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Apple Watchを1週間使ってみた

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト
iPhone同様に直感的な操作が可能なApple Watch

4月24日にAppleの「Apple Watch」が発売となります。果たして、Apple Watchはどういった製品で、何が便利なのでしょうか。

筆者はApple Watchを入手し、1週間ほど日常生活で使い続けています。使い勝手はどうなのか、バッテリー寿命はどうなのか、といった一般的な疑問に答える形で、製品のレビューをお届けしたいと思います。

━━Apple Watchには、どんなモデルがあるの?

Apple Watchにはケースの素材に応じて、アルミニウム製「Apple Watch Sport」、ステンレス製「Apple Watch」、18Kゴールド製「Apple Watch Edition」の3モデルがあります。それぞれに42mmと38mmの2つのサイズが用意されています。また、革製や金属のベルトなどがあり、自分の好みで選べます。

最安値はApple Watch Sportの4万2800円、最高値はApple Watch Editonの218万円です。

今回、筆者が入手し、使っているのはApple Watch 42mm リンクブレスレットで、価格は11万9800円のものとなります。

━━Apple Watchの第一印象はどんな感じ?

触った感じ、質感はまさに高級腕時計です。これまで、いろんなメーカーのスマートウォッチを使ってきましたが、プラスティック筐体やゴムのバンドなど、どれもデジタル機器というイメージが強かったですが、Apple Watchは本物の高級腕時計という感じです。これであれば、大人の男性や女性が装着しても、恥ずかしくない時計になっています。

人に会っても、普通の時計を装着していると間違われるほど、時計として自然な雰囲気となっています。

━━Apple Watchは何ができるの?

まずは時計です。ただし、画面になっているので、アナログ式やデジタル式、太陽の位置や写真など、様々な時計表示を選ぶことができます。気温や次のスケジュール、ミッキーの時計なども表示可能です。

iPhoneへの電話、メール、LINE、Twitter、Facebookなどの通知を表示します。Apple Watchで通知を見て、返事が必要ならiPhoneで書く、あるいはアプリによってはApple Watchで、音声入力で返事を書く、また決められたメッセージで返事をする、絵文字を送るといったことができます。

1週間、使っていて、この通知機能はとても便利に感じています。大量に送られてくるメールも、まずはApple Watchへの通知をチェックして、本当に必要なものだけを厳選して、iPhoneで返事を書くようにしています。

これによって、iPhoneを持っている時間が減り、「スマホ中毒」からデトックスされた気分になっています(逆にウォッチ中毒になりそうですが)。

━━Apple Watchはどうやって操作するの?

画面をタッチするだけでなく側面のダイヤルも回して操作する
画面をタッチするだけでなく側面のダイヤルも回して操作する

画面部分をタッチもしくは長押しすることで操作します。画面は小さいですが、直感的な操作ができ、このあたりはiPhoneに通じるものがあります。ただ、指が邪魔して画面が見えないという欠点もあります。

そのため、Apple Watchではデジタルクラウンという側面にくるくる回せるダイヤルがついています。これによって、画面の拡大やスクロールが可能です。これがかなり使い勝手がかなりよく、サクサクと気持ちいいほど操作しやすいです。

デジタルクラウンはiPhoneでいうところのホームボタンとして役割も担っており、1度押すと時計表示、もう一度押すとアプリのアイコン一覧が表示されるようにもなっています。

また、時計表示時は画面を上から下にこすると通知、下から上にこすると心拍数や世界時計、株価、スケジュール、天気などの情報を表示します。

いずれにしても、操作はわかりやすく、誰でもすぐに慣れることでしょう。

━━アプリを追加することはできるの?

iPhoneからアプリをインストールできる
iPhoneからアプリをインストールできる

Apple Watchではスマホのようにアプリケーションをインストールして、機能を追加することも可能です。アプリのインストールはiPhoneの設定アプリから行います。

現在、日本のApp Storeで公開されているApple Watch対応のアプリは20個ほどしかありません。

しかし、アプリを追加することで、ニュースや最寄りの駅の時刻表、料理のレシピを表示することができます。

海外のホテルでは、チェックイン時にApple Watchに部屋番号が表示され、フロントで手続きをしなくても、部屋に行くことができ、さらにApple Watchで部屋のドアを開けるといったことも可能です。

このあたりは「いちいち、スマホを取り出す必要がない」という点が便利だったりします。今後、Apple Watchが発売されることで、様々なアプリも増えてくることでしょう。ぜひ期待したいものです。

━━ほかに面白い機能はないの?

Apple Watchでは心拍数を図れる機能が備わっています。また、ユーザーの動きを感知していますので、その日の消費カロリー、運動量などを自動的に記録しています。

また、座り続けていると、1時間に一回、「立ち上がって動きましょう」というように知らせてくれます。これは健康上、1時間に1回は動いた方がいいと言われているため、アドバイスしてくれるようです。

Apple Watchを装着したからというもの、日々、消費カロリーを気にするようになり、運動量を稼ごうと、移動中はエスカレーターではなく、階段を使うようになりました。運動不足の人にApple Watchはオススメです。

━━バッテリー寿命、どれくらい持つの?

充電はマグネット式のケーブルで行う
充電はマグネット式のケーブルで行う

気になるのが電池寿命です。スペックでは18時間とありますが、実際に使った感じでは、朝から晩まで使い続けても問題はありません。夜、充電を忘れても、翌日の午後ぐらいまでは持つ感じです。しかし、丸2日間は厳しそうなので、毎晩、充電した方がいいでしょう。

ちなみに充電はマグネット式の専用ケーブルとなっています。ピタッとくっつくので、充電はやりやすいと思います。

ただ、一方でiPhoneの電池が早くなくなるような気がしています。これは常にApple Watchと通信をしているからかも知れません。

━━水に濡れても大丈夫なの?

お風呂に入ったりするのは厳しいようです。しかし、日常生活で、手を洗う時に水がかかる、雨の日に時計に雨がかかる、といった程度であれば、問題なさそうです。

ちなみに1週間、毎日手を洗ったりしていますが、全く問題なく使えています。

━━結局、Apple Watchは何が便利なの?

1週間使って、感じたのは「iPhoneを持つ時間が短くなった」という点です。これまでは、電車のなかや友達と食事をしていても、ついiPhoneを触って、メールなどをチェックしていましたが、Apple Watchを装着することで、そうした時間が減りました。

メールやメッセージのチェックであれば、Apple Watchで事足りますし、必要な時だけ、iPhoneを触れば良くなったからです。

━━で、結局、Apple Watchは買いなの?

新しいモノ好き、アップルファン、iPhoneファンは間違いなく買いだと思います。現在、売られているスマートウォッチのなかでは、最も出来が良いですし、高級感と洗練された使い勝手、今後、増えるであろうアプリなどを考慮すると、かなり面白く、ワクワク感のある「高級腕時計」という感じがしています。

一方、一般的なユーザーであれば、ちょっと待っても良いかもしれません。いろんなアプリが登場し、「こんな新しい使い方ができるんだ」ということがわかってから、購入しても遅くはないと思います。

ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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