スマホ、パソコン、タブレット…どの端末がソーシャルメディアと相性がよいのか
パソコン4割・スマホは6割強
スマートフォンの普及に一番貢献したのはソーシャルメディアであり、ソーシャルメディアの浸透で一番貢献したのはスマートフォンとの話がある。つまりお互いが相乗効果的に押し上げ合い、昨今のネット界隈の状況を構成したというものだ。それでは実態としてどれほどの人が、どのようなネットアクセス端末を使い、ソーシャルメディアを利用しているのだろうか。総務省が2014年6月に発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、実情を確認していく。
インターネットへのアクセス手段としてパソコンを使っている人は自宅で約6割、携帯電話(従来型、スマートフォン双方を意味する)でもほぼ同数の6割強との結果が出ている。またタブレット型端末では1割を超えている。
それではソーシャルメディア(FacebookやツイッターのようなSNSに限らず、世間一般にソーシャルメディアと認知されているLINEなども含む。広義のソーシャルメディアでは該当するブログや掲示板は、今件では含まれない)に関して、いかなる端末からアクセスされているのだろうか。
次のグラフは「家庭内外で該当機種を用いてインターネットを利用している人」のうち「該当機種でソーシャルメディアを利用している人」の割合を表したもの。
例えば「タブレット型端末」では56.7%とある。これは「タブレット型端末を利用して家庭内外でインターネットにアクセスする人のうち、56.7%がソーシャルメディアを利用している」ことになる。「ソーシャルメディア利用者の56.7%がタブレット端末利用者」「インターネット利用者の56.7%がタブレット型端末でソーシャルメディアを利用している」を意味するのではないことに注意。要は「各機種でインターネット利用者における、ソーシャルメディアへのアクセス率」を示している。
パソコンは4割強、従来型携帯電話は3割近く。スマートフォンが6割を超え、タブレット型端末では6割に近い値が出ている。「その他」は家庭用ゲーム機やインターネットテレビなどを指すが、やや特殊な事例と見なして良い。
今件は家庭内・家庭外双方を合わせた値であり、「ソーシャルメディア利用者全体に占める比率」ではなく、「各端末利用者に占める比率」であることに留意しなければならないが、パソコンよりもスマートフォン・タブレット型端末の方が、そして携帯電話でも従来型よりスマートフォンの方が、ソーシャルメディアとの相性が良いことがあらためて確認できる。
これをソーシャルメディア及びそれに類するサービス(広義でのソーシャルメディア)で確認したのが次のグラフ。
「スマートフォン」「タブレット型端末」の値が抜きんでている(緑の「その他」は上記にある通り特殊事例として考察には含めない)。利用者の絶対数はパソコンと比べてスマートフォンが2/3程度、タブレット型端末は2割足らずだが、利用者の内訳としては積極的にソーシャルメディアを活用していることになる。
特にソーシャルメディアの利用はタブレット型端末が過半数、スマートフォンが2/3近く、YouTubeやニコ動などの動画共有サイトはタブレット型端末・スマートフォン共に6割に達しており、スマートフォン・タブレット型端末とソーシャルメディア、動画共有サイトの親密性があらためて実感できる。「いつでも、どこでもアクセスできる」メリットが、最大限に活かされている形である。
家の外では大いに活躍するスマホ、タブレット
スマートフォンとタブレット型端末は家庭外での活躍が著しい。ソーシャルメディアの利用でもそれは当てはまる。次のグラフは、上記のものについて「家庭外」で限定して再集計したものだが(それぞれの端末で家庭外からインターネットを利用した人限定)、家庭内外よりもパソコンや従来型携帯電話との間で、大きな差が出ている。
スマートフォンやタブレット型端末でソーシャルメディアが積極的に活用されるのは、「頻繁にアクセスして更新内容を確認したい」に代表される、ソーシャルメディア利用者が持つ願望を、ストレートにかなえてくれるから。そして同じ機動力を持つはずの従来型携帯電話(フィーチャーフォン)が伸び悩んでいるのは、操作性や画面表示能力の点で、はるかにスマートフォンなどが優れているからに他ならない。従来型携帯電話の利用者は、画面表示などの問題、対応の是非などで快適な利用をあきらめて、ソーシャルメディアへのアクセスをしていない可能性も十分にある。
ちなみに「家庭内」に限定した場合でも、各機種毎のソーシャルメディア利用率は、自宅パソコンよりもスマートフォンやタブレット型端末の方が上。「いつでも、どこでも」は自宅内においても、有益な機能と判断され、利用されていることになる。インターネットそのものの利用でも、若年層ではパソコンよりもスマートフォンの方が上という現状も、十分理解できるというものだ。
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