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自転車からの危険行為経験、「歩道猛スピード」「並進」に「携帯電話利用」

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 自転車に対する安全運転をうながす看板も増えている

元々健康志向の高まりや、ガソリン代高騰による節約のため、さらに震災以降は機動力の高さ・柔軟性が評価され、自転車を活用する人が増えている。それと共に、自転車も道路交通法上は軽車両扱いを受けていることもあり、守らねばならない多数の交通規則、そしてマナーがあるものの、必ずしもそれらすべてが周知されているわけでは無く、さらに知っていても守らない人も少なくない。自動車と異なり、運転免許が要らず、購入・借受をしたその時から、誰でも自由に乗れるため、その規則やマナーを知る機会が与えられていないのが大きな要因。

規則・マナーの多くは危険を避けるためのもの。それらを守らずに走行すると、運転者はもちろん、周囲の人も怖い思いをすることになる。今回はそのような、「第三者による交通ルールやマナーを守らない自転車の利用によって、怖い・不快な体験をしたことがあるか否か」について尋ねたもの。

これはライフメディアのリサーチバンクが2013年9月付けて発表した、10-60代の男女に対して行った調査結果によるものだが、それによるともっとも多くの人が経験した「自転車による怖い・不快な思い」は、歩道を猛スピードで走るだった。過半数の人が体験あり、としている(無論これは回答者自身の高速走行ではなく、高速で走る自転車と接触しそうになるなどの、怖い体験をしたことを意味する)。

↑ 自転車の交通ルールやマナーが守られず、怖い・不快な思いをした行為はあるか
↑ 自転車の交通ルールやマナーが守られず、怖い・不快な思いをした行為はあるか

人通りが少ない、あるいは直線が続く歩道では、このような「猛スピードで走る自転車」に遭遇することがある。正面から向かってくるのならまだ事前の備えもできようが、後方から突然横を突っ切られると、備えようがない。その時の恐怖感は、体験した人でないと分からない。さらにこの際、「携帯電話利用」「夜間でのライト非点灯」などの合わせ技を用いられると怖さはケタ違いのものとなる。

次いで多いのは「2台以上の並進」。友達同士で自転車を利用し、おしゃべりしながら走っている場合に良く見受けられる。狭い歩道の場合、歩行者は逃げ場が無くなり、歩道から外れることすら余儀なくされる。

最近特に目に留まるのが「携帯電話を使いながらの運転」。携帯電話を手放せないほど愛用している、いつでもどこででもすぐにでも応対したい、おしゃべりしたい気持ちは理解できるが、それが許されるか否かは別の問題。携帯電話の操作、対応により、自転車の運転そのものへの注意力が欠けるのは言うまでもない。当然、ハンドル・ブレーキ操作のミスをはじめとした事故リスクは高まる。

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また、法令上も携帯電話を操作しながらの自転車運転(軽車両運転)は、道路交通法の第71条に基づき3か月以下の懲役か5万円以下の罰金が科せられるので注意が必要となる。どうしても使いたい場合は、自転車を適切な場所に止めてから操作するのが合法かつ安全。

これら自転車運転側における危険行為は、概して自転車を運転手本人において、その危険性を認識していないのも問題点となる。「いつもやっているから」「歩行者が危険な思いをするとは気が付かなかった」「安全だと思った」との認識で、リスクを背負った運転をしてしまう。

これについては、自転車走行のルール・マナーを取得し、それを順守するだけで、随分とそのリスクは減らせる。まずは自転車運転の際に欠かせない知識を会得し、その上で安全運転を心掛け、歩行者に危険な思いをさせないようにしてほしいものだ。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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