ハデな方はメーカーさんが勝手に作ってくれた」そうだが、もう一方のものは「中学時代のめっちゃ仲いい同級生がお金を出し合って買ってくれた」という。

8月9日、故郷・山形で行われた対楽天イーグルズ戦(荘内銀行・日新製薬スタジアム)にて凱旋登板した横山投手。試合前日に食事をともにし、積もる話に花を咲かせた。その時、「頑張ってくれよ」と手渡されたのが、このグラブだそうだ。

中学時代の監督の言葉「強い夢は叶う」は、チームメイトそれぞれの心に今も刻み込まれている。「その言葉を入れて、デザイン案もみんなで出し合い、お金も出し合って作ってくれたんです」。

恩師の言葉「強い夢は叶う」。
恩師の言葉「強い夢は叶う」。

彼らは5月21日の対ジャイアンツ戦、甲子園球場での1軍初登板の試合も、はるばる山形から見に来てくれていた。大切な仲間の思いが込められたグラブを見ると、横山投手も「頑張ろうという気持ちがわいてくる」と決意を新たにするという。その地元での一戦でも、見事2安打8奪三振で完封した。思いに応えた。

練習用とはいえ、やはり気に入ったグラブだとテンションも上がりそう。

ホーム球場では練習を見る機会は少ないが、ビジター球場やファームの球場などで、試合では見られない練習用グラブをチェックしてみるのも楽しいかもしれない。

練習用グラブコレクションは今後も続く。

横山投手の親友たちの思いとアイディアが結集したグラブ。
横山投手の親友たちの思いとアイディアが結集したグラブ。
フリーアナウンサー、フリーライター

CS放送「GAORA」「スカイA」の阪神タイガース野球中継番組「Tigersーai」で、ベンチリポーターとして携わったゲームは1000試合近く。2005年の阪神優勝時にはビールかけインタビューも!イベントやパーティーでのプロ野球選手、OBとのトークショーは数100本。サンケイスポーツで阪神タイガース関連のコラム「SMILE♡TIGERS」を連載中。かつては阪神タイガースの公式ホームページや公式携帯サイト、阪神電鉄の機関紙でも執筆。マイクでペンで、硬軟織り交ぜた熱い熱い情報を伝えています!!

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