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カップヌードルCMに続き、映画挿入歌にも「でんぱ組.inc」が起用され続ける理由

いしたにまさきブロガー/ライター/アドバイザー
日清カップヌードルCM「現代のサムライ篇」に出演する「でんぱ組.inc」

ゴールデンウィークに初の武道館公演を控えた「でんぱ組.inc」の躍進が止まりません。

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まずは、まさに今流れている日清カップヌードルCM「現代のサムライ篇」のCMをどうぞ。

更に、そのメイキングも公開されています。

CM撮影というもののすごさを知ることができるメイキングになっていますが、ここで注目されるのは、でんぱ組.incだけではなく、その観客も含めて出演という構図です。だから、このでんぱ組み.incの出演はライブシーンじゃないと意味がなかったわけです。なお、撮影で使われたサイリュームは2000本を超えているそうです。

そして、原作:深町秋生、監督:中島哲也(実に4年ぶりの新作)、主演:役所広司・小松菜奈で話題となっている「渇き。」(他にも、妻夫木聡・オダギリジョー・中谷美紀・二階堂ふみ・橋本愛と豪華出演陣)。

その話題作「 渇き。」にも、劇中歌として、でんぱ組.incの「でんでんぱっしょん」が採用されています。そして、その「でんでんぱっしょん」も流れる「 渇き。」の予告編が公開されました。

「でんでんぱっしょん」が流れるのは、予告編の42秒ぐらいから。さすがに予告編なだけに、流れるシーンは短いですが、とても印象的なシーンで使われていることは、ばっちり伝わってきます。

この連鎖反応、なんなんでしょうか?

武道館出演を控えるアイドルグループなら、他にもいます。でも、カップヌードルのCMも、この「渇き。」という映画(の予告編)からも、他のグループの曲では成立しなかったんだろうなということは、伝わってくるのです。

無粋を承知の上で書くと、これらの現象はでんぱ組.incじゃないと、今そこにあることが表現できない若者の文化がそこにあるということです。アキバカルチャーといってもいいのかもしれませんが、アキバカルチャーがアキバという地域に縛られていないことぐらい、説明いらずですよね。

つまり、でんぱ組.incの躍進というのは、彼女たちが体現しているカルチャーの広がりと同期しているわけです。これは、他のアイドルグループには、ちょっと真似ができません。だから、一度カルチャーが広がっていくと、自然とでんぱ組.incの楽曲がどんどん使われていくわけです。

そりゃ、武道館も埋まるわけです。

アキバのディアステージという小さなステージから始まったアイドルグループが、ここまで育ったこと。これはでんぱ組.incというアイドルグループの成長というだけではなく、アキバカルチャーの広がりがそれだけの規模となったことと考えるべきです。

これは未だにアキバ=電気街というイメージがある人には理解しにくいかもしれませんが、AKBだけがアキバではないということだけは理解しておいた方がいいでしょう。

ブロガー/ライター/アドバイザー

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、2007年第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」「あたらしい書斎(インプレス)」など著書多数。2011年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザーに就任。ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなど、ネット発のカバンプロデュースも好調。 #カゲサポ

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