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「結婚しなければ良かった/人生を返して」がトップ・夫婦間認定のNGワードとは

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 仲の良い夫婦間でも超えたらアウトな一線が。そこを間違えると…

夫婦間でも「それは禁句」なNGワード

夫婦の間柄ではある程度の厳しい言葉でも許容できるようになるが、そのような関係でも「それ言ったらアウト」的なNGワードは存在する。そのアウトと認識している言葉、さらには実際に相方から受けた言葉の実態を、ゲンナイ製薬が2015年11月に発表した調査結果「夫婦の関係と夫婦の会話に関する調査」(2015年9~10月、配偶者の居る20歳以上の男女を対象にインターネット経由で実施。有効回答数は1000人。男女比、10歳区切りの世代区分で均等割り当て)から探る。

夫婦関係になると、お互いの間での言葉のやり取りに関する「臨界点」は多少制限が甘くなる。しかしそれでもなお、「これは口にしたらアウト」的な内容のものは存在する。該当しそうな言い回しを列挙し、その通り、語ったら終わりだと思うものを複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。

なお質問の設定では「パートナー(夫・妻)の口から発せられたら、終わりだと思うセリフ」とのみ説明があり、どのように「終わり」なのか具体的な事案までは説明されていない。しかし「キレて反論しても良い」「相手をキライと思うチップを一枚上乗せする」「他人行儀モードに移行しても良い」的なものと考えて良いだろう。

↑ もしも配偶者の口から発せられたら、終わりだと思うセリフ(2015年9月、複数回答)
↑ もしも配偶者の口から発せられたら、終わりだと思うセリフ(2015年9月、複数回答)

トップは「結婚しなければ良かった/人生を返して(結婚を後悔)」で46.6%。要は結婚関係にある状況を否定するような発言。これがNGワードのトップにつくのも十分理解はできる。

次いで多くの同意を得られたのは「触れないで!/生理的に無理(スキンシップを拒否)」で36.4%。単なるふれあいか、それ以上の行為を求めているのかまでは解説が無いが、何か汚らしいものに認識されているような感すら覚え、夫婦関係に無くとも大いに失望する言葉に違いない。

その次に来るのは「誰の稼ぎで生活していると思っている!(稼ぎをかさに着て強く出る)」で29.1%。男女別回答率は掲載されていないが、多分に女性が男性に対し「語られたらオシマイだな」と認識している言葉だと思われる。一つ飛んで第5位の「稼ぎが少ないくせに!(収入を批判)」はその逆の立ち位置的言い回し。いずれも語られた方はグゥのねも出ない、自らも否定的に認識している事柄なだけに、ダメージも大きなものとなる。

家庭周りの話、「家庭の事はあなたの仕事(家事の押し付け)」「なんでいるの?/一人にして(邪魔者扱い)」「家事が下手・手伝いが邪魔・飯がまずい(家事の出来栄えを批判)」はさほど高い値では無い。1割程度に留まっている。苦言には違いないが、NGワードまでの認識では無いということか。

実際に言われた事があるのは…

それでは実際に配偶者から言われたことがあるNGワードにはどのようなものがあるのだろうか。

↑ 実際に配偶者から言われたことがあるNGワード(2015年9月、複数回答)
↑ 実際に配偶者から言われたことがあるNGワード(2015年9月、複数回答)

回答時点で夫婦関係は維持していることから、離婚にまでは至らなかったものの、深い傷を心に、あるいは配偶者との絆に受けた言葉のトップは「出ていけ/実家に帰る(別れをにおわせる、宣言する)」で15.9%。トップで2割足らずであることから、さすがに不仲の引き金を引きかねない致命的な言葉はあまり語られていないようだ。さらに夫婦間のみならともかく、子供が居る前でこのセリフが交わされると、子供には大きなトラウマとなるため、十分以上の注意が必要になる……というよりは、語らないのが一番。

次いで多いのは意外にも、相方の親を否定するような発言。これが1割強。親と同居しているか否かの仕切り分けは成されていないが、多分にそのような環境下、あるいはそれに近い状況での発言と思われる。そして次に「誰の稼ぎで生活していると思っている!(稼ぎをかさに着て強く出る)」が入る。

「デブ・ブス・ブサイク(容姿を批判)」は第4位で9.0%。NGワードと認定されるランキングでは下位層にあるが、実際に語られた言葉としては上位につく。

注目すべきは回答者の「自分の夫婦生活が円満だと認識しているか否か」別。円満認識している人では、相手からNGワードを語られた経験は押し並べて低く、円満で無いとの認識回答者では高い値を示している。特に「出ていけ/実家に帰る」は4人に1人以上、親の否定は2割以上、「誰の稼ぎで生活していると思っている!(稼ぎをかさに着て強く出る)」も2割近くが配偶者から言葉を受けた経験を持っている。

不仲だと認識してしまう要因の一つとして、このような言葉を受ける、そして恐らくは交し合う状況があることは容易に想像ができる。NGワードを自覚し、口に出さないだけでも、あるいは夫婦円満につながるきっかけとなるかもしれない。無論口に出したくなるような状況で黙っていることは、それだけストレスにつながり、色々なマイナス面をもたらすことになり、別の弊害が生じうる(健康面の悪化、子供をストレス発散の窓口にしてしまう、他の不審行動に走るなど)ので、一概には言い切れないのではあるのだが。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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