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「ハマりすぎるとヤバイ」自覚されている趣味のトップはゲーム

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ ゲームは楽しいけれど過度にのめり込むと……

心地よさを与えてくれる趣味やレジャー。だが過度に熱中すると他への注意が散漫となり、リソースが削られ、結果として人生全体の満足度が減ることもある。ハマりすぎるのが危険だと認識されている趣味、つまり個々の人が考えている「(面白い、興味を引かれるが)はまりすぎると人生の満足度が低下してしまいそうな対象」を、PGF生命が2015年12月に発表した「人生の満足度に関する調査」(2015年10月30日から11月1日にかけて20歳から79歳の男女に対してインターネット経由で実施。有効回答数は2000件。男女比、年齢階層別構成比(10歳区切り、60代と70代はひとくくり)で均等割り当て)の結果から確認していく。

今調査対象母集団において、回答者の人生における満足度を高めてくれそうな趣味・レジャーのトップは「旅行」だった。次いで「パソコン」「グルメ」が続いている。

↑ 自分の人生の満足度を向上させていると思うもの(複数回答)
↑ 自分の人生の満足度を向上させていると思うもの(複数回答)

他方、これらの趣味・レジャーはその楽しさ、快楽度ゆえに、没頭のし過ぎで他の面にマイナスを生じさせ、結果として人生そのものの満足度が低下するリスクもある。スマホアプリに夢中になりすぎて、プレイにおける達成感は得られるものの、健康面や成績面、金銭面では満足度が低下してしまうのが良い例。表現方法を変えれば、他のあれこれにまで影響を及ぼしそうな、過度の中毒性のある趣味といえる。これについて、回答者の認識を複数回答で聞いた結果が次のグラフ。

↑ はまりすぎると自分の人生の満足度が低下しそうだと思うもの(複数回答)
↑ はまりすぎると自分の人生の満足度が低下しそうだと思うもの(複数回答)

具体的項目で最大値を示したのは「ゲーム」の23.1%。次いで「SNS(ソーシャルメディア)」で18.8%。上位2項目がスマートフォンやパソコンなど、デジタル系の対象で独占される形。次いで「アイドルなど」が入り、さらにその次に再び「携帯(従来型、スマートフォン)、タブレット」が入る。「パソコン」まで合わせ、デジタル系のハード・ソフトへの過剰なのめり込みに対する危機感、歯止めの効かなさ、あるいはそれほどまでの魅力のありようが改めて認識できる結果となっている。無論今調査がインターネット経由であることも少なからず影響しているが。

他方、「該当なし」の回答率も4割強に達している。これが「特に人生の満足度が低下しそうなほどはまるものは無い。自分は適切な自制が可能である」なのか、それとも「列挙されているもの『以外に』ドハマりしそうなものがある」を意味しているのかまでは分からない。とはいえ、大よそは前者なことは予想できるため、4割ぐらいは自制心を持つと自覚していると見ても良さそうだ。実際に自制できるか否かは定かでは無いが。

これを回答者の世代別に確認したのが次のグラフ。

↑ はまりすぎると自分の人生の満足度が低下しそうだと思うもの(複数回答)(年齢階層別)
↑ はまりすぎると自分の人生の満足度が低下しそうだと思うもの(複数回答)(年齢階層別)

「ゲーム」がリスク高いことへの認識は歳と共に上昇するのに対し、「SNS」は減少すること、「パソコン」は高い値を維持し続けていることなど、デジタル系の趣味に対する「中毒への懸念」の違いが表れており興味深い。歳をとると醒める趣味(「アイドルなど」のような非デジタル系は大よそこのパターン)と、逆に熱が入る趣味があることは、知っておいても損では無い。

ちなみに人生の満足度の観点で、「満足度が向上する」、そして今件の「熱中し過ぎると満足度が低下する可能性がある」双方の趣味を併記すると次の通りとなる。

↑ 趣味趣向と自分の人生の満足度の関係(複数回答)
↑ 趣味趣向と自分の人生の満足度の関係(複数回答)

「満足度向上」より「過度は満足度低下?」の値が大きい項目は、中毒度が高いので要注意と見ることもできる。具体的には「ゲーム」「SNS」「アイドルなど」「携帯・タブレット」が該当するが、色々とうなづける事例が頭をよぎる。

逆に「満足度向上」の値が「過度は満足度低下?」を大きく上回っている「パソコン」「旅行」「グルメ」「ドラマ・映画」「音楽」などは、比較的安全…と表現するよりは適度に熱中できる趣味と見ると、なるほど納得もできる次第ではある。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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