2014年度Q4の純増数トップはドコモに軍配が上がる
パワーバランスの変化
かつて電気通信事業者協会(TCA)が毎月月初に公開してきた、日本国内における携帯電話やPHSの契約数動向だが、2014年4月分以降は四半期単位で、しかも公開範囲をより限った形での情報公開へとスタイルを変えることとなった。直近値として先日TCAが発表した各種公開値によれば、2015年3月末時点の携帯電話の契約数は主要3社合計で1億4783万9700件(概算、以下同)となり、前四半期比で1.9%のプラスを示している。純増数ではNTTドコモが132万1500件の増加(3か月単位)で、主要3グループ中トップ。auは110万0000件で第2位、SBM(ソフトバンクモバイル)は36万5200件の増加で第3位に留まっている。
・携帯電話3社全体……1億4783万9700件
・事業者別
NTTドコモ……6659万5500件(+132万1500)
au(KDDIなど)……4347万8000件(+110万0000)
ソフトバンクモバイル……3776万6200件(+36万5200)
各社動向を公開間隔が四半期単位に変更後も同一グラフ内で示しているため、ややアンバランスな体裁ではあるが、2015年1月から3月においては、月次で報告が行われていた時には毎年3月に大きな増加が示されたことからも分かる通り、年度替わりに備えて機種刷新・新規契約が大量になされる時期にあたることから、各社とも前四半期から比べ大きな数の増加が見受けられた。
単純な比較はいくぶんのリスクがあるが、前年の同四半期3か月分の増減を月単位の増減数から試算し、契約数の増減に関する前年同四半期比を算出すると、NTTドコモはプラス39万7900件、auはプラス19万5000件、SBMはマイナス80万0200件となる。SBMが後退した分をNTTドコモとauが確保した形となっている。
無論3社とも上記の通り、前四半期と比べ契約数そのものは増加しているが、増加の勢いは明らかに変化が生じていることになる。
3社のシェア現状
契約数そのものは公開が継続されており、それを基に3社間のシェアに関する現状を算出したのが次のグラフとなる。
NTTドコモが最大数を維持しているのは以前から変わりないが、過半数はすでに割っており、SBMとauが合わさればNTTドコモを超える値を示す状況。四半期前の状況と比較すると、NTTドコモがプラスマイナスゼロ、auがプラス0.2%ポイント、SBMがマイナス0.3%ポイントとなっている(小数点第二位以下は四捨五入されるため、すべてを足し引きしてもゼロにはならない)。直近四半期の契約者数増減に関する動向を見る限り、iPhoneの取り扱い開始でNTTドコモも以前ほど他2社に後れをとるような状況では無くなっているものの、情勢を大きく覆すような事態にまでは至っていないのが実情。
今件の「携帯電話契約件数」も「重要な各社の勢力動向を示す指数」から「各社の勢力動向を示す指数の一つ」程度にまでウェイトが下がった感は否めない。しかし各事業者の動向が透けて見える今値が公開され続ける限り、その動きには引き続き注視する必要があるのだろう。
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