インターネットでのネットショッピング、レビューはどこまで影響するのだろうか
今や必要不可欠な存在のインターネット上のショッピングサイトを用いた通信販売、ネットショッピング。他購入者などの感想(レビュー)を読めるのも長所。ではそのレビューはどこまで買い物に影響しているのだろうか。総務省が2016年8月に発表した2016年版の「情報通信白書」の公開値をもとに、その実情を確認していく。
今件の該当部分となる調査は2016年3月にインターネット経由で20歳から70歳未満の男女に対して行われたもので、有効回答数は2723人。10歳区切りの年齢階層区分でほぼ均等割り当て。各年齢階層の男女比はほぼ均等割り当て。
次に示すのは調査対象母集団(インターネット利用者)のうちネットショッピングサイトを利用する人における、レビューの参考度合い。特定サービス名は提起していないので、サービス全般の利用の際の回答者自身の普段の行動性向が回答に表れていると見て良い。
大よそ若年層ほどレビューを参考にする人が多く、高齢層ほど少ない。「どちらとも言えない」との回答は年齢によって変わるところは無い。若年層ほどレビューに強い影響を受けるようだ。しかしながら60代でも7割近くの人が、ある程度以上はレビューを参考にすると答えている。
それではレビューを読んで参考にする際に、どのような点を主に重要視するのか。いくつか選択肢を提示し、もっとも重要度の高いものを答えてもらった結果が次のグラフ。
若年層ほど情報量の多さや新しさを優先し、高齢層ほど信頼性を重要視する。また、少数ではあるが評価の数量的な分かりやすさも高齢者は好む傾向がある。
ウェブ上の情報は概して、量の多さやスピード感、速報性を求める声が大きいとはよく聞かれる話ではあるが、それはネットショッピングにおいても変わるところは無い。ただし年上の人になると、情報の多さや素早さよりも、信頼性にウェイトを置くようになる。興味深い傾向には違いない。
では実際に、レビューに目を通した結果、実商品の購入を決定したことがあるのだろうか。
高齢者ほどレビューに影響されて購入した機会は無い、少ないとする回答率は高い。ただし今件では「これまでに何回利用したか」については問われていないので、あくまでも絶対数においての話でしかないことに注意する必要がある。これまで10回ぐらいしかネットショッピングを利用したことがない人で5回未満でも数回ならばかなりの高率だが、1000回以上利用している人ならばわずかでしかないことになる。若年層の「何度もある(5回以上)」の回答率の高さは、多分に利用回数の多さによるものとの解釈もできよう。
とはいえ、60代でも3割近くは5回以上、半数近くは5回未満ながらも、レビューに影響されて商品を購入したと回答している。レビューが購入を後押しする力は多分にあると見て間違いない。
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