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会社に行きたくない朝は、インド人のように踊ろうじゃないか

遠藤司皇學館大学特別招聘教授 SPEC&Company パートナー
(写真:ロイター/アフロ)

niftyニュースに「「憂鬱な月曜日」に対するインド人の持論 「面白すぎる」と賞賛の声」というコラムが掲載された。

ある日本人女性が、職場のインド人に「なぜ月曜日は電車が遅れるの?」と聞かれたという。

その女性は「週の始まりに絶望する人がいて、人身事故が増えるからだよ」と説明した。

インド人は大笑いしながら、こう答えた。

「オイオイジャパニーズ、マジかよ~。マンデーなんてサンデーの続きだろ??踊ろうぜ??」

よいではないか。素晴らしいポジティブさである。インド人はよく踊る。映画の中だけでなく、リアルによく踊るのである。我々ジャパニーズもかくあるべし。憂鬱などは、歌って踊って、吹っ飛ばしてしまおうではないか。

ふざけているわけではない。大真面目である。我が国の景気回復には、第一にポジティブさ、前向きな姿勢、不安やリスクではなく機会に目を向ける姿勢が必要なのである。月曜日に仕事のせいで自殺するなど、本当に「マジかよ」なのである。

記事によると、会社員のうち「月曜日が憂鬱な人」は43%もいるのだという。それだけ仕事に生きがいや楽しみを見出せていない人がいるということだ。

これでは人は、善く生きることはできない。幸せを感じることなどできない。一億総活躍社会など、夢のまた夢である。

いまの仕事に生きがいを見出せないならば、まずはポジティブになるべきである。ポジティブになれば、嫌なことも楽しくやることができる。これが生きがいをみつけるための第一歩である。

仕事で遠い地に出張に行くのはおっくうでも、そこに待っているおいしい食べ物を思えば、ポジティブになれる。

部長に企画を出してけなされるのは憂鬱でも、いつかこの部長をあっと言わせるための練習だと思えば、ポジティブになれる。

ようするに、悩みのタネにばかり目を向けるのではなく、その先にあるものに目を向けたり、悩みそれ自体をささいなことだと考えてしまったほうが、人生はうまくいくのである。

マインドセットが、人を幸せにする。人を変え、人を幸せに導くのである。

そう。究極的には、自分にしか自分を楽しませることはできない。喜ばせることはできないのである。もっと自分に優しくなろう。自分を楽しませてやろう。本来ならば楽しいはずの人生、後ろ向きではもったいない。ネガティブになりそうなときこそ、踊ろうではないか。笑って踊って、不安や憂鬱な気分などは、吹き飛ばしてしまおう。

だからこそむしろ、いまに目を向け、楽しまなければならないのである。目的論の心理学で有名なアドラーは、このように述べている。

「楽観的であれ。過去を悔やむのではなく、未来を不安視するのでもなく、いま現在の「ここ」だけを見るのだ。」

明日のことなど誰にもわからない。過去のことは変えられないし、過去はいまとは関係ない。いまをみたらいい。いまをポジティブに、楽観的に、この小さな悩みを乗り越えた先には幸せが待っていると思って、毎日を過ごしたらいいのである。

できない?ブラックだから?オーケー、それならいっそ転職だ!いますぐやめてしまおう。ブラック企業にいても仕方ないではないか。自分を大事にすることを第一に考えよう。あなたはどこにもいない、たったひとりの人間だ。あなたを育てた人たちは、あなたの幸せを想って、育ててくれたのだ。その人たちよりも大切なものなど、どこにあるというのだろうか。

明日はいい日だ。絶対にそのはずだ。自分だけが明日をいい日にすることができる。だから、自分が明日をつくろう。自分のことを、幸せにしよう。

皇學館大学特別招聘教授 SPEC&Company パートナー

1981年、山梨県生まれ。MITテクノロジーレビューのアンバサダー歴任。富士ゼロックス、ガートナー、皇學館大学准教授、経営コンサル会社の執行役員を経て、現在。複数の団体の理事や役員等を務めつつ、実践的な経営手法の開発に勤しむ。また、複数回に渡り政府機関等に政策提言を実施。主な専門は事業創造、経営思想。著書に『正統のドラッカー イノベーションと保守主義』『正統のドラッカー 古来の自由とマネジメント』『創造力はこうやって鍛える』『ビビリ改善ハンドブック』『「日本的経営」の誤解』など。同志社大学大学院法学研究科博士前期課程修了。

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