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公立中学の塾通いは7割…「こんなに多い!?」と周囲が気になる、学習塾・家庭教師の利用状況や支払額

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 学習塾での勉強は学校同様楽しいものもあるが…(シルバニアファミリー)

小中学生は3人に1人が「家庭教師」あり

学校の授業に追いつくのが難しい場合、あるいは受験に備える形で、学力アップを目的とした学校外学習の代表的な手段が、学習塾への通塾や、家庭教師の指導による自宅学習。これらの利用実態について、文部科学省が2014年1月に公開した2012年度版「子供の学習費調査」では、詳細な調査結果が記されている。

まずは家庭教師について。

↑ 家庭教師支払いあり(利用者)率(2012年度)
↑ 家庭教師支払いあり(利用者)率(2012年度)
↑ 家庭教師平均支出額(年間、支払者のみの平均、万円)(2012年度)
↑ 家庭教師平均支出額(年間、支払者のみの平均、万円)(2012年度)

家庭教師利用率は私立・公立でほぼ同じ。中学校で唯一公立の方が利用率がやや高くなる。これは公立学校に通う子供では、高校受験が大きなハードルとなるため、打てる手は極力打とうという考えによるもの。

額面は私立の方が高く、特に小学校では2倍強もの差が出ている。私立小学校における年額9万7000円は、月額に換算すると約8080円。もっともこれは年間を通して利用している前提。例えば受験直前の半年間のみ、苦手部分克服のため、家庭教師をお願いするという事例も考えられる。

私立小学・公立中学は7割超の塾通い

続いて学習塾。

↑ 学習塾支払いあり(利用者)率(2012年度)
↑ 学習塾支払いあり(利用者)率(2012年度)
↑ 学習塾平均支出額(年間、支払者のみの平均、万円)(2012年度)
↑ 学習塾平均支出額(年間、支払者のみの平均、万円)(2012年度)

小学生以上では学習塾の利用率は、家庭教師よりも高い。子供側もコミュニケーションの場としての利用もできることから、家庭教師よりは塾を好む傾向があると考えられる。友達が通うから、と保護者にせがむ事例もあろう。また、講師の質がある程度事前に分かる(保護者側の)メリットもポイント。

公立・私立別では利用率・平均支払額共に、中学生のみ公立学校の方が上となる。これは家庭教師部分で解説した通り、公立学校生では高校受験が天王山となるため。

高校では再び私立の方が上となっているが、これは大学受験への備えの際に、より多くの支出が出来得る家庭環境だからと考えられる。元々学校の授業料などから成る「学校教育費」、そして子供の学習全体にかかる「学習費総額」とも、公立より私立の方がはるかに高い。それだけ支出可能な環境にあるということだ。

ちなみに学習塾の高額項目の回答事例だが、たとえば高校生の場合、公立では学習塾利用者の18.3%、私立では35.4%が、年間40万円以上(月額3万3000円以上)の支払いをしている。もちろん学費は塾授業料だけではないことを考えれば、決して小さくない負担額に違いない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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