男女で異なる喫煙世代…性別・世代別の喫煙率を探る(2014年)
健康状態の維持施策と浅からぬ関係があることに加え副流煙の問題、環境との兼ね合い、小売店の売上や税収など大きな影響を及ぼすことから、たばこの喫煙率に関しては複数の公的・準公的機関による定点観測が行われている。そのうち厚生労働省の「国民生活基礎調査」では3年おきながら、喫煙率に関する詳細な調査が行われ、その結果が公開されている。今回はそのデータを基に、喫煙率の現状を確認していくことにする。
次に示すのは男女別、そして世代別の喫煙率。例えば男性で20歳から24歳では31.7%との値が出ているが、これは「20歳から24歳の男性全体のうち31.7%が喫煙している」を意味する。厳密には喫煙に関して「毎日吸っている」「時々吸う日がある」「以前は吸っていたが1か月以上吸っていない」「吸わない」「不詳」の選択肢が用意されており、そのうち「毎日吸っている」「時々吸う日がある」の2選択肢を合算して算出している。つまり「回答時点で喫煙している人」の割合。過去に喫煙していた人、禁煙中の人は含まれない。
男女では縦軸の仕切りが異なることに注意した上で。男性は全体では33.7%、女性は10.7%。男女間の喫煙率は大よそ3倍の違いとなる。一方で世代別動向を見ると、男性は30代をピークとし、以降すこしずつ減退、定年退職前後から減少率が大きくなるのに対し、女性は50代前半までほぼ横ばい、それ以降は大きく値を減らすことになる。男女間で増減傾向に大きな差異が生じており、喫煙者の喫煙スタイルの違いがうかがえる。
男女それぞれで大きく減るタイミングから推測すると、日常生活の上で多忙感を覚える機会が少なくなると、喫煙率も減り始めるようだ。具体的には男性は退職後、女性は子育てを終えて子供が独り立ちをするあたりとなる。
実際にたばこを止めた原因の質問は今調査では成されていないので確証は持てないが、喫煙率が大きく減るタイミングで、喫煙者に占める毎日喫煙する人の割合も減る傾向を示していることから、禁煙・減煙が同時期に生じており、たばこが求められる機会が減っていることは容易に想像できる。
ちなみに男女間の喫煙率を1つのグラフにまとめると次の通りとなる。
男性と女性で喫煙率のピークが異なる点や、減り方の違いなどがよく把握できる。喫煙の理由は多種多様だが、男性が30代、女性が35歳から44歳でもっとも高い値を示しているのを見るに、ストレス解消の面も多分にあることを再確認させられる次第だ。
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