高校生「スマホが9割、ノーパソ3割」キーボード離れが懸念される若年層の現状
スマートフォンの急速な浸透で若年層のパソコン、キーボード離れが懸念されている。その現状を内閣府が2015年2月に速報値を発表した「2014年度青少年のインターネット利用環境実態調査」から確認していく。今調査は2014年11月から12月にかけて、今件項目部分は満10歳から満17歳までの青少年に対し、調査員による個別面接聴取法に行われたもので、機器利用環境に伴う回答値のぶれは生じない。
次に示すのは調査対象母集団全体における、各種インターネットの利用が可能なデジタル機器の「利用率」。回答者が所有権を有していなくても(親から借りている、家族共用など)該当する。また設問では「あなたは、下記の機器を利用していますか」とのみ尋ねており、その設問で回答者が判断できる利用状況における値となる。大よそ現状において、一定頻度以上の割合で日常的に使っている人の割合と見て良い。
また単なる機器の利用状況であることから、インターネットへのアクセス機能を有していても、ネット機能を使っていない場合も該当する。例えば携帯ゲーム機はインターネットへのアクセスが可能だが、ネット機能を使わずに実媒体のソフト提供によるゲームのみで遊んでいる場合も該当する。
小学生で一番よく使われているのは携帯ゲーム機。次いで据え置き型ゲーム機、そして子供向けの従来型携帯電話が続く。スマートフォンはまだ1割程度。むしろタブレット型端末の方が利用率は高い。中学生でも携帯ゲーム機がもっとも使われていることに違いは無いが、スマートフォンが次点となり、携帯音楽プレイヤーがそれに続く。
高校生になると状況は一変する。利用率はスマートフォンがトップとなり89%。次いで携帯音楽プレイヤーが入り、携帯ゲーム機、そしてノートパソコンが続く。
今調査の調査対象母集団では高校生が一番年上であり、多くは大学生に連なる事になるため、一番大人に近い存在でもある。そこで現在の成人若年層の現状、あるいは今後の動向を推し量りやすいことから、高校生の値のみを抽出し、状況の再確認を行うために再生成したグラフが次の図。
スマートフォンの圧倒的な利用率、そしてパソコンがノートパソコンでも3割に留まり、デスクトップパソコンでは2割にも届かないのが現状。昨年から大学生などにおける、キーボードを利用した端末に慣れていない、パソコンを使いこなせないケースが増えているとの話がよく見聞きされているが、この実情を見ればそのような状況も理解はできる。
回答者が「利用している」との認識に至るレベルでのパソコンの利用は、デスクトップとノート、双方を単純に加算しても半数に届いていない。スマートフォンは9割近いので、インターネットへのアクセスはほとんどの高校生が経験し、容易に可能な状態にあるのだろうが、キーボードを使い、パソコンを利用するとのスタイルを日常的に行っている人は半数にも満たない。
インターネットの利用=スマートフォンによるアクセスが日常化していれば、キーボードの利用やパソコンの活用に難儀するのも仕方がない話ではある。
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