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LINE86%、ツイッター67%…高校生のソーシャルメディア利用実態

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ スマートフォンはソーシャルメディアツールとして高校生に浸透しつつある

最多利用はLINE、そしてツイッター

元々従来型携帯電話では電子メールのやりとりが主流だった子供達の携帯コミュニケーション。昨今ではスマートフォンの普及に伴い一挙にソーシャルメディアが浸透した。それでは現状で、どのようなソーシャルメディアが普及浸透しているのか。情報通信政策研究所が2014年5月に発表した調査結果「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」からその実態を探ることにする。

今調査対象母集団においては9割以上がソーシャルメディアを利用している(LINEは厳密にはソーシャルメディアではないが今件では同類として扱う)。

↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(高校生、2014年1月)
↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(高校生、2014年1月)

そこで具体的に利用しているソーシャルメディア名を挙げてもらった結果が次のグラフ。ソーシャルメディア利用者比ではなく、全体比・各属性比である事に注意。例えばLINEの85.5%とは、高校生全体の85.5%がLINEを使っている(書込みもする場合と、見るだけも含む)ことを意味する。

↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)
↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)

最多利用サービスはLINE。そしてツイッター(Twitter)が続く。表示画面や操作方法が似ていることから、高校生にとっても親和性が高く、使いやすいのだろう(その分両者の違い、情報が不特定多数に公開されうるかされないかの勘違いによる「炎上」も発生しやすくなるのだが)。そして一段下がってFacebook、Google+が続く。

性別と学年別で利用状況を確認する

これを属性別に見たのが次以降のグラフ。まずは男女別。

↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)(性別)
↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)(性別)

上位にあるLINEやツイッターのようなチャット系サービスでは女性の利用率は男性と比べて非常に大きい。特にツイッターは14.2%ポイントもの差が生じている。ところがFacebookやGoogle+のような日記併用的なサービス(mixiでは特にその傾向が強い)ではさほど変化が無く、MobageやGREEのようなゲームをメインとするサービスでは逆に男性の方が高利用率を示している。とりわけMobageでは男女間で6割増しもの差が。

これらの動きからは「女性はチャット」「男性はゲーム」「日記系は男女共に」という、高校生における男女それぞれのソーシャルメディアの利用実態がイメージされる。

学年別ではさらに興味深い傾向が確認できる。

↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)(学年別)
↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)(学年別)

低学年ほどLINEやツイッターといったチャット系、高学年ほどFacebookやmixiのような日記系のサービスを多く利用している。成長に連れて趣味趣向の変化・広域化、そして自己欲求の高まりに伴い、単なるチャットから多種多様なやりとり・情報収集がし易い、そして自己表現の幅が広がる日記系サービスに移行していると考えれば道理は通る。

一方で現在がスマートフォンの普及時期の真っ最中で、低学年ほどスマートフォンの利用率が高い状況を合わせて考察すると、スマートフォンとの相性が良いチャット系サービスが多用されているだけという考え方もある。

↑ スマートフォン利用率(高校生、2014年1月)
↑ スマートフォン利用率(高校生、2014年1月)

もっともチャット系に限らず、列挙されたすべてのサービスにおいて、スマートフォン利用者の方がそれ以外(従来型携帯電話利用者など)よりも利用率が高いため、理由をそれだけに限定することは難しい。

今後さらにスマートフォンの普及が進むに連れ、高校生におけるソーシャルメディアの利用はごく普通の、当たり前のものとなっていく。保護者や学校など周辺の人達は、それを前提にして物事を判断していくことが求められよう。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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