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日本は中国に抜かれて世界第3位に デジタルコンテンツ協会「日中韓3カ国のコンテンツ消費市場比較」より

飯田一史ライター
(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

一般財団法人デジタルコンテンツ協会が、北京大学文化産業研究院、韓国コンテンツ振興院と共同で2009年から実施している「日中韓3カ国のコンテンツ消費市場比較」の2013年分が発表された。ここではその概要をお伝えする。

1.全体の動向のポイント

2012年から2013年の大きな変化としては、

日本 約1486億ドル → 約1220億ドル

中国 約1075億ドル → 約1419億ドル

韓国 約408億ドル → 約397億ドル

となり、中国の市場規模が急増し、また為替レート(円安に振れた)の影響により、

コンテンツ消費市場において日本を抜いて世界第2位になった

ことが挙げられる。

中国は2012年、13年は約30%の勢いで成長。

2009年以降の流れを見ると、日本はほぼ横ばいだが、韓国は堅調に増加(2013年は踊り場にさしかかったように見えるが、4年で1.3倍になっている)。

中国は2009年から2011年までは微増だったが2012年、13年に大きく成長、3年で1.5倍、4年で約2倍の規模になっている。

2.コンテンツで見た場合のポイント

(1)3カ国の共通点「静止画・テキスト」の割合が大きい。全体の約3~5割

(2)日本は「動画」、中国は「音楽・音声」、韓国は「ゲーム」が比較すると割合が大きい。

中国は自動車が普及したことからラジオで音楽を聴くようになり、音楽市場が伸長している。

3.流通メディアで見た場合のポイント

(1)各国の特徴は

日本はパッケージ

中国は放送、

韓国はネットワークが、

それぞれ最も大きい流通メディアである

(2)各国共通で

「パッケージ」の割合が減少して「ネットワーク」の割合が増えている

中国市場の急成長ぶりと、日韓と比較した場合の特徴(自動車が普及したのでラジオで音楽を聴くようになり音楽市場が伸長)が印象的であった。

《一般財団法人 デジタルコンテンツ協会》

情報化社会をリードする良質なデジタルコンテンツ(映像・画像・音声・文字・数値情報の属性及びその媒体を問わず、デジタル化された情報に係わるコンテンツをいう)の制作、流通、利活用を推進することにより、これに係わる産業の健全な発展を促すとともに、文化の向上と快適かつ心豊かな国民生活の実現及び国際貢献に資することを目的に活動している。(会長:北島義斉)

(取材・文 飯田一史)

ライター

出版社にてカルチャー誌や小説の編集者を経験した後、独立。マーケティング的視点と批評的観点からウェブカルチャー、出版産業、子どもの本、マンガ等について取材&調査してわかりやすく解説・分析。単著に『いま、子どもの本が売れる理由』『マンガ雑誌は死んだ。で、どうするの?』『ウェブ小説の衝撃』など。構成を担当した本に石黒浩『アンドロイドは人間になれるか』、藤田和日郎『読者ハ読ムナ』、福原慶匡『アニメプロデューサーになろう!』、中野信子『サイコパス』他。青森県むつ市生まれ。中央大学法学部法律学科卒、グロービス経営大学院経営学修士(MBA)。息子4歳、猫2匹 ichiiida@gmail.com

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