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取っておきのへそくり術とは?へそくりは誰のもの?離婚時の財産分与の対象になる?-弁護士が解説

福永活也福永法律事務所 代表弁護士
(ペイレスイメージズ/アフロ)

弁護士の福永です。今はワタナベエンターテインメントグループに所属させていただいておりますが、先日、とある番組内でへそくりについて面白い話があったのでご紹介させていただきます。

へそくりの平均金額は?

5年前に明治安田生命が実施した調査では、妻が147万円、夫が86万円ものへそくりがあるようです。

番組でも調査をしたところ、53人中47人がへそくりをしていました。

みなさん着々と貯めているようです。

へそくり術

へそくりの貯め方にもいろいろあると思いますが、こんな凄い方法を実践している人もいるみたいです。

まずは、金券ショップで割引された百貨店商品券などを購入して食材や日用品を購入し、その差額を貯めるという技です。

夫婦でしっかり家計簿をつけている場合には、支出が細かく管理されてしまうので、このような方法で差額をへそくりにしているようです。

さらに強者は、スーパーで食材を買った後、ゴミ箱に捨ててある高めのレシートを拾って、食材費を水増しして、へそくりを貯める人までいるようです。

他にも、生命保険の一時金などは、旦那さんも忘れているので、そのまま貰ってしまうこともあるようです。

しかし、へそくりが、これだけ地道な努力の集積なのであれば、もやは努力の対価として相応しいと思いますよね。

ちなみに、へそくりの隠し場所としては、タンスの中、キッチンの戸棚の中、本棚、絵画の裏、神棚の裏などいろいろありますが、車に隠す場合は車上荒らしに遭う危険もあるので注意が必要です。

へそくりは誰のもの?財産分与の対象になる?

最後に、へそくりが誰のものなのかについて解説します。

へそくりを貯めた状態で離婚した場合に、へそくりが誰のものなのか、財産分与の対象になるかが問題になります。

まず、結婚前に夫婦それぞれが持っていた財産も、結婚後に夫婦がそれぞれ取得した財産も、結婚中は、いずれも基本的にその人のものです(夫婦別産制というやつです)。

ただ、離婚時の財産分与の対象の対象になるかどうかで言えば話は別で、基本的に、結婚前の財産は分与の対象外で、結婚後に貯めた財産は分与の対象になります。

ただし、財産分与は夫婦が協力して築いた財産を相手に分与する制度ですので、結婚中に親から贈与を受けた財産などについては、財産分与の対象にはなりません。

つまり、ざっくり言えば、結婚後に仕事をして貯めた財産は分与の対象になり、それ以外は分与の対象にならないことになります。

ですので、いざ離婚すれば財産分与の対象になってしまうような、結婚後に仕事をして貯めた財産を優先的に家計のために使い、結婚前の財産や親から贈与を受けた財産などをへそくりとして貯めていった方が、万が一離婚する場合には有利になります。

なお、一つの預金口座にいろんなお金を入れていると、どこまでが財産分与の対象になり、どこまでが対象にならないのかがわからなくなりますので、結婚後に仕事をして貯める預金とそれ以外とでは口座を分けておくと、いざという時に明確に区別できることがあります。

以上、へそくり話について簡単に解説させていただきました。

※本事は分かりやすさを優先しているため、法律的な厳密さを欠いている部分があります。また、法律家により多少の意見の相違はあり得ます。

福永法律事務所 代表弁護士

著書【日本一稼ぐ弁護士の仕事術】Amazon書籍総合ランキング1位獲得。1980年生まれ。工業大学卒業後、バックパッカー等をしながら2年間をフリーターとして過ごした後、父の死をきっかけに勉強に目覚め、弁護士となる。現在自宅を持たず、ホテル暮らしで生活をしている。プライベートでは海外登山に挑戦しており、2018年5月には弁護士2人目となるエベレスト登頂も果たしている。MENSA会員

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