Yahoo!ニュース

小中高校生はスマホで毎日どれ位ネットを利用しているのだろうか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 寝るまでのリラックスタイムはスマホ時間オンリーとの人も多いかも

多種多様な機能の実装とコミュニケーションツールとしての有用性、機動力の高さは、まさに魔法のカードと表現しても過言では無いのがスマートフォン。その魅力のとりことなり、毎日何時間も画面に向かう子供の様子を見て、不安を覚える親も多いだろう。現状の小中高校生における平均的な利用時間の実態を、内閣府が2016年3月31日付で確定報を発表した「平成27年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(満10歳から満17歳までの青少年対象)の結果から探る。

今調査対象母集団におけるスマートフォン(普通のもの。格安スマホなどは除く)を用いたインターネット利用率は小学生14.6%、中学生37.6%、高校生89.8%となっている。

↑ デジタル機器利用状況(2015年11月~12月、小中高校)(複数回答)(該当機器でインターネットを利用)(主要機種・学校種類別)
↑ デジタル機器利用状況(2015年11月~12月、小中高校)(複数回答)(該当機器でインターネットを利用)(主要機種・学校種類別)

次に示すのは「スマートフォンでインターネットを利用している人」における、平日の平均的なスマートフォンによるインターネット利用時間。「未使用」が存在するのは、今件回答が平日の平均時間であるため。土日にのみスマートフォンでインターネットを利用する人も「スマートフォンを使ったインターネット利用者」に該当することから、今件調査項目の回答者に該当する一方、平日の利用時間はゼロとなる次第。

なお今件における「インターネットの利用」とはインターネットを利用してサイトやコンテンツを見たり、文章を書き込むことを指す。インターネットを利用せずに、機器の機能を使っている時間は含まない。また「ながら」利用であるか否かは問われていないので、例えばテレビを観ながらスマートフォンを操作している時間も該当する。

↑ スマートフォンによるインターネット利用者における平日の平均インターネット利用時間(2015年11月~12月)
↑ スマートフォンによるインターネット利用者における平日の平均インターネット利用時間(2015年11月~12月)

青系統ほど短時間、赤系統ほど長時間となるように配色したが、大よそ学校種類が上になるに連れて赤系統が増える=時間が伸びているのが分かる。平日で1日2時間以上の利用者は赤系統となるが、小学生は約2割、中学生は約5割、高校生では7割程度にまで増える。男女差はあまり出ていない。

この動向を、平均時間で確認できるのが次のグラフ。

↑ スマートフォンによるインターネット利用者における平日の平均インターネット利用時間(2015年11月~12月)(平均時間、分)
↑ スマートフォンによるインターネット利用者における平日の平均インターネット利用時間(2015年11月~12月)(平均時間、分)

小中高校生と綺麗な形で利用時間が伸びている。また男女差はほとんど無く、性別を問わずにスマートフォン利用者は平日から多分にインターネットを利用していることが分かる。高校生は2時間強。ながら利用が含まれるとはいえ、1日の起きている時間のうち1/6程度をスマートフォンのネット利用に費やしている計算になる。

今件はあくまでも「スマートフォンでインターネットを利用している人」限定の値だが、平日でも小学生で1時間以上の利用は、衝撃を覚える人もいるかもしれない。高校生の2時間強は通学時間や就寝までのリラックスタイムを割り当てれば十分に確保できるが、他のあれこれはほとんど手をつけられなくなる。また2割以上が1日4時間以上の利用を回答しているのも驚き。十分な睡眠時間を取っているのか、心配になる人も多いに違いない。

■関連記事:

ネットの平均利用時間は中学生1時間52分、高校生2時間3分。そのうちチャットやソーシャルメディアは何分ぐらい?

趣味や娯楽のインターネットはいつごろ使われているのだろうか

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事