年収が低い人がマンションを買ってはいけない、たった1つの理由

この記事を読んで、僕の生活パターンだったら、どこに罠があるかなぁということを考えてたんです。

「世帯年収355万円 私たちマンション買っちゃいました!」←の広告が酷すぎると話題に

関西の方の物件らしいのですが、年収の低い夫婦でも共にローンを契約すれば2600万円級のマンションを購入できるというもの。合算した年収が355万円を超えればローンが組めるのだそうです。

モデルケースとして、旦那が230万円、パートナーが125万円でも買えますという例や、親子で180万円ずつ年収があればローンが組めるという事例が紹介されています。もし払えなくなっても、貸せば元が取れますとちらしには書いてあります。

賃貸を取るか購入を取るかという宗教論争における最大のツッコミどころは「その返済、35年も続けられるの!?」というところに集約されます。ここに貼られていたチラシにあるようなケースだと、親子で買った場合に、親が先に定年退職するリスクもあるでしょうし、彼女と2人でそれぞれローンを組んだ場合、別れてしまったらどうやってお金を返すのでしょうか。片方が借金を肩代わりするか売るしか選択肢がなくなりそうです。せめて借金が相殺できたら良いですね。マンションの価値が下がりにくい10年以内に決断することをオススメします。また、パートナーのどちらかが子育てに集中したくなった時に、それを選択できないという未来の可能性を狭めてしまうものでもあります。

しかし、そうは言っても、自分たちが別れることを前提に、人生の最大の選択を避けるのは非常に野暮な話だし、病気になったら困るのは購入も賃貸も同じです。

だから購入反対派のネガティブな意見が、非現実的な議論に見えることもあると思うのです。確かに実際に問題が起きた人もいるだろうけど、そうならない人もいるわけです。自分には不幸は訪れて欲しくないと思うのは自然なことです。最悪のことを考え、選択しないという考え方は、決してポジティブな生き方だとは思いません。

そういうことも考えた上で、あくまで個人的な見解として、選ばないほうがいいかな思う理由は1つになりました。

「同じマンションに住む、他の家の破綻リスクが高い」

このような集客をしているということは、同じマンションに住む人達の年収が低く、職業安定の保証も若干厳しい可能性も高いということになると思います。

マンションの問題点は、運命共同体であることです。他の部屋が破綻してしまうと、自分たちの資産価値にも影響が出る可能性が高いです。その部屋が、すぐにでも売れればいいのですが、地味に問題になるのは、他の部屋が破綻している間の管理費や修繕積み立て金が入ってこない部分で、先々の修繕計画にも影響が出るし、管理費が足りなければ建物が劣化してく速度が高まります。

マンションを買うまで気がつかない事実として、引き渡し後のマンションの命運にはデベロッパーは責任を持たないということです。

彼らはハコを作って売るところまでが責任範囲で、その後の経年劣化等については、オーナーである居住者の共同管理になります。もちろんそれだと無責任なものを売る可能性があるので「保証」という形で10年程度、さまざまな問題に責任を持ちます・・・が、それはあくまでも保証書に定められた製造時の問題に範囲が限られています。その建物が適切に35年間美しい状態を維持するか!?というのは、居住者全員の責任になります。

マンションのちらしによく書いてある、管理費+修繕積み立て金の試算は、デベロッパーが責任を持つような話ではないという大きな問題があります。故に、そこに書いてあるのは、世間一般にあるミニマムな試算でしょう。高い金額を書いて購入予定者にプレッシャーに思わせるのがハッピーなことではないのですから、売りたいなら誰だってそうします。

しかしマンションの作りは一品一様で、かつ劣化の具合も一品一様です。つまり想定通りの積立ができたとしても、予算どおりにうまくいく保証はないので、その前提で資金を捉えておく必要があります。それに、そもそもの修繕計画がミニマムな試算であれば、足りない可能性の方が高いわけです。

そして結果として修繕積立金の試算が甘く、実は10年後、お金が足りなかったと気がついた時に、収入の少ない人達が集まってると、どうしても修繕積立金を増やすという選択肢は取りにくいでしょう。そうすると修繕内容を減らすか、頑張って安い業者を探すかというお金とは違うコストを支払ってカバーする必要があります。が、その選択は結構難儀です。定年して暇を持て余していて、修繕業者とのネゴシエーションがうまい管理職出身のような人が管理組合にいてくれると非常に助かります。しかし、みんなバリバリ働いていて忙しい若い人達が集まっているとそれも厳しいでしょう。適切な解決法が見つからないまま時間だけが過ぎていくことになっているマンションも少なくないハズです。

結局、マンションを買う時には見えてない、「他の居住者」のよしあしで未来のマンションの住み心地や価値に影響が出ます。これが運命共同体という意味です。その割には、お互い顔を合わせたくなかったりするので、お金だけの関係で無自覚のまま資産の運命を共有する組織になってしまうのがマンションの問題点で、面倒くさいことだったりします。

マンションの管理というのは、収入源が居住者からの管理費のみで構成される事業に近いものです。そのため組織管理の経験者がいると望ましく、受け身体質の人たちが集まると、責任の投げ合いになって少し難しい面があります。何せ住民の一定の総意がないと決断ができない仕組みになっているので、大きな決断には人心掌握のスキルも必要です。

自分たち家族の運命は自分たちでコントロールできる可能性があるので、そこについてネガティブに考えるのは少しチキンかなと思う部分は、僕も同意できます。ただし他の家の運命はコントロールできません。だからその人達に影響を受けるマンションの購入というのは、少し慎重になってもいいかな、とは思ったりもします。

僕が過度に他人を信用していないだけかもしれないので、あくまでも個人的異見として書かせていただきましたので、ご参考まで。逆に言えば、リタイアしたマネジメント経験者をクラウドソーシング的に活用し、マンションの管理費を原資としたビジネスで何かやりようはあるのかもしれないので、ここにビジネスチャンスを見いだせる人は是非、頑張ってみてください!