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「現在交際中の異性無し」男性7割、では女性は?!…未婚者の交際現状をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 未婚だが交際中。実際にはどれほどの割合で存在するのか

未婚者の過半数は現在ぼっち状態

男女が婚姻し結婚関係に至るには、交際期間が必要になる。一目ぼれでも、その場で即時に結婚することは考えにくい。現在独身状態でも少なからぬ人は異性と交際し、中には相手との結婚を考えている人もいる。今回は「未婚男女の異性との交際状態」について、国立社会保障・人口問題研究所が2016年9月に発表した、日本国の結婚や夫婦の出生力の動向などを長期的に調査・計量する「出生動向基本調査」の結果から確認していく。

次に示すのは直近調査年の2015年、そして前回の2010年における、未婚者(年齢は18~34歳に限定)の回答時点での異性との交際関係を示したもの。「交際」「恋人」「友人」の定義は説明文ではなされておらず、回答者の解釈次第。また「結婚したい相手」は恋人として・友人として交際している相手を対象としており、かつ相手の同意がある無しは問われていない(すでに婚約関係にある場合も含まれる)。さらに今件は回答時点の話であり、過去に異性との交際関係があったか否かは問われていない。

↑ 未婚者の異性との交際状態(男性)
↑ 未婚者の異性との交際状態(男性)
↑ 未婚者の異性との交際状態(女性)
↑ 未婚者の異性との交際状態(女性)

男女とも「交際している異性は無い」とする回答が最大で、男性は約7割、女性は約6割。次いで恋人の異性が居るとの回答が男性約2割、女性が3割近く。友達としての交際相手が居るとの回答も1割未満だが女性の方が高値。独身者における異性との交際関係状態では、女性の方が恵まれているようだ。現在結婚したい相手が居るとの回答も、女性は1/4近くに達しているが、男性は2割にも満たない。

他方、5年越しの変化を見ると、男女とも異性との関係を有する回答率が減り、交際している異性が居ないとの回答率が増加している。未婚者の異性離れ…との表現はあまりにも陳腐だが、今件調査の複数の別項目の結果において、独身者の「異性との付き合いに不慣れ」との意見が増しているのと合わせ考えると、連動性を覚えさせる。

「異性の相手が居ない」独身者は増加中

「出生動向基本調査」では今件項目に関して途中から選択肢が増加したこともあり、完全な形での経年変化を見るのは困難。そこで「異性の交際相手を持たない未婚者の割合」に絞り、それぞれの調査年における年齢階層別にその動きを見たのが次のグラフ。

↑ 異性の交際相手を持たない未婚者の割合(男性)
↑ 異性の交際相手を持たない未婚者の割合(男性)
↑ 異性の交際相手を持たない未婚者の割合(女性)
↑ 異性の交際相手を持たない未婚者の割合(女性)

年齢階層で多少のばらつきはあるが、歳を経るにつれて、特に今世紀に入ってから、回答率が上昇している=異性の交際相手が居ない独身者率が増えている。元より20歳未満と30代前半で値が大きかったが、最近ではとりわけ男性において、年齢階層別の差異が生じなくなっている。就業形態の変化に伴う出会いの場の減退、結婚に対する考え方の変化など、さまざまな理由が考えられるが、未婚者における結婚への道のりが、ますます遠くなっている状況を映し出す一つの結果には違いない。

若年層の恋愛離れ?

最後に、余談的な話になるが。異性の交際相手を持たない人に関して、交際したいと望んでいる人と望んでいない人に分け、そのうち望んでいない人を全体比率で算出したのが次のグラフ。例えば男性の2015年・総数は30.2%とあるので、2015年の独身男性のうち約3割は、現在異性の交際相手がおらず、また交際をしたいとも考えていないことになる。

↑ 異性の交際相手を持たず特に交際も望んでいない未婚者の割合
↑ 異性の交際相手を持たず特に交際も望んでいない未婚者の割合

未成年者が高めの値なのはまだ学業などに忙しいのも多分にあるのだろうが、男女ともに30代で再び増加を示すのは、結婚出そうな人はすでに回答対象から外れ(独身者でなくなり)、あきらめている人の割合が増加しているからかもしれない。

また男性で一部イレギュラーが生じているが、大よそ5年の間に「(回答時点で)異性の交際相手は要らない」と考えている人は増加を示している。今調査の他項目でも結婚忌避の動きが確認されており、今件も異性との交際を望まない(興味が無い、あきらめた、他に優先順位が高い事柄があるなど理由はさておき)人が増えていることの裏付けとなる動きには違いない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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