高校2年生は平均2時間16分…小中高校生の携帯・スマホ利用時間実態
多様な機能を実装し魔法のアイテム的な存在に違いない携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォン)。好奇心旺盛な子供達の利用実情を、少年教育振興機構が2016年5月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」(2015年2月から3月にかけて各学校(小学校は1年から6年まで各100校ずつ、中学校は2年生対象に150校、高等学校は2年生対象に150校)への調査票発送・返信による回収方式で実施。有効回答数は学校数が851、子供の回収数が18031件、保護者が15854件)報告書の結果をもとに、利用時間から確認していく。
次に示すのは、回答者自身の携帯電話の利用時間を尋ねたもの。平日・土日の仕切り分けは無く、回答者が日々の生活の中で認識している平均利用時間を答えてもらったものとなる。また利用内容は問われておらず、ゲーム、ソーシャルメディアの利用、メールでのやり取りなどすべてを含む。さらにインターネットへの接続の有無も関係無し。「ながら利用」に関する説明も無いので、テレビを見ながらスマートフォンを操作しているような状況でも、回答者の自覚があれば「利用している」時間に該当する。
なお回答時には該当機種の所有の有無は問題とされていない。携帯電話を持たず保護者からも借りていない人は当然「全く無い」の回答を選択する。よって多分に、それぞれの学年における携帯電話の普及率が、各値にも影響を与えることになる。
小学生は携帯電話を持たないケースが多いことから、「全く無い」との回答が4割から5割を占める。しかしながら学年が上がるに連れて確実に利用する機会を得る人が増え、長時間利用する人も増えていく。興味深いのは「1時間未満」、つまり利用する機会はあるがあまり利用しない人の割合はさほど変化せず、長時間利用する人が増える構図を有していること。
中学生になると実質的な非保有率は3割強にまで落ち込み、短時間利用者も2割足らずに減る。平均利用時間も1時間を超え、3時間以上の利用者も2割を突破する。
高校生は非保有者がほとんど無く、短時間利用者も1割強。8割強は毎日1時間以上利用し、2時間以上でも6割近く、3時間以上でも1/3を超える。ながら利用が多分にあるとはいえ、休日だけでなく平日も合わせた平均利用時間が3時間超は、驚きを覚える人もいるかもしれない。
概算平均利用時間を男女別に試算すると次の通りとなる。
小学5年までは男女の差異はほとんどない。ところが小学6年になると女子の方が長くなり、中学生以降はさらにその差が開くことになる。今件は単に「利用している」であり、具体的に何を使っているかまでは問われていない。今調査の別項目における結果によれば、携帯電話に限らないが、デジタル系ゲームのプレイ時間は男子の方が長くなる傾向がある。
デジタル系ツールを用いて子供が行うことといえば、ゲームやコミュニケーション系サービスがメイン。そのうちゲームの利用時間は男子の方が長いとなれば、多分に女子は男子よりもソーシャルメディアなどに注力したため、今件のような「利用時間は女子の方が長くなる」結果が出たとのつながりは、容易に想像ができよう。
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