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タイガー・ウッズにまつわる2つの噂がまことしやかに流れる米ゴルフ界。そこに光は見えてきた!?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
この1年を経て闇から脱しつつあるウッズとともにゴルフ界も光を見ることができる?(写真:ロイター/アフロ)

「トンネルの向こう側に光が見えない」

2度の手術を重ねた後、復帰の目途が立たなかったタイガー・ウッズがもどかしい胸の内をそんな言葉で語ったのは昨年12月のことだった。

1年前のウッズは闇の中にいた。
1年前のウッズは闇の中にいた。

あれから、もうすぐ1年が経とうとしている今、ウッズは来たる10月に行なわれる来季開幕戦での復帰を予定しており、ようやく光が見え始めている。

そんなふうにウッズの活気が戻りつつある今、そこに新たな別の光を見い出そうとする周囲にも活気が戻りつつある。

【ウッズがライダーカップ出場!?】

米ツアーの来季開幕戦、セイフウエイオープン(10月13日~16日)を復帰戦とする予定だと自身の公式ホームページで発表したウッズだが、ウッズが公けの場に登場するのは、それより2週間早くなる。

9月30日から開幕する米欧対抗戦のライダーカップ。ウッズは米国チームの副キャプテンとして大会の舞台となるミネソタ州のヘイゼルティ

ンナショナルに赴き、キャプテンのデービス・ラブをサポートすることになっている。

米国キャプテンのデービス・ラブ。最後の1人の指名に注目が集まっているのだが、、、
米国キャプテンのデービス・ラブ。最後の1人の指名に注目が集まっているのだが、、、

米欧両チームはそれぞれ12名のメンバーで構成され、欧州チームはすでにその全員が確定しているが、米国チームはライダーカップポイントランキングに基づいてまず8名が確定後、プレーオフ第3戦のBMW選手権終了後にキャプテン推薦3名が発表され、残る最後の1名はプレーオフ最終戦のツアー選手権終了後に発表される。

BMW選手権の翌日にラブから指名されたのは、リッキー・ファウラー、JBホームズ、マット・クーチャーの3名だった。そのクーチャーが、こんなことを言い始めた。

ラブから指名されたクーチャー。「最後の1人はタイガーだったら、すごい」と公言。
ラブから指名されたクーチャー。「最後の1人はタイガーだったら、すごい」と公言。

「キャプテンに指名される最後の1名はタイガー・ウッズ。そんな噂も耳にしている。もちろん、あくまでも人伝に聞いた話だけど、ウッズはセイフウエイオープンから復帰するみたいだし、あのタイガー・ウッズがライダーカップでプレーしながら副キャプテンを務めるなんて考えただけでもすごいよね。最後の1人に誰を指名するかを決断するデービスのキャプテン業は大変だけど、タイガー・ウッズがライダーカップで米国チームのためにプレーするって、想像しただけでドキドキするよね」

もしもライダーカップの開催年が昨年だったら、2度の手術後で歩くのも大変な状態だったウッズに関して、こんな話は噂レベルでも出なかったはずだ。

だが、すでに復帰予定を発表した今、その復帰戦の2週前に開催されるライダーカップなら、ウッズが肉体的にプレー可能か否かの答えは「プレー可能」である可能性は高い。キャプテンのラブが「ラストワンはタイガー・ウッズ」と発表した途端、米国のゴルフファンは狂喜し、世界のゴルフ界は大騒ぎになる、、、、、、。

そんな夢と希望と期待が込められた噂が、日々、信ぴょう性を帯びながら膨らんでいる。

【ウッズが用具メーカー買収!?】

その矢先、今度はウッズに絡む、もう1つ別の噂も飛び出した。

「タイガー・ウッズがテーラーメイドを買収しようとしている」

ウッズの契約先であるナイキが用具市場から撤退することを受け、ウッズの元へは新たな用具契約を狙うゴルフメーカー各社から山のようなクラブやボールのサンプルが送り付けられているそうだが、9月16日(米国時間)に米ゴルフドットコムのウエブサイト上で発信された記事は、ウッズはメーカーと用具契約を結ぶのではなく、ちょうど身売り中のテーラーメイドを買い取ってしまおうとしていると伝えている。

同サイトが、その噂を記事化した根拠は、ゴルフビジネス関連の分野でリスペクトされている2名のジャーナリストが「タイガー・ウッズがテーラーメイドを買い取るためにアディダスとシリアスな交渉を続けている」「タイガー・ウッズは2017年にテーラーメイドのクラブを使うだけではなく、会社そのものを買い取る交渉をしている」と、ほぼ同時にSNS上で発信したことだそうだ。

すべては噂の域を出ていない話ばかりではある。日本流に言えば、いわゆる「飛ばし記事」ではある。

だが、「ウッズのテーラーメイド」となれば、ウッズ財団が主宰する大会などを通じて、他社や他者にはできないレアなビジネス展開ができるのではないか。そうすれば、苦悩しているゴルフビジネスにも、何かしら新たなは光が差し込んでくるのではないか。

そんな夢と希望と期待が、この噂にも込められ、瞬く間に膨らんでいる。

1年前、「トンネルの向こう側に光が見えない」と言ったのはウッズ自身だった。あれから、間もなく1年が経つ今、ウッズ自身もゴルフ界も、トンネルの向こう側にようやく光を見い出しつつあるのかもしれない。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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