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テレビの買い替えはどれほどの割合の世帯で行われたのか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ テレビの買い替えは毎年一定の割合の世帯で行われるが……

耐久消費財とて永遠に稼働するはずもなく、また引越しやモデルチェンジに合わせて買い替えが行われることになる。耐久消費財の代表格であるカラーテレビについて、買い替えの実情を、内閣府が2016年4月に発表した消費動向調査の公開値をもとに確認していく。

次以降に示すのは「該当年に買い替えをした経験がある世帯」。これには買い替え台数などは考慮されていない。例えば1世帯で複数台のテレビの買い替えをした場合でも(兄弟別々の個室向けのテレビを一緒になどの事例は十分ありうる)、世帯上では1世帯の買い替えと見なされる。また、耐久消費財の調達には買い替え以外に新規購入の事例もあるため、各値がそのまま対象の耐久消費財の需要の増減と連動するとは限らない。もちろん多分に類似連動性は考えられる。

まずはカラーテレビの買い替えをした世帯比率。例えば2016年は6.4%とあるので、全世帯の6.4%がカラーテレビを買い替えしたことになる。繰り返しになるが、台数は問わず、新規購入は別勘定。

↑ カラーテレビ買替世帯率(総世帯、世帯単位)
↑ カラーテレビ買替世帯率(総世帯、世帯単位)

2014年は消費税率引上げ前の駆け込み需要の恩恵を受け、買い替え率はいくぶん高め。それ以降は毎年買い替え世帯数比率は漸減している。地デジ導入前後の値を知りたいところだが、残念ながら「消費動向調査」の2013年以前のデータでは該当値は存在しない。

これを買い替え理由別に細分化すると次の通り。

↑ カラーテレビ買替世帯率(総世帯、世帯単位)(買い替え理由別)
↑ カラーテレビ買替世帯率(総世帯、世帯単位)(買い替え理由別)

2014年における税率アップ前の駆け込み需要の場合は多分に「その他」が該当する事になるが、それを理由に買い替えをした世帯は「全世帯のうち」2.2%。大よそ45世帯に1世帯。やはりテレビは故障による買い替えが多く、直近の2016年では全世帯のうち3.5%が故障を理由に買い替えている。

最後は直近となる2016年における世帯(主)・主要属性別の買い替え率。例えば29歳以下の値は9.9%とあるので、29歳未満の世帯主(単身世帯も含む)の世帯では、1割近くの人が過去1年間にテレビを買い替えたことになる。

↑ カラーテレビ買替世帯率(総世帯、世帯単位、属性別、2016年)
↑ カラーテレビ買替世帯率(総世帯、世帯単位、属性別、2016年)

属性別では女性世帯主の方が買い替え率は高い。また年収別では差異は見られないが、世帯主の年齢階級別では中堅層以降は高齢世帯ほど買い替え率が高い。やはりテレビに関する需要は歳を経るほど高まるようだ。

テレビの高性能化に伴い、利用年数も伸びており、今後はテレビの買い替え需要(新規購入も合わせた単純な需要を意味しない)も逓減してくる可能性がある。来年以降も逐次データを収集し、その経年変化から、カラーテレビの需要の一側面を推し量りたいものだ。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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