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実のところケータイやスマホでどれ位の人がネットしてるの?

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 男女を問わず急速に広まる携帯ネット環境。現状ではどれほどの人が使っているのか

女性の方がスマホ利用率は上

携帯電話の主流が従来型携帯電話からスマートフォンにシフトするにつれ、インターネット利用率は向上し、それと共にスマホと親和性の高いソーシャルメディアとの相性が良い女性の方が、男性よりも利用において積極的であるとの調査結果も複数確認できる。今回は総務省が2014年6月に発表した直近2013年分における「通信利用動向調査」を基に、その男女別における携帯ネット利用の実情を探ることにする。

次以降に示すのは「携帯端末(スマートフォンを含み、タブレット機は含まない)」に限定し、その端末を利用した「インターネットの利用率」。インターネットの利用性向に関する各種回答から、(全体における)「従来型携帯電話(PHS、PDAなども含む。以下同)のみ利用」「スマートフォンのみ利用」「従来型携帯電話・スマートフォン双方を利用」の3項目に区分する。

まずは男女を合わせた世代別構成比。なお一連の値は調査対象母集団全体(ただし未回答者を除く)に対するものであり、携帯電話利用者やインターネット利用者限定した値では無い事に注意。

↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(2013年末)
↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(2013年末)

若年層のスマートフォンの浸透率の高さ、そして50代以降では「携帯インターネット」は「従来型携帯電話」経由優勢であり、「スマートフォン」は脇役な状態がうかがえる。

そしてこれを男女別に区分したのものが次のグラフとなる。

↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(男性)(2013年末)
↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(男性)(2013年末)
↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(女性)(2013年末)
↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(女性)(2013年末)

全体値では男性の方が利用性向が高いが、これは中堅層以降で高めの値を示している結果のもの。そしてスマートフォン利用率でも、中堅層は女性よりも男性の方が上。

詳しく世代別に見ると、40代までは携帯電話経由のインターネット利用率そのもの、そしてスマートフォンの利用率共に女性が男性と同レベル、あるいはむしろ高い値を示している。特に10代から20代では男女の差が顕著に出ている。20代女性のおよそ86%はスマートフォンでインターネットにアクセスしている≒スマートフォン所有者となる。

2011年までは「男性の方がスマートフォン所有率が高い」との図式が見られたが、2012年からは逆転し、女性の方がスマホ率は高くなった。今年2013年もまたしかり。これはソーシャルメディアとスマートフォンの相性の良さと、女性とソーシャルメディアの関連性の深さが関係していると考えて良い。

50代を過ぎるとモバイルインターネットの利用率は、男性の方が高い値を示す。スマートフォン利用率が低い点では男女一緒ではあるのだが。

2012年から2013年で大きく変化するモバイルネット状況

今件調査項目では、若年層へのスマートフォンの普及ぶり、中でも女性の大幅な状況の変化が目に留まる。次に示すのは2012年から2013年に渡る、各属性・項目別の変化度合いを%ポイントで示したもの。

↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(男性)(2012年末から2013年末への変移)
↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(男性)(2012年末から2013年末への変移)
↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(女性)(2012年末から2013年末への変移)
↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(女性)(2012年末から2013年末への変移)

男女ともにスマートフォンのみの値が大きく増加し、従来型携帯電話のみ、従来型携帯とスマホ併用が数を減らしている。特に若年層ではスマートフォンの利用率増加が著しい。他方シニア層ではスマートフォンのみの利用率と共に、従来型携帯電話のみの回答率も若干増えており、今まで携帯電話そのものを持たなかったシニア層が新規に所有する際に、従来型携帯電話を選んでいる事例があることを想像させる。

2012年から2013年の動向は、若年層ではそろそろ天井感が強いもののスマートフォンの利用率が加速化し、シニア層ではゆっくりとした歩みでの浸透状況と表現できる。今後数年間はモバイル端末における世代間のギャップ、具体的には「同じ携帯電話でも若者スマホでシニアは従来型」がさらに大きくなるのではないか、その予見すら想起させる動きではある。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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