「禁煙したいですか?」喫煙者に聞きました
たばこを吸っている人の少なからずは、できれば吸うのを止めたいのだが、意思の弱さなどさまざまな理由でそれがかなわないでいる。実際には喫煙者のどれほどが禁煙したいと考えているのだろうか。厚生労働省が2016年4月に発表した「平成26年国民健康・栄養調査」(2014年11月実施。調査実施世帯数は3648世帯で、調査方法は調査票方式)の詳細データから、その実情を確認していく。
今調査の結果によると、男性で32%、女性で9%が習慣的に喫煙をしている(たばこを「毎日吸っている」または「時々吸う日がある」と回答している)。
そこでこれら習慣的喫煙者の人に、禁煙あるいは減煙の意思があるか否かについて、やめたい・本数を減らしたい・やめたくない・分からないのうち択一で答えてもらった結果が次のグラフ。男性では59%、女性では63%が禁煙あるいは減煙を望んでいる。
元々習慣的喫煙者は男性の方が人数・比率共に大きいため、男性全体・女性全体と比較すれば男性の方が禁煙・減煙希望者の人数も多くなるが、少なくとも習慣的喫煙者に限って割合を確認すると、女性の方が禁煙・減煙合わせた希望者も、禁煙希望者に限っても値は高くなる。
面白い動きとしては、男性は若年層ほど禁煙・減煙希望者は低率で、歳を経るほど高い値となるのに対し、女性は禁煙・減煙希望者を合わせた値は50代までほぼ同率で推移し、60代以降で漸減をする点が挙げられる。男女で禁煙・減煙に関する歳を経ての姿勢変化はまったく逆の動きとなる。男女の喫煙に対する姿勢の違いが透けて見えてくる。
姿勢の違いといえば男性は喫煙希望者は少なめで、減煙希望者率の方が多い(70歳以上以外)。しかし女性は禁煙希望者の方が多い。これもまた、禁煙に対する男女の意思の違いだろう。
今調査では「以前は喫煙していたが1か月以上吸っていない人(禁煙中者)」の割合も確認できる。これは全体に占める値で、現在喫煙者に対する比率では無い。また喫煙を止めた理由も問われていない。次に示すのは各属性に占める禁煙中者の割合と、禁煙中者の人数が常習的喫煙者の人数の何%に当たるかを算出したもの。大よそではあるが、どれぐらいの人が喫煙から禁煙にシフトしたかを知ることができる。
男性は元々喫煙者率も高いことから、禁煙している人の割合も高い。しかし男性はほぼ歳と共に禁煙者率も、「禁煙中人数÷習慣的喫煙者人数」の値も増加していくのに対し、女性は法則性のようなものを見出しにくい状況となっている。男性は歳に連れて禁煙に走る人が増えるものの、女性は歳とはあまり関係がないようだ。
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