10代の固定電話使用率、平日1%足らず・20代でも3%台
1%にも満たない10代の平日・固定電話使用率
意志疎通に使われるメディアは技術の進歩とともにその主役の座が目まぐるしくシフトしつつある。総務省の調査「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2015年11月14日から11月20日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリングによって抽出し、訪問留置調査方式により実施。13歳から69歳の1500サンプルが対象。アンケート調査と日記式調査を同時併行で実施し、後者は平日2日・休日1日)の結果をもとに、固定電話や携帯電話、ソーシャルメディア、電子メールなどの利用実情を探る。
次に示すのは平日におけるコミュニケーションメディアの平均行為率(どの程度利用されているか)。例えば10代のソーシャルメディアの値は53.6%とあるので、10代の5割強は平日において、ソーシャルメディアを使ってコミュニケーションをしている計算になる。また、これらのツール以外にもコミュニケーション手段は存在する(直接口頭、手紙、貼り紙など)ことにも留意する必要がある。
全体では約半数が電子メールを用いている。利用ハードルが低く、パソコンだけでなく携帯電話(従来型とスマートフォン双方)も該当するため、利用者が多いのも当然の話。それに続きソーシャルメディア、そして携帯電話(通話)と続く。固定電話(通話)、インターネット通話(Skype、LINEなどの音声通話(ビデオ通話含む))の利用者率が低めなのは、利用ハードルが高いことに加え、導入者自身が少ないことも一因として挙げられる。当事者が導入していても、意思を伝えたい相手の環境が整っていなければ、意思疎通の手段としての利用は不可能。
年齢階層別に見ると、コミュニケーション系メディアの世代間格差、様態の違いの大きさが改めて認識できる。10代はソーシャルメディアが一番多く、そこから随分と値を落とす形で電子メールが続き、ネット通話と携帯電話がどうにか顔をみせる。固定電話は0.4%。1%にすら満たない。
20代になると電子メールの利用率もグンと上がるが、まだソーシャルメディアの方が利用率は上。しかも10代以上に使われている。また、携帯電話による通話も2割近くにまで上がる。ビジネス面で使う事例も増えるからだと考えれば納得はいく。しかし固定電話は今なお4%にも満たない。
30代以降は電子メールとソーシャルメディアの順位が逆転する。そして電子メール以外のデジタル系メディアの利用が減り、固定電話の利用がわずかずつだが増えていく。興味深いのは携帯電話の通話利用が高止まりしていること。シニア層においても、携帯電話を介した通話の手法は十分に普及していることを意味している。また、シニア層ではデジタル系でも電子メールはそれなりに使われており、注目に値する。
休日にはさらに活性化する若年層のコミュニケーション
今件は休日でも調査が行われ、結果が公開されている。そこで休日の動向と、さらに平日との差異を算出した結果をグラフ化する。
10代は全般的に利用率が増える。平日では学業などで多忙なために知人とのコミュニケーションを行う時間的余裕が無かった分、休日に活性化するところだろう。特に相手の時間を拘束する、ネット電話や携帯電話での通話の利用機会が増えているのが特徴。固定電話もわずかながら増える。メールの時間も増えているが、長文でのやり取りが成されているものと考えられる。
一方20代以降になると電子メールの利用率が大きく下がる。また固定電話の利用率も落ち込みを見せている。これは多分に、平日のこれらのメディア利用が就業によるもの、または就業場の端末を利用していたことを示唆する動きと考えられる。仕事では電子メールで連絡をするため利用することになるが、プライベートでは使わないために利用率がその分落ちる次第である。プライベートでは使う事例が多いからか、ソーシャルメディアの利用率が上昇している世代も複数で見受けられるのも、公私を使い分けている様子を想像させるというものだ。
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