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矢口真里が明日にでも完全復帰できる理由。

五百田達成作家・心理カウンセラー

完璧な「仕上がりぶり」が目を引く

不倫騒動で離婚し、芸能活動を休止していた矢口真里(31)が先日、「情報ライブ ミヤネ屋」で1年5カ月ぶりに復帰しました。

「ワイプの女王」と呼ばれバラエティ番組の常連だった彼女が、長いブランクを経ていったいどのような姿を見せるのか? 例の騒動の顛末はどこまで語られるのか? 今後どうやって芸能界で生きていくつもりなのか? そういった関心が集まる中、数十分間の出演を果たした彼女。

結論からいえば、久しぶりの矢口真里はよくも悪くも変わらず「矢口真里」で、その完璧な「仕上がりぶり」は圧巻のひと言でした。

終始落ち着いた様子

まず印象に残ったのは、その落ち着いた物腰。たびたび「もう、ヤバイです」「今までで一番緊張してます」と繰り返すわりには、語り口は実にしっかりしていて、質問にもテキパキとした受け答えを見せます。

じゅうぶんなクールダウン期間をとっただけのことはあり、とりみだしたり泣き出したりすることは当然なく、終始笑顔。一連の騒動をまとめた映像にも、動揺の色を見せません。

まるでごく普通の出演(たとえば「矢口真里の魅力に迫る」という企画)のように、「どういう顔でワイプにいればいいのか、すごく考えました」などと、現役感あふれるコメントを放ちます。

徹底したディフェンス

さらには、注目の不倫の真相についてつっこまれた際の防御もみごと。

「すべて、私が悪いです」と潔く非を認めた上で、「離婚する際にプライベートのことを口外しないという約束をしたので」というオトナの事情をタテに、肝心なところについては徹底的にはぐらかします。

「それでも!」と食い下がるMCに対して、「もう、ほんとに、はい」「アバウトとでも認めてしまうと、よくないので」と、粘り腰でかわし続けることに成功しました。

あっけらかんとした明るさ

冒頭で「私事でお騒がせしてしまい大変申し訳ありません」と神妙に謝罪し、肝心なところに関しては「約束があるので」と華麗にスルーしたあとは、一転、持ち前の明るさを全開。視聴者は肩すかし&腰砕けのダブルパンチに見舞われました。

不倫相手と報道された俳優との現在の関係について聞かれると、「交際してます」「一緒に住んでます」と明快な回答。そこにはなんのてらいもなく、指輪のことを突っ込まれて照れ笑いする表情などは、「私、いい恋してます」的幸せオーラすら感じられたのです。

OAでは、活動休止中の二重アゴ写真が紹介されたりしていましたが、この日の彼女の風貌は太りすぎず痩せすぎず、服装やメイク、どれをとっても「復帰にはまさにこれぐらいがちょうどいい」という案配。

MCから、騒動の最中ちゃんと寝れたか?と尋ねられると「寝れました!」と答え、周囲の心配を払拭します。まさに、タイトルマッチを前にしたボクサーのような完璧な仕上がりです。

頭の回転の速さとしたたかさは健在

このように、守るところは守り、攻めるところは攻め、したたかに頭の回転の速さを見せつける。立ち位置をしっかり把握し、視聴者へのアピールはちゃっかりと抜け目ない……。そう、その姿は往年の矢口真里そのものでした。

結局「矢口真里は元気」という情報しか伝わってこなかった復帰出演は、期待していた視聴者をガッカリさせましたが、裏を返せば本来の目的のみをきっちり果たしたものに。

大物芸能人のバックアップもアピール

冷静に考えれば、そもそも彼女は犯罪を犯したわけでもありませんし、なんなら別に活動を続けていてもOKな状況(不倫や浮気を、芸の肥やしにしているタレントはたくさんいます)。それでも、当時あわてて記者会見を開いたり、泣き出したりすることなく、まずは何も語らず舞台を去り、ほとぼりが冷めたところで静かに復帰。

「めちゃ2イケてるッ!」の中でナインティナインの岡村隆史に復帰の道筋をつけてもらい、当日は宮根誠司に優しく迎えられ、コメントの中では「ロンドンブーツ1号2号の田村淳夫妻には、とても支えられた」とアピールするなど、大物芸能人からのバックアップも万全。

完璧なシナリオ

「需要がなかったら辞めるつもり」と殊勝な言葉で締めくくった彼女ですが、本人のコンディションといい、周囲の態勢といい、世間の追求の薄れ具合(今回の出演で、完全に毒気を抜かれた視聴者は少なくないはずです)といい、実に理想的な「復帰登板」。

これはもう、すぐにでも完全復活するだろうな、まるでなにごともなかったように(あるいは軽くネタにしながら)、くるくるとしゃきしゃきと活躍するだろうな、と、予感させられました。

元気とウザさの絶妙バランス(=多くの視聴者が彼女に期待していること)をテレビで見られる日は、そう遠くはないはずです。

作家・心理カウンセラー

著書累計120万部:「超雑談力」「不機嫌な妻 無関心な夫」「察しない男 説明しない女」「不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち」「話し方で損する人 得する人」など。角川書店、博報堂を経て独立。コミュニケーション×心理を出発点に、「男女のコミュニケーション」「生まれ順性格分析」「伝え方とSNS」「恋愛・結婚・ジェンダー」などをテーマに執筆。米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。

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