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学生・生徒らのソーシャルメディアや共有サービスの利用実態

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 急速に浸透するスマホでソーシャルメディアや共有サイトを活用する学生たち

LINEは8割、ツイッターは約6割

スマートフォンの急速な普及に伴い、学生などの間にもソーシャルメディア、そしてそれに類する動画や画像の共有サービスが浸透しつつある。その実情を総務省の調査「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2015年11月14日から11月20日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリングによって抽出し、訪問留置調査方式により実施。13歳から69歳の1500サンプルが対象。アンケート調査と日記式調査を同時併行で実施し、後者は平日2日・休日1日)の結果の公開値から確認していく。

次以降に示すのは、各サービスの利用をどの種類の端末から行っているかに関する回答値。回答時点で該当サービスを閲覧しているか、書込みや投稿をしているか、そして利用する際の端末はパソコン(PC。ノート、デスクトップを問わず)か、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンを問わず)かについて尋ねている。

さらに今回の対象となる年齢は特に記載されていないが、職業区分で「学生・生徒」とあり、今調査の調査対象母集団自身が13歳以上なので、中学生から高校・大学(院)、さらには短大や専門学校生も含めた学生や生徒であるとする(中高生は「生徒」で、大学生などは「学生」である)。

↑ 主要ソーシャルメディアの利用状況(複数回答)(2015年、学生・生徒、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ 主要ソーシャルメディアの利用状況(複数回答)(2015年、学生・生徒、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ 主要ソーシャルメディアの利用状況(複数回答)(2015年、学生・生徒)
↑ 主要ソーシャルメディアの利用状況(複数回答)(2015年、学生・生徒)

学生などに限ればLINEが8割の利用率でトップ、次いでツイッターが6割強、FacebookとGoogle+は3割近く。mixiは8.3%のみ。

端末種類別利用率だが、パソコンは良くてツイッターの1割強でしかなく、LINEは1割足らず、Facebookも数%。携帯電話(多分にスマートフォン)経由の利用が圧倒的に多い。また利用スタイルもサービスの機能により大きく異なり、LINEは読み書きがほぼ同率で携帯電話経由が圧倒的、ツイッターはやや閲覧の人の方が多いが、パソコン経由の利用者はLINE以上に達する。やや意外なのはFacebookで、パソコン経由の利用者は少なめ。

また全般的に携帯電話経由の閲覧利用者が多いのも特徴の一つ。スマートフォンがあれば大よそのサービスにはアクセス可能であることから、わざわざパソコンを使うまでも無く、またパソコンに(プライベートで)触れる機会が無い人も多分にいるのだから、当然だろう。ましてや学生・生徒となれば、自分自身のパソコンを持っている人は大人と比べればごく少数になる。家族全体の保有、あるいは保護者のを借り受ける形で利用しているパソコンで、個人的内容のやりとりが多いソーシャルメディアの利用は、気が引けてしまうに違いない。

動画や画像の共有サイトは?

続いて動画や画像の共有サービス、具体的にはYouTube、ニコニコ動画、Vine、Instagramを同じく学生・生徒に限り、その動向を確認していく。

↑ 動画・画像サービスの利用状況(複数回答)(2015年、学生・生徒、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ 動画・画像サービスの利用状況(複数回答)(2015年、学生・生徒、利用スタイル・端末種類問わず)
 ↑ 動画・画像サービスの利用状況(複数回答)(2015年、学生・生徒)
↑ 動画・画像サービスの利用状況(複数回答)(2015年、学生・生徒)

YouTubeは8割強、ニコニコ動画は1/3程度、Vineは15.4%、そしてInstagramは3割近くが利用している。端末などの利用状況を見ると、いずれのサービスでも携帯電話経由の閲覧利用率が高く、パソコン経由はそれ以下の値を示している。特にYouTubeでは7割強が携帯電話経由で閲覧していると答えている。これだけ大勢の利用者が居れば、いわゆるユーチューバーが学生諸氏に受け入れられるのも理解は出来るし、ニコニコ動画で学生に受けるネタが多く展開されるのもうなづける。

投稿動向はといえば、YouTubeでは携帯電話経由の方が多いが、ニコニコ動画は意外にも(!?)パソコン経由の方が多い。またInstagramはそのサービスの特性上、携帯電話経由による投稿率が非常に高く、1/6強の人が投稿していると答えている。

大学生ともなれば自らのアルバイト代から本体代や通信料をねん出する場合が多々あるが、高校生までは概して保護者から本体代・通信料を出してもらうことになるため、中学生の時点では家庭での負担をかんがみ、スマートフォンを利用できない・させてもらえない場合が多い。今後もスマートフォンの普及は進み、各種調査結果でも高校生はほぼ9割を超えている一方で、中学生でも少しずつ普及率は上昇しているが、高校生のような高みに登るのは難しい。

学生における各種ソーシャルメディアや動画共有サイトの動向の視点で見ると、今後も各サービスに対する魅力が変わらなければ、利用可能端末の利用率が上昇する以上、携帯電話経由での利用は漸増する。しかしそのスピードはこれまでと比べれば緩やかなものとなるに違いない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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