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スマホ向け放送「NOTTV」、ついにサービス終了

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト
今年4月、BS・CSの人気放送局が観られるサービスを開始したばかりだった

NTTドコモは11月27日、スマホ向け放送サービス「NOTTV」を終了させると明らかにした。終了時期は2016年6月末としている。

NOTTVは、地上波アナログ放送の終了によって空いたVHF帯を利用したスマホ向けのテレビ放送。

2012年4月の開局以来、オリジナル番組を中心に編成しつつ、ニュースやバラエティ、ドラマなど幅広い番組を放送していた。

今年4月からは新たに「フジテレビONE スポーツ・バラエティ」や「フジテレビTWO ドラマ・アニメ」「時代劇専門チャンネル」「AXN 海外ドラマ」などのBS・CSの6チャンネルを加えた、「NOTTVパック」を、月額635円で提供しはじめたばかりだった。

しかし、2015年9月末現在の契約者数は154万4142件と低迷。6月末が163万7804件、3月末で175万3851件だったことを考えると、ここ最近は3ヶ月で10万件というハイペースで減少していることがわかる。

NOTTVを視聴するには、専用チューナーを搭載したAndroidスマホが必要となる。

ここ2年間、NTTドコモではiPhoneが売れており、必然的にNOTTVを視聴できる端末が減る傾向にあった。また、NTTドコモが販売するAndoridスマホのなかでも、NOTTV非対応機種が増えてきた影響もあるようだ。NTTドコモとしても、NOTTVチューナーという日本特有の部品を搭載することで、端末の調達コストが上がるのを避けたかったのかも知れない。

NOTTVではiPhoneでも視聴できる周辺機器を用意してきたが、契約者数減少の歯止めにはならなかったようだ。

NOTTVは、ISDB-Tmm方式を採用するマルチメディア放送で、免許割り当て当時、KDDIが中心となるMediaFLO方式を1枠の周波数帯を巡って、熾烈な免許獲得競争を展開していた。

当時、ソフトバンクもISDB-Tmm方式を支持し、サービスも提供するとしていた。

NTTドコモは「5年間で5000万台の対応機種が普及する」としていたが、ソフトバンクの協力も得られず、結局は4年ちょっとでサービスを終了させる結末となってしまった。

ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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