病院への入院、そして退院後、困った経験あれこれ
病気や怪我で入院をすると、日常生活からの隔離を体験することになる。その入院時、そして晴れて退院してから、色々と頭を抱える事態を覚えることも少なくない。その実態について、ライフネット生命保険が2014年9月に発表した、入院に関する調査結果(20代~40代対象、入院経験者・未経験者比率はほぼ均等)から確認していく。
入院のきっかけによるところも大きいが、入院時は通常時よりも不自由な生活を強いられることが多く、何かと不便な日々を過ごすことになる。退院をしてからも、入院時の生活内容が原因で問題をかかえる場合がある。そこで入院経験者に限定し、入院時、あるいは退院後の困った事案について該当するものを複数回答で聞いたのが次のグラフ。「体力が落ちた」が同意者のもっとも大きい選択肢となった。
入院時の状況次第では入院中は自由に身動きが取れなくなる。歩行は自由な状態でも、行動できる範囲は限られ、普段は安静にしていることが求められる。必然的に身体を動かす機会も減り、体力は落ちていく。入院は身体を休めるのも目的の一つだから当然なのだが、退院時に失った体力がすぐに元に戻るわけでは無く、非常に苦労することになる。入院経験者の多くが実感するのも当然の話。
次いで多い意見は「(入院中は)暇、やることが無い」で33.0%。こちらも「体力が落ちた」同様、入院の意義の一つ「安静にして病症の回復を図る」のを考えれば仕方がない。仕事のストレスを起因とする病気で入院したにも関わらず、病室にまで仕事を持ち込んだのでは身もふたもない。
相部屋における問題点も目立つ。「同室患者のいびき」「同室患者のおしゃべりによるストレス」などが上位に確認できる。個室なら問題はクリアできるが、入院費が跳ね上がり、また空いていないことも多い。
金銭的な問題も少なくない。巨額になりうる「退院時の支払い」、「入院中の雑費の支払い」「収入が途絶えて生活が厳しくなった」などが目に留まる。
一方で「食事が美味しくなかった」が上位にあり、大きな問題として取り上げられている。しかし昨今では病院や病症による差はあるものの、昔と比べると病院食は随分と改善されている。むしろ健康的、かつ美味なレベルにまで達している病院食も多い。また「携帯電話使用可能エリアが少ない」については、「病院などでの携帯電話の利用ルール、新しい指針が電波環境協議会から発表」にある通り、先日医療機関における携帯電話使用に関するガイドラインが改定されたことを受け、今後状況は改善されるはず。
大よそ納得できる、入院経験者ならばうなづける話ばかりだが、一方で「お化けを見てしまった」という意見もあるのには驚かされる。2.0%とは結構高確率に違いない。環境的にも出やすく、特殊環境の中で精神的に不安定な状態ならば、錯覚もあるのだろうが……。
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