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選挙へ行き投票済証明書をもらおう

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 本日行われている衆議院議員選挙などの投票済証明書

法的裏付けはないが公的証明書な「投票済証明書」

衆参議院選挙や自治体の議員選挙などの際に交付される証明書「投票済証明書」。投票をした証明書のことだが、選挙関連の話としてあまり知られていない。それもそのはず、この「投票済証明書」は公職選挙法をはじめとした各種法令による定めが無い、法の裏付けの無い、任意の証明書である。よって文面、サイズなど様式はさまざまで、書類名も「投票済証明書」以外に「投票済証」「投票証明書」など色々な名称が用いられている。とはいえ、各自治体区の選挙管理委員会が発行した、公的な投票を証明する書類には違いない。

↑ 東京都練馬区の選挙管理委員会が今回の衆議院議員選挙などで発行した投票済証。サイズ比較用の500円玉から分かるように、官製ハガキより少々小さい程度のもの
↑ 東京都練馬区の選挙管理委員会が今回の衆議院議員選挙などで発行した投票済証。サイズ比較用の500円玉から分かるように、官製ハガキより少々小さい程度のもの

「投票済証明書」は投票行為を証明するもので、それ以外の効用は特にない。寄付行為をした時に受領できるお礼状のようなものだ。一方、投票をしないことには手に入らないので、選挙権を持つ人には唯一無二の存在であり、同時に投票日にしか手に入れる機会は無い。今風に言えば「レアアイテム」的なもの。額に飾っておけば選挙権を行使したことを立証できるため、自慢が出来る。

なお「投票済証明書」を受領するには、事前に郵送された「選挙のお知らせ」を投票所で係の人に渡す際に「投票済証明書が欲しい」と伝えること。こちらから意思表示をしないと手に入れることはできない。意志を伝えれば、すぐに用意してくれるはずだ(発行している自治体ならば)。

「投票済証明書」で色々得することもある

選挙権を行使した証として自分の誇りにするとともに他人にも自慢が出来る「投票済証明書」ではあるが、それに留まらない効用が得られる機会も増えている。主に投票率のかさ上げを推し進めるための啓蒙的行動で、昨今では若年層の投票率の低さが社会問題化していることもあり、とりわけ若年層向けの仕組みが展開される風潮が見受けられる。

↑ 第46回衆議院総選挙・年齢階層別投票率。若年層の投票率は低い
↑ 第46回衆議院総選挙・年齢階層別投票率。若年層の投票率は低い

例えば「投票済証明書」で検索すれば分かるのだが、地方によって「投票済証明書」の提示でさまざまな特典が得られる用意がなされている。例えば埼玉県秩父市宮側町の「みやのかわ商店街振興組合」では、今回の衆議院議員総選挙において取得した投票済証明書」を提示することで、商品の割引をしてもらえたり、飲食店で一品サービスが得られるなどの特典を受けることが出来る(「みやのかわ商店街」Facebookページ)

↑ 「みやのかわ商店街」ではFacebookページで告知の通り、「投票済証明書」でサービスを受けることが出来る
↑ 「みやのかわ商店街」ではFacebookページで告知の通り、「投票済証明書」でサービスを受けることが出来る

地域別の特典だけでなく、多数の人が集まるイベントでも証明書の提示でプラスαのサービスが用意される事例「も」ある。

一方、「投票済証明書」は発行の法的裏付けがないため、あるいは選挙投票の啓蒙と営利活動をリンクさせることは良くないとする意見もあることから、証明書の発行を行わない、あるいは取りやめる自治体もある。よってすべての投票所で得られるわけではない。さらには政治団体や労働組合が投票行為の確認のために流用(悪用)しているとの指摘もある。

「投票済証明書」が受け取れるか否かは、自分の属する自治体の方針次第であり、運的な要素もある。しかし手に入れることが出来れば、一生ものとなる事に違いは無い。特典を得られる機会も得られることもあわせ、是非とも投票所に足を運び、選挙権を行使して一票を投じ、「投票済証明書」を手に入れよう。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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