鉄道内での迷惑行為、最上位はやはりアレ
公共交通機関の中ではもっとも多くの人が使うであろう鉄道。その鉄道内において多くの人から迷惑だと思われているのは、どのような行為なのだろうか。日本民営鉄道協会が毎年調査・発表をしている、駅と電車内の迷惑行為ランキングの各種データから、実情を探ることにする。
今件では多人数が同時に参加する公共の場でもある駅や鉄道における、道徳・倫理の類を守らない結果、多くの人が迷惑を被るような「鉄道施設内における迷惑行為」について尋ねている。列挙されている事例のうち、自分が特に迷惑だと思う内容のものを3つまで挙げてもらい、その回答数を集計した結果が次のグラフ。最上位は「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」。ほぼ1/3の人が「迷惑だ」と感じている。
第2位は「座席の座り方」。要は足を大きく広げたり、姿勢を崩したり、あぐらをかくなどして、座席が想定したよりはるかに大きなスペースをとってしまい、他の人の着席を邪魔するような行為が該当する。さらには子供が靴を履いたまま座席に立つのも含まれる。
次いで多いのは「乗降時のマナー」。列に並ばずに横から入ったり、乗った後に扉付近に留まり、他の利用客の乗り降りを邪魔してしまう、車両内から出る人を待たずに乗り込んでしまう、さらには駆け込み乗車なども当てはまる。トップの「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」に加え、「携帯電話・スマートフォンの着信音や通話」「ヘッドホンからの音もれ」など、音に関する迷惑行為が多数上位に食い込んでいる。
これを回答者の性別に見ると、結構な違いが確認できる。
男性がもっとも迷惑を覚える行為は「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」。そして「座席の座り方」「乗降時のマナー」。ところが女性は「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」「座席の座り方」は変わらないものの、それに続いて「混雑した車内へのベビーカーを伴った乗車」が上位についている。これは自らが行為者となったわけでは無く、ベビーカーをよく使う立場にある、さらには子供を連れて外出する機会が多いからこそ、該当行動の迷惑さに目が留まり、気になってしまうのだろう(男性は第8位に留まっている)。
また男性は第4位にある「携帯電話・スマートフォンの着信音や通話」だが、女性では第11位と大きく後退している。こちらも女性のベビーカー同様、回答者自身による迷惑的な行為をしているよりむしろ、同じ利用状況にある・対象物を利用しているからこそ、その迷惑行為に至るような使い方が気になるものと考えられる。
最上位の「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」は6年連続のトップ。集団で電車を利用していると、ついテンションが高くなり、結果として大きな声を出したり、はしゃいでしまうこともありうる。しかし鉄道施設内は公共の場であり、他の人も利用していることを忘れてはならない。特に電車内は閉じた空間で、自分の声が周囲に届きやすいことを認識した上で、礼儀正しく使いたいものである。
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