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千葉女性監禁・生き埋め事件はなぜ起こったのか? 【暴走する感情、見えない動機】

五百田達成作家・心理カウンセラー

今月19日、千葉市中央区で船橋市の野口愛永さん(18)が行方が分からなくなり、後日、埋められた状態で見つかりました。

警察は、野口さんを車で連れ去ったとして、4人の容疑者を逮捕。容疑者たちは調べに対し、「野口さんを暴行して埋めた」「野口さんを生きたまま埋めた」と供述しています。

金銭トラブルから、なぜ?

容疑者のひとりである少女(18)と野口さんは高校時代の元同級生。野口さんはホストクラブへ通うなどしていていて、二人の間には金銭トラブルがあったともいわれています。そこから少女が野口さんへ悪感情を持ち、知り合いに暴力を依頼したというのが、事件の概要です。

ですがこの事件には、心理面・動機面から考えると、いくつか首をひねらざるを得ない点があります。

もし金銭トラブルが原因だとしたら、殺してしまってはお金は返ってこないと考えるのが普通の考え。イライラとむかついた勢いで殺害を計画してしまうというのには、18歳にしてはあまりに感情の押さえがきかない未熟さ・恐ろしさを感じます。

実行の動機はいったい?

いっぽうで、実行犯の2名(いずれも20歳)は事前にスコップで穴を掘ったり、犯行に使われた粘着テープや結束バンドを購入したりと、計画的な犯行であったことがわかっています。

犯行のあとも、少女は友人にかくまってほしいと連絡したりしていて、しでかしたことの大きさに震えていた様子。警察への通報も犯行を知った人からとのことで、4人の足並みがそろっていたとは思えません。

依頼を受けた二人が、彼女の言葉を真に受けて犯行に及んだのだとしても、その見返り・動機は何だったのか? そこにも謎が残ります。

止まらなかった暴走

「殺す」という言葉を口癖のように使っていた言われている少女が、本気で殺す気だったのか、いつも通りの口癖であったのかは本人にしか知る由はありません。

いずれにしろ、ひとりで思い詰めたのではなく、周囲の人を巻き込んで犯行に及ぶまでに、だれかひとりでも躊躇して、止める人がいなかったことは、残念でなりません。

野口さんとしてみれば、ちょっとしたきっかけから友人とトラブルになり、電話で脅されてはいたけれど信用してついて行ってみたら、男達が現れ、監禁され、しまいには生き埋めにされる…。その恐怖たるや、想像を絶します。

彼女は穴の中で、どのような気持ちで時を過ごしたのでしょうか。彼女の冥福を祈りたいと思います。

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作家・心理カウンセラー

著書累計120万部:「超雑談力」「不機嫌な妻 無関心な夫」「察しない男 説明しない女」「不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち」「話し方で損する人 得する人」など。角川書店、博報堂を経て独立。コミュニケーション×心理を出発点に、「男女のコミュニケーション」「生まれ順性格分析」「伝え方とSNS」「恋愛・結婚・ジェンダー」などをテーマに執筆。米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。

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