トップは東京都の62%…都道府県別スマートフォン利用率動向
スマホ普及率の都道府県別動向
加速度的に普及しつつあるスマートフォン。その普及度合いはどの地域でも同じなのか、それとも地域特性があるのか。総務省の統計調査「通信利用動向調査」の結果から確認していく。
次に示すのは同調査の公開値を元に都道府県別の「スマートフォンでインターネットを利用している人」(6歳以上)の比率を算出したもの。全体では54.3%、最高値は東京都の62.1%、最低値は青森県の42.7%。19.4%ポイント・1.45倍もの差が出ている。
神奈川県・東京都などの関東圏、大阪府・滋賀県などの近畿圏、福岡県などの九州北部圏など、人口密集地帯・都市地域で高い値を示している。一方で、それ以外の地域のうち、人口が比較的少なめな都道府県では値が低く抑えられている感はある。
他方、もっとも低い青森県でも42.7%と4割を超えている。ほんの数年前までは「未来の携帯電話」「持っている人を見かけるのは滅多にない」「電車内で操作していると羨望のまなざしを多方向から感じ取れる」状況だったスマートフォンの利用率とは考えられない値に違いない。
上位・下位地域の確認
上記グラフは各都道府県の動向を知るのには役立つが、上位陣・下位陣を探すのには少々難儀する。そこで並べ替えをして、上位10位、下位10位のものを生成した。
最上位は東京都の62.1%なのは上記の通り。次いで神奈川県の60.7%、千葉県の58.0%が続く。関東地域をはじめ、人口密集地帯(=人口比率的に若年層が多い地域)が上位を連ねている。
一方で下位は青森県の42.7%をはじめ、高知県、山口県のような、比較的人口比率で高齢層が多い地域が名前を連ねている。スマートフォンの所有・利用は年齢属性との関係が深いことを考えると、この動向は理解もできるものだ。
前年からの変動は
次に示すのは前回調査となる2014年末分の値から、今回の2015年末の値における、1年間の変移を算出した結果。
前年比で上昇%ポイントが上位10位の都道府県を赤で着色したが、今回は宮城県、茨城県、千葉県、石川県、静岡県、和歌山県、福岡県、鹿児島県、沖縄県と多数に登る。人口密集地帯そのものではなく、その周辺、近郊地域で大きく伸びているのが確認できる。大都市圏からその周辺にスマートフォンの浸透が進んだ感はある。
今回計測年で全体でも5割を超えたスマートフォンによるインターネット利用率。この値が上昇を続けるに連れて、インターネット界隈そのものはもちろんだが、周辺、関連する業界もまた、大きな変化に相対するに違いない。
■関連記事: