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4月4日(土)の皆既月食の楽しみ方   桜と月を愛でよう! 

縣秀彦自然科学研究機構 国立天文台 准教授
4月4日の皆既月食のようす(国立天文台天文情報センター提供)

今年(2015年)の4月4日(土)の夕方、「皆既月食」を全国各地で見ることが出来ます。

昨年10月8日以来の月食ですが、全国各地からの桜の開花宣言とともに満開の桜の下での皆既月食見物に人々の関心が高まっているようです。

満月がたまたま地球の影のなかを通過すると、次第に月が欠けていき、すっぽりと影の中に入るとほのかに赤い月に代わります。これは地球の大気中で赤い光のみが屈折して折れ曲がり月の表面にまで達するからです。この状態を皆既食、月が部分的に欠けている状態を部分食と呼びます。

皆既中 ほのかに赤く輝くが、毎回その明るさや色が異なる。地球大気の状態を反映。
皆既中 ほのかに赤く輝くが、毎回その明るさや色が異なる。地球大気の状態を反映。

この日の満月が欠け始めるのは19:15、皆既食は20:54~21:06までの約12分間、22:45に満月に戻ります。

月食は満月の時にしか起こりませんが、日食と違い、その時間、月が見えている場所からならどこからでも月食を見ることが出来ます。

月食の経過や月の見える方向、観察方法、月食が起こる仕組みなどの詳しい情報については、国立天文台ウェブサイトの解説ページをご覧ください。

皆既中の月が赤く見える理由
皆既中の月が赤く見える理由

また、国立天文台では、多くの皆さんにこの月食を観察していただくための観察キャンペーン「皆既月食を観察しよう 2015」を、月食当日の夜に実施いたします。皆既食中の月の色を観察して、ウェブページからご報告ください。多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

皆既月食を観察しよう2015キャンペーンには全国各地からどなたでも参加可能です。
皆既月食を観察しよう2015キャンペーンには全国各地からどなたでも参加可能です。

次回、日本国内で皆既月食が楽しめるのは3年後の2018年1月31日になります。ぜひ、見逃さないように。

自然科学研究機構 国立天文台 准教授

1961年長野県大町市八坂生まれ(現在、信濃大町観光大使)。NHK高校講座、ラジオ深夜便にレギュラー出演中。宙ツーリズム推進協議会代表。国立天文台で国際天文学連合・国際普及室業務をを担当。専門は天文教育(教育学博士)。「科学を文化に」、「世界を元気に」を合言葉に世界中を飛び回っている。

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