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3年ぶり開催。自衛隊観艦式の楽しみ方

dragonerWebライター(石動竜仁)
自衛隊観艦式の参加艦艇

3年ぶりの自衛隊観艦式

明日18日は、相模湾で自衛隊観艦式が開催されます。自衛隊観艦式とは、陸上自衛隊の中央観閲式、航空自衛隊の航空観閲式と持ち回りで実施される自衛隊行事のことで、今年は2012年から3年ぶりの開催となります。今回は、自衛隊イベントの中でも大規模、かつ特殊な観艦式について、12日に行われた予行での写真を交えつつ、ご紹介したいと思います。

最初に観艦式とはなんでしょうか? その起源は英仏百年戦争(1337~1453年)の最中の1341年、イングランド王エドワード3世が艦隊の威容を観閲したことがその始まりと言われています。艦艇を一堂に会し、観閲して兵士の士気を高めるとともに、海軍の威容や統率を国民や諸外国に知らしめる行事でした。近年は国民一般に広く見学者を集めており、外国の艦艇も招いて開催するなど、融和や協調をアピールする行事としての意味を持つようになりました。

オーストラリアの国際観艦式2013に参加した4カ国の艦艇(米海軍サイトより)
オーストラリアの国際観艦式2013に参加した4カ国の艦艇(米海軍サイトより)

今回の自衛隊観艦式でも、アメリカ、オーストラリア、フランス、インド、韓国から艦艇・航空機が参加する大規模なものになっています。特に日韓関係が冷え込んでいる中でも、韓国が艦艇を派遣した事は興味深いことかもしれません。

観艦式は18日が本番ですが、12日と15日に予行が開かれており、こちらも公募により見学が可能です。相模湾に艦艇が集結し、11時には掃海輸送ヘリMCH101により、観閲官(18日の本番では安倍首相)が観閲艦くらまに乗艦します。

観閲艦くらま(先頭)
観閲艦くらま(先頭)

ここで観艦式に参加する艦艇について整理してみましょう。観艦式には大きく分けて、以下の部隊が参加しています。

  • 観閲官(本番では安倍首相)が乗船し、観閲行う観閲部隊。
  • 観閲部隊と距離をおいて並走する観閲付属部隊。
  • 観閲を受ける受閲艦艇部隊。
  • 受閲艦艇部隊の後方に続く祝賀航行部隊。

この4つの水上部隊に加え、航空機から成る受閲航空部隊も参加します。参加数が多い各艦艇部隊については、下記に表でまとめました。

平成27年度 自衛隊観艦式 参加艦艇一覧
平成27年度 自衛隊観艦式 参加艦艇一覧

自衛隊の艦船だけでも30隻以上、祝賀航行にも5カ国から6隻もの艦艇が参加するそうそうたるイベントな事が分かると思います。

多くの艦艇が参加しますので、名前が分からない艦も多く出てくると思います。そういう時は艦首付近に書いてある艦番号でその艦の名前が分かりますので、観閲時の参考にしてください。

観艦式の流れ

艦艇の位置関係が分かりづらいと思われますので、観艦式の流れについての説明に移る前に、まず簡単な図を作成しました。図中で記号化されている艦艇などは、実際の数を反映したものではないので、そこを注意して御覧ください。

自衛隊観艦式の流れ
自衛隊観艦式の流れ

11時になると、観閲艦に観閲官がMCH-101掃海輸送ヘリから乗艦し、観閲が始まります。観閲部隊は先導艦むらさめを先頭に、観閲艦くらま、随伴艦のうらが、てんりゅう、しらゆき、ちはや、ちょうかいの7隻が一列に並んで航行します。観閲艦の左手遠方には、観閲付属部隊の艦艇が並行して航行しており、観艦式の間は観閲部隊と並走しています。

観閲部隊と観閲付属部隊の間を、受閲艦艇部隊がすれ違う形で航行(反航)します。観艦式に行かれる際は、自分の乗艦と受閲艦艇部隊がどのような位置関係にあるか、事前に確認しましょう。観閲部隊の場合は左舷、観閲付属部隊の場合は右舷が受閲艦が見える位置になります(平成27年度の場合)。

