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実際には朝刊はどれほど読まれているのだろうか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 新聞は今でもなお大切な情報源であり時間を有効に費やす友に違いないが

朝刊を毎日読む人は5割強

紙媒体としての新聞の発行部数が減少を続けているのは周知の事実。それでは実際に、どれほど読まれているのだろうか。この閲読頻度や属性別閲読傾向を、財団法人新聞通信調査会が2015年10月に発表したメディアに関する全国世論調査から確認していく。

まず最初に示すのは、朝刊の閲読頻度。「購入」頻度では無いので、自分では買ってはいないが会社や喫茶店で定期的に目を通したり、父親が通勤時に買った新聞を自宅まで持ち帰り、それを子供が読む場合などは、購入はしていないものの閲読したことになる。新聞の周知度、広報効果に関して「読みまわしをする場合も多々ある」との意見もあるが、今件データはそれを検証する上でも参考になる値。

↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(2015年度)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(2015年度)

朝刊を毎日読んでいる人は5割強。その多くは月極などの契約購読者と見て間違いないだろう。週数回の人は業界紙的な新聞を取っているか、あるいは通勤・通学時にスタンドなどで購入するタイプだろうか。週一以上で定期的に購入している人は70.2%。週一未満の人まで合算すると、購入していないが読んでいる人まで合わせて、大よそ3/4近くが朝刊を閲読していることになる。

他方、朝刊を読んでいない人は1/4強。「回し読みをしているから新聞の購入数の数倍は延べ閲読者数が居るはず(なので、実際の閲読者数は購読者をはるかに上回り、浸透率も高い)」との試算を思い返すと、やや大きな開きが生じている。

属性別に見てみると

続いて属性別の朝刊閲読者動向を確認していく。週一未満、つまり滅多に読まない人でも「とにかく朝刊を読んでいるのだから閲読者に違いない」とし、これを閲読者全体とした上で「読む人合計」とし、毎日読む人と合わせて属性別の動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(毎日読む人)(属性別)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(毎日読む人)(属性別)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(読む人合計)(属性別)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(読む人合計)(属性別)

まず毎日読む人だが、女性よりは男性、若年層よりは高齢層の方が読む人は多い。特に30代までは毎日閲読者≒契約購読者が非常に少ないことが分かる。他方、60代以降は7割以上が毎日閲読している。これが「頻度はともあれ新聞を読んでいる人」となると10代から20代でも4割近く、30代でも約5割となる。60代以降は約9割との圧倒ぶりが改めて確認できる。

ここ数年の傾向を見ると、大よその属性で小さからぬ減少が生じているのが分かる。特に20代から40代の減少ぶりが著しい。中堅層の新聞離れ、とでも呼ぶべき動きではある。一方10代はやや不安定な動きを示しているが、これは多分にイレギュラー的なもので、やはり20代以降同様に若年層特有の「新聞離れ」的な動向の中にあると見て良い。

ともあれ「回し読み」を考慮した閲読頻度の視点でも、「若年層は新聞を読まない」「シニア層は大いに新聞を好む」実態に変わりはない。該当者比率も「購読(買って読む)比率」と大きな違いは無く、多少上乗せされた程度でしかない。

幾分余談になるが、単純比較が可能な、もっとも古い計測値の2009年度分と直近2015年度分を比較し、その減少分を算出した結果が次のグラフ。各属性でどれほど新聞の閲読者数が減ったかを大よそ知ることができる。

↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(2009年度→2015年度)(減少%ポイント、属性別)
↑ 新聞(朝刊)の閲読頻度(2009年度→2015年度)(減少%ポイント、属性別)

毎日読む人、つまり大よそ契約購読者は中堅層で大きく減り、新聞の閲読そのものから離れてしまった人は若年層から中堅層まで幅広く、特に若年層に多い。新聞そのものに対する現状の評価状況や情報取得媒体としての新聞の相対的立ち位置の変化と、それに取って代わっているであろうウェブ関連の浸透が進んでいる属性を考慮すると、大よそ納得のいく動きではある。特に70代以降の鉄板的な堅甲さ(70歳以上の「読む人合計」の減少%ポイントはマイナス0.7%ポイント、つまり閲読頻度は増加している)を見るに、改めて新聞のシニア層における人気ぶりに感心せざるを得ない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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