おしゃべり中に携帯電話の操作行為、米国での認識は
携帯電話(従来型とスマートフォン双方)が普及し利用するのが当たり前となった昨今においても、会話など他人と直接相対している時の携帯電話の操作は、様々なトラブルを招きかねない。やりとりに興味が無い、集中をしていない、軽んじていると認識されるかもしれないからだ。一方で話の上での疑問点を素早く探し当てる、必要な情報を提示するなど、会話を盛り立てるツールとして有効活用できることもある。携帯電話による社会文化の上でも先を行くアメリカ合衆国では、リアルなやりとりの間における携帯電話利用に関するマナーは、どのような認識なのだろうか。今回は同国の民間調査会社Pew Research Centerが2015年8月に発表した、携帯電話と人々の日常生活の様相を調査した結果報告書「Americans’ Views on Mobile Etiquette」を元に、現状を確認していく。
次に示すのは友達や知人、仕事上での知り合いなど、複数人が集まり、やり取りをする場において、携帯電話を用いることに関し、どのような心境を抱いているか、体験しているかを確認したもの。携帯電話利用者以外も含めた、調査対象母集団全体に尋ねた、いわゆる一般論的な結果である。
雰囲気や会話そのものを損なうと考える人は8割超、そのような事は無いの意見は2割にも届かなかった。一方で、貢献するとの意見は1/3程度に留まっている。多分にケースバイケースでなのだが、報告書でも「概してダメージを与える」と解説されている通り、あまり良い感触は得られてない状況。
「集まりの際に携帯電話を使うことで雰囲気を損なってしまう、使うのは良くない」との想いは、歳を経るほど強くなる。
携帯電話の利用が実対面での集まりの雰囲気を損なうことがあるとする意見は40代までは3割程度で済んでいるのに対し、それ以降は4割、5割と底上げされていく。他方、貢献することは全く無いとする意見は歳を経るに連れて段階的に上昇していく。
そもそも論として歳を経るほど携帯電話を持っていない、所有していても多方面に活用していないから、(回答者と同程度の世代であることが多々考えられる)実対面の場では、歳が上になるほど役立つ使われ方はしない・されない。また、携帯電話を多用する社会文化に慣れていないこともあり、会話をさえぎる形で目の前で携帯電話を操作されることに不快感を覚えるのは、ある意味仕方がないのかもしれない。
とはいえ、若年層でも3割は、多人数が相対する場面での携帯電話操作が不快感をもたらすことが良くあると答えている。自分と直接話していない人でも、操作をしている様子を見ると、注力していない、明後日の方向に意識を向けている、そのような風に見えてしまう。あるいは授業中に居眠りをしたり隠れて漫画本を読むのと同じものとの認識の可能性も否定できまい。
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