非正規雇用の若者はもう国民年金保険料(15,590円)を支払うな!ー老後は生活保護を受けよう!ー

非正規雇用に従事する若者が増え続けている。

もう全労働者の約4割は非正規雇用という時代を迎えている。

いわゆるパートやアルバイト、派遣社員などの働き方である。

このなかには家計を補う兼業主婦も大勢いるが、問題は家計の中心である人々にも、この非正規雇用が広がっているということ。

非正規雇用は、正社員と比較し、賃金が低く、賞与(ボーナス)が出ないことも珍しくない。

福利厚生や各種手当も支給されない場合がある。

だから、それらの労働者にとって、毎月の国民年金保険料は大きな負担としてのしかかる。

平成27年度の月額の国民年金保険料は、15,590円である。

厚生年金に加入していない労働者は、月額これだけの保険料を毎年40年間支払い続けなければならない。

わたしが所属するNPO法人ほっとプラスには、非正規雇用の若者から「年金はやはり支払わなければダメでしょうか。」、「年金の負担が重く、支払うと生活費が足りなくなる。」という相談も寄せられている。

当然、年金保険料が支払えない場合、手続きを行えば、猶予制度や減免措置を講じられる。

減免措置の期間も年金加入換算されるので、本来はその手続きをしてほしいと思う。

ただし、これらの手続きをして、40年間年金保険料を支払い続けても、老後の受給金額は極めて低い。

日本年金機構によれば、仮に40年間、減免措置もなく、国民年金保険料を支払い続けても、満額で月額65,075円(平成27年4月分からの年金額)しか支給されないということになる。

40年間支払えない人もいるので、平成25年度の国民年金平均受給月額は54,544円である。

ちなみに、厚生年金の平均月額は、145,596円である(厚生労働省「平成25年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)。

恐ろしいことは、これらの労働者の老後である。

54,544円で1カ月暮らせるだろうか。

首都圏や都市部では、家賃すら払えない金額ではないだろうか。

当然暮らせない。そもそもが暮らせない水準で国民年金は設計されている。

首都圏の生活保護基準は、地域によって差があるが、単身の場合、住宅扶助費が53,000円程度(住宅扶助上限)、生活扶助費が80,000円程度である。

この基準は、「最低生活費」と呼ばれ、合計130,000円程度なければ、1か月暮らせないと政府は試算しているというわけだ。

生活保護基準の方が国民年金より高いことは有名である。

また、生活保護は各種税金が免除され、医療費や介護費などの必要なサービスも現物で支給が受けられる。

要するに、現金支給に加えて、無料でサービスを受けられる。

当然、これらの免税や現物給付のサービスも加算計上すれば、厚生年金の平均受給金額よりも多くなる世帯もあるだろう。

だから、単純に考えれば、国民年金を40年間支払うよりも生活保護に移行した方がよい。

あるいは年金保険料を払えるだけ払い、年金受給後に、最低生活費に満たない分は生活保護を併給した方が生活はしやすい。

非正規雇用を長年続けていく場合は、国民年金保険料を支払う必要性もないといえる。

国民年金の未納率も4割を超えていることは有名であり、すでに年金を支払えない、あるいは断念している人々が大勢いるということだ。

なぜ国民年金はこんなに支給基準が低いのか。

これは「国民年金」と「生活保護制度」の本質的な性格の違いから発生するジレンマである。

年金は社会保険制度であり、防貧制度である。貧しくないときに、貧困に至ることを防ぐため、保険料を支払う。貧困予防の制度だ。

一方、生活保護制度は救貧制度である。すでに貧困に至った後、救済するために機能すべき制度だ。

一概にそれぞれの役割を考慮しないまま、金額だけを比較して、高い低いと議論するのはナンセンスである。

ましてや年金と比べて生活保護費が高いから引き下げるべきだという議論も論外である。

だから、年金は貧困に至らないように、予防するための措置として考えていただきたい。

しかし、すでに非正規雇用などで貧困に至っている方や将来にかけて年金を受け取るだけの保険料が支払えない場合は、年金保険料を支払う必要性があるとはいえない。

無理して老後のために保険料を支払い続けるのは筋違いの話である。

当然、今の生活の維持・向上や生活費に、その年金保険料を転用してほしいと思う。

そのような労働者は老後に、生活保護制度を利用することになるが、そのためにも今のうちから、生活保護制度に関する知識や情報を得ておく必要がある。

そして、生活保護制度の基準が下がらないように、見守っていく必要もあるだろう。

「生活が苦しいのですが、年金保険料を支払った方がいいのでしょうか?」という質問に対する答えはどうか。

要するに、生活費を切り詰めてまで年金保険料を払う必要はない。現在かあるいは将来に向けて、生活保護を受給すればいい、ということである。

現在の生活保護受給者も多くは高齢者であり、全受給者の約半数を占める。

これは長年にわたり、年金の支給水準をあげられなかったり、最低保障年金を導入できなかった政府の失政の現れである。

だから、老後は遠慮することなく、生活保護を活用してほしい。

今後も生活保護受給世帯は増加し続けるだろう。

防貧政策の充実も求められるところであるし、非正規雇用中心の年金制度のあり方も検討しなければならない時期に来ているのだと思う。