受閲艦艇とその後方に続く祝賀航行部隊とすれ違い終えると、後方から受閲航空部隊が観閲部隊を追い抜く形で通過していきます。海上自衛隊の航空機のみならず、航空自衛隊の戦闘機、陸上自衛隊の攻撃ヘリから、アメリカ海軍のP-8Aポセイドン、アメリカ海兵隊のMV-22オスプレイといった最新鋭機が、初めて自衛隊観艦式に登場します。

受閲航空部隊に初参加のMV-22オスプレイ
受閲航空部隊に初参加のMV-22オスプレイ

12時26分には観閲が終了すると、部隊は回頭して、先ほどの進行方向とは逆に進みます。この艦艇が回頭する瞬間はシャッターチャンスです。晴れた日は富士山を背景に回頭する瞬間が観れるので、その瞬間を収めようとカメラマンが集中します。

富士山とくらま
富士山とくらま

部隊が反転し終え、12時44分になると訓練展示が行われます。艦艇の射撃や運動、潜水艦の潜水、浮上といった訓練を各艦・航空機が展示します。航空自衛隊のブルーインパルスによる飛行展示も行われた後、13時22分に訓練展示は終了。14時には観閲艦がヘリで退艦し、15時に観音崎付近を通過する際に祝砲が撃たれる以外の演目を終えます。

煙幕・フレアを放出して進むミサイル艇
煙幕・フレアを放出して進むミサイル艇

ここからがまた長く、相模湾から横須賀港などの停泊地に戻るのに何時間もかかります。艦内はかなりの部分が出入り出来るので、興味があれば見学も出来ます。乗員の指示にしたがって、立ち入り禁止区域に入らないよう見学しましょう。

参加にあたって

観艦式は3年に1回のイベントであり、次回の開催は2018年になります。開催が近づいてきたら、防衛省、海上自衛隊のサイトを確認して、観艦式の抽選応募が無いかチェックしましょう。

最近は自衛隊関連イベントのプラチナチケット化が激しく、観艦式も例外ではありません。オークションサイトを見ると観艦式の乗艦チケットも出品されていますが、そういうのには手を出さない方が正解です。近年はテロ警戒が厳しいため、チケットとその当選者確認を厳重に行っています。自衛隊側は当選者の名簿を持っていますので、当選者の名前と異なる場合、乗艦を拒否される可能性があります。間違ってもオークションを利用するのはやめましょう。

運良く当選した場合も、注意すべきことが多くあります。

まず持ち物です。半日艦上にいますが、昼食の用意を自衛隊ではしません。あらかじめ昼食と飲み物を持って行きましょう。また、長時間にわたって揺られるため、船酔い対策に酔い止めを持っていくことをおすすめします。

続いて服装です。10月とはいえ、遮るもののない日差しに長時間晒されますので、長袖の用意は必須です。つばの広い帽子や、サングラスといった日光対策も重要です。サングラスは反射光をカットする偏光機能のあるものが、観閲を見る際にも役立ちお薦めです。

また、長い間洋上に出るため、体の調子をあらかじめ整えることはもとより、いつも飲む薬なども忘れずに持って行きましょう。予行1日目では、練習艦しらゆきで急病人が発生したため、ヘリで搬送されるという騒ぎもありました。また、艦上は狭いスペースなため、どうしても人との接触が避けられません。カメラなどの高価な機材も持っている人も多いため、私はトラブルがあった時に備え、1日だけ国内旅行保険に加入してカバーしました。

狭い艦上のスペース
狭い艦上のスペース

観艦式は海の上でのイベントで、陸で開催されるものとは性質がかなり異なることを認識しましょう。まず無いと思いますが、艦上から海に落ちたら命に関わるのは言うまでもありません。用心して越したことはありません。

さて、ここまで実際に参加された場合を想定して書いてきましたが、プラチナ化著しいのにどうすれば行けるの?とお悩みの方も多いかもしれません。そんな方のために、18日の観艦式本番では、インターネットでの配信が予定されていて、パソコンやスマホで生中継が見れます。観艦式公式サイトでの配信の他、ニコニコ生放送Ustreamでも配信されますので、これを機会に生中継でご覧になってみてはどうでしょうか。

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Webライター(石動竜仁)

dragoner、あるいは石動竜仁と名乗る。新旧の防衛・軍事ネタを中心に、ネットやサブカルチャーといった分野でも記事を執筆中。最近は自然問題にも興味を持ち、見習い猟師中。

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