世界でもっとも携帯電話契約者数が多いのは12.8億人の中国
コミュニケーションのスタイルを大きく変化させたことで、人類史に確実に名を刻むであろう携帯電話。契約者数は今もなお増加中。その現状を国際電気通信連合(ITU: International Telecommunication Union)の公開データから確認していく。
今件は単純に、携帯電話の「契約者数」を数え、その上位国を並べたものである。例えばイタリアでは良く使われる手法であるが、SIMカードを使い分ける利用スタイルをすることで、一人で複数の契約をしている場合もある。その時は延べ人数としてカウントされてしまい、人口以上の値を示す国も生じてくる。
ITUのデータベースでは最古は2000年、最新は2014年の年次データが収録されている。そこで各値を抽出した上で2000年と2014年における上位陣をグラフ化する。
両グラフでは横軸の桁が「1ケタ違う」ことに注意してほしい。これは2000年からの14年間で、それだけ契約者数が増えた状況を表している。また、重複カウントの件はあるものの、1ケタ分携帯電話契約者が増えたことは、その分飛び交う情報量が増え、その情報に触れる人も増えている状況にあることを意味する。契約者間での情報の行き交いを考えると、飛び交う情報量は累乗的なものとなるはずだ。
さらに、新興国の普及率上昇は著しい。14年の間に順位にも大きな変動が生じているのが分かる。とりわけ中国とインドは他の国から抜きんでており、実人口同様に人海戦術モードに突入している。その伸び率、具体的には2000年から2014年に渡る成長率を算出しておく。
インドやパキスタン、バングラディシュなどの新興国の伸び率が高い。そしてなによりもナイジェリアの値が異様な状態にある。同国の2000年時点の契約者数は3万人、2014年では1億3896万人なのだから、これだけの値が出て当然。直近のITUのデータ(2014年分)では普及率は77.8%であり、今後さらに伸びそうな感はある。一方で3Gサービス加入者数は約1024.5万人(2013年9月)。大部分はシンプルな従来型携帯電話(フィーチャーフォン)を利用しているのが実情である。
携帯電話契約・利用者数の大小は、そのまま携帯電話を介して取り交わされる情報量の大小をも意味する。インターネットへアクセスができる端末なら、さらに「世界に情報を発信し、世界の情報を入手できる人」の数ともなる。
今後さらに携帯電話が普及し、インターネットへアクセスできる端末が増えてくれば、各国の動向、そして世界全体は大きな変化を遂げるに違いない。
